ルートインBCリーグの新潟アルビレックスBCの新監督に就任した元日本ハム、オリックス投手の清水章夫氏(43歳)が25日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで就任記者会見に臨み、「選手と一緒に成長していきたい」と決意を述べた。契約期間は1年で、背番号は「99」。清水監督は今季のチームスローガンを「縁(えん)」に決めたとことを明らかにした。
第8代となる監督に就任した清水章夫新監督(左)と池田拓史球団社長
清水監督は大阪府出身で、大阪高では軟式野球部に所属。近畿大で本格的に硬式野球を経験し、1997年のドラフト会議で日本ハムから1位指名されて入団。貴重な左の先発・中継ぎとして登板を重ねた。2007年にオリックスへ移籍。2010年に現役を引退するまで、プロ通算279試合に登板し、17勝29敗2セーブの成績を残した。
2010年に現役を引退した後は野球界から離れ、兵庫県姫路市のサイクルショップに勤め、「スポーツバイクの組み立てや接客をしていた」と話す。今月に入りスポーツマネジメント会社を通じ、新潟から監督就任のオファーを受けた。「半月前には想像もしていなかったが、もう一度、野球界に戻ることができてうれしい。選手と一緒に成長していきたい」と意気込みを語った。
新潟の池田拓史社長は「清水氏は高校は軟式野球部だったが、大学から硬式野球を始め、そこで成長し、日ハムからドラフト1位で指名を受けた。何かが足りなくてNPBに行くことができていない若い選手にその経験を伝えてほしい」とオファーのいきさつを説明した。
監督就任要請に清水氏は「不安もあったが、高校や大学で出会った指導者に恵まれた自分が、少しでも何かを伝えられればという気持ちが強かった。ワクワクした」とその気持ちを説明した。20日までサイクルショップで働いた後、「友人から贈られた」という新潟のチームカラーであるオレンジのネクタイを締め、「初めて来た」という新潟の地にやってきた。
今季のチームスローガンに「縁」の文字を記した
引退後は「年に何度か、NPBの試合を観戦し、頼まれれば少年野球や高校で指導してきた」と話すが、本格的な指導者の道は初めて。具体的なチームづくりのイメージはこれからだが、「人間形成が大事。選手1人ひとりが目標を持ち、一日ずつクリアする積み重ねが必要で、その手助けをしたい。自分自身もまだ野球を学びたい」と話す。
今季のチームスローガンは「縁(えん)」。自身が大切にしてきた言葉で、「全ての縁に感謝して、日々鍛錬していきたい」と意気込む。今季から富山を率いる二岡智宏監督は近大時代の1学年後輩。「この場で再会できるとは…一緒に盛り上げていけたら」と対戦を心待ちにする。
新潟はここまで3年連続でプレーオフ進出を逃している。チームは2012年以来の独立リーグ日本一を目指す。「地元の人たちから喜んでもらえるチームに」と話す新指揮官とともにチームは再スタートを切る。
◎清水章夫新監督の就任会見 動画◎
https://www.youtube.com/watch?v=RuRZhq3D3as&t=1421s
(取材・撮影・文/岡田浩人)