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【高校野球】糸魚川白嶺が秋4強の帝京長岡に競り勝つ 新潟大会1回戦

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夏の甲子園出場を懸けた「第101回全国高校野球選手権・新潟大会」は8日、3球場で1回戦7試合が行われた。鳥屋野球場の第1試合では新潟が終盤に新津南を突き放しコールド勝ち。佐藤池球場の第3試合では糸魚川白嶺が昨秋ベスト4の帝京長岡を延長の末にくだし、2回戦に進出した。9日は3球場で1回戦6試合が予定されている。

佐藤池③糸魚川白嶺4-3帝京長岡
延長戦の末に勝利し、喜ぶ糸魚川白嶺の選手たち

◎8日の1回戦の試合結果◎ ※記録は新潟県高野連発表
<鳥屋野>
①新潟8-1新津南(7回コールド)

(バッテリー)
新 潟:須栗久善、遠藤彰-田中雅大
新津南:向井優輝、佐藤岳-田澤将
(二塁打)
新 潟:田中雅大(1回)、須栗久善(6回)、笹川拓馬(7回)
(三塁打)
新 潟:笹川拓馬(6回)
(本塁打)
新津南:田澤将(6回・ソロ)

②新潟第一3-1新潟向陽

(バッテリー)
向陽:阿部佑真、大滝和真、大澤成翔-栗林昌吾
第一:小嶋弘人、近藤想真-北田凜太朗
(二塁打)
向陽:佐々木歩夢(4回)
第一:北田凜太朗(6回)、小林篤史(8回)
(三塁打)
向陽:大澤成翔(4回)


<五十公野>
①新発田中央10-0豊栄(6回コールド)

(バッテリー)
豊栄:木竜快音-吉川遼
中央:後藤悠太、久世大成、松田頼依-黒井一揮
(二塁打)
中央:黒井一揮(3回)、宮澤遼介(5回)
(三塁打)
中央:宮澤遼介(1回)、渡辺詢介(1回)、曽我虹司(6回)

②新津工7-0加茂(7回コールド)

(バッテリー)
新津工:太田幹也-宮本和輝
加 茂:佐藤賢斗、金子優也、塚田大輝-坪谷陸斗
(二塁打)
新津工:酒井光稀(4回)、宮本和輝(5回)、比企一歩(6回)
加 茂:坂井紅大(4回)


<佐藤池>
①高田農・高田商9-2久比岐・柏崎総合(8回コールド)

(バッテリー)
久比柏総:大瀧響介-棚岡潤一
高田農商:上野飛鳥-久保柊真
(二塁打)
久比柏総:棚岡潤一(2回)、高橋紀裕(3回)
高田農商:風間晴喜(1回)

夏の新潟大会では初めてとなる連合チーム同士の対決となった


久比岐柏総の先発①大瀧響介(久比岐3年)


高田農商の先発①上野飛鳥(高田商1年)


2回表、1点を追う久比岐柏総は主将の七番・田邉堅也(柏崎総合3年)の右前適時打で同点に追いつく


4回裏、高田農商は内野ゴロの間に1点を勝ち越した後、風間晴喜(高田商3年)の中前適時打でさらに2点を追加。4-1とリードを広げる


5回裏、高田農商は浅沼祐輝(高田商1年)の中前適時打で2点を追加


牛木晃一監督の話を聞く久比岐・柏崎総合の選手たち

◇高田農商・大島勉監督(高田商監督)の話◇
「去年夏(の後)から連合チームで、お互いに言いたいことを言える間柄になってきた。平日はそれぞれのグラウンドで練習をしてきた。休日に一緒に練習した時にサインプレーなどの確認をしてきた。(1年生左腕の)上野はこれまであまり球数を投げさせないようにしてきたが、行けるところまでという形で考えていた。(春から)ある程度、力はついてきた。ストライク先行でよかった。楽しみにしている投手。(風間主将の適時打は)春の大会では最初の打席は1球も振らずに三振だった。ずっと調子が悪かったが、いい打撃だった。(次戦は三条と対戦だが)できることをしっかりやれるかどうかだけ。課題はあるが、ぶつかるだけ。最後まで粘り強くやってもらいたい」

◇高田農商・風間晴喜主将(高田商3年)の話◇
「秋春とコミュニケーションが上手くできなかった部分で負けてしまった。夏はしっかりコミュニケーションは取れ、打線も上手くつながった。率直にうれしい。連合チームの中で一番強いと証明したかったし、単独チームにも負けないという思いがあった。(工夫したのは)土日の休憩時間でもコミュニケーションを取るようにした。(4回の適時打は)変化球。秋春と打てず、借りを返したかった。チームのために一本が出てうれしかった。(次戦は三条が相手で)第2シードだが、粘って、つないで1点ずつ取っていければ」

◆久比岐・柏崎総合・田邉堅也主将(柏崎総合3年)の話◆
「(2回の適時打は)内角の球。詰まった感じがした。(春は連合を組んでいた柏崎常盤が単独出場となり)不安はあったが、みんなが支えてくれた。明るく、元気のあるチームだった。(後輩へは)これから3年生が抜けて人数が少なくなるが、できればこの2つの学校での連合でやってほしいので人数集めから頑張ってほしい。(3年間は)充実していた。牛木監督から1年生の頃から指導していただいた。怒られたこともあったが、期待しているからだと言われた。『人として、選手として、強くなれ』と言われてきた。人として大切なことを教えてもらった」

②高田北城11-9小千谷西

(バッテリー)
高田北城:安達大輔、蓬田千尋、安達大輔-中嶋大輝
小千谷西:浅見良太、片桐輝也、浅見良太-星野駿平
(二塁打)
高田北城:牛木研志2(3回、5回)、渡辺皓太(8回)
小千谷西:山之内陽夏2(3回、5回)

小千谷西の先発③浅見良太(2年)


高田北城の先発①安達大輔(2年)


2回表、高田北城は満塁からの押し出し死球で先制後、牛木研志(2年)の左前適時打などで計6点を先行


小千谷西は2回途中から主将①片桐輝也(3年)が登板


8点差を追う小千谷西は3回裏、満塁から併殺崩れの間に1点を返し、四番・山之内陽夏(2年)の左越え適時二塁打で2点追加


6回裏、小千谷西が阿部斗真(2年)の三ゴロ失策の間に1点返し3点差に。小千谷西は最後まで粘りを見せた

◇高田北城・辰尾健太監督の話◇
「夏に勝つのは大変なんだなと改めて実感した。選手も感じたと思う。(コールドもと)正直頭になかったわけではないし、選手も少し思ってしまったところが、ちょっとした走塁のスキなどに出てしまい、こういう展開になってしまった。いい薬にして、反省すべきところは反省したい。その中でもいい形で得点できている、守ることができているところもあったので、次につなげたい。(牛木は)絶不調だったが、ここぞの場面で打ってくれて助かった。(安達の出来は)いい球はよかったが、直球を叩かれ、カウントを取る変化球を叩かれ、ちょっと弱気になってしまった。中盤に開き直った時はいい球が来ていた。1試合通じてできるだけのメンタル面がついてくれば。このチームの3年生は力のない状態で入学し、自分たちでも上の2学年に比べれば力がないと自覚していたと思うが、一生懸命野球に向き合ってくれた。成長率では私が北城に来て一番伸びてくれた選手たち。これをステップにして、もう1つ、シード校相手に挑戦者としてしっかり戦ってくれるのでは。(高田は)母校としてはあまり意識していない。隣の学校として負けられないと思っている」

◆小千谷西・松坂章監督の話◆
「チームの調子も、投手の調子もよかったので、(8点差も)選手の気持ちが切れなければ何とかなるかなと思っていた。もう少し失点が何とかなるかと思っていたが、夏の初戦で緊張もあった。守りも攻撃も、あと少しというところだったが…今までならば前半のままに行ってしまったり、後半も広げられたり、というチームが、こういう競った試合を最後までやってくれるようになったところは物凄く成長を感じられる。1、2年生には悔しい思いを何とかしてほしい。今の1年生は小千谷市内の中学の野球部員が少ないので仕方がないが、地元の選手が地元の高校を目指してくれるような学校になればと思う。きょうは負けたが、粘り強い試合をしたので今後につながってほしい」

◆小千谷西・片桐輝也主将の話◆
「悔しい。あと2点だったのでもう少しだった。(8点差がついたが)前半だったので松坂監督からは『1点ずつ取れば、同点に追いつける』と言われていた。1点1点集中した結果、(3回に)4点を取ることができ、全員で取ることができた9点だったと思う。3年生が2人だけだったが、2年生も試合に一緒に出ていた。3年生が抜けても、2年生が経験をいかして頑張ってほしい。同期が少なかったが、今の2年生が新入学生でたくさん入ってくれて感謝している。(今後の野球との関わりは)就職を考えているが、野球と離れることは無理なので、何かしら野球に携わりたい」

③糸魚川白嶺4-3帝京長岡(延長10回)

(バッテリー)
白嶺:小野圭悟-松尾将聖
帝京:大塚翔太、大川寅一、塚田大輔-寺本健太郎
(二塁打)
帝京:伊林佑磨(1回)
(三塁打)
白嶺:結城廉(1回)

帝京長岡の先発⑩大塚翔太(3年)



1回表、糸魚川白嶺が安打と暴投で二塁に渡邉翼(3年)を置き、三番・結城廉(3年)が中越え三塁打を放ち、1点を先制。この後、犠飛でさらに1点追加


糸魚川白嶺の先発①小野圭悟(3年)



1回裏、帝京長岡は四球の酒井蒼太(3年)が二盗、三番の伊林佑磨(3年)の適時二塁打で1点を返す


帝京長岡は3回から⑪大川寅一(1年)が登板


帝京長岡は7回からエース①塚田大輔(3年)が登板



8回裏、帝京長岡は1死1、3塁から奥村睦斗(3年)の犠飛で同点に


8回裏、帝京長岡は羽賀陸統(3年)の左前適時打で1点を勝ち越し


9回表、糸魚川白嶺は2死走者なしから、四球をきっかけに連打で満塁の好機を作り、渡邉翼の遊内野安打が適時打となり、土壇場で同点に追いつく



延長10回表、糸魚川白嶺は安打で出塁の結城廉を三塁に置き、小野圭悟の中犠飛で1点を勝ち越し

◇糸魚川白嶺・丸山卓真監督の話◇
「今までの中で一番〝ゲーム〟をした。主将が勝って先攻を取った。試合はとにかく粘れと話していた。三番(結城)と四番(三宅)には打撃で行こうと話していた。それで最初に先制点を取れた。5点、6点の失点はあってもいいから、結果的にウチが最後に1点勝っていればいいと話していた。驚いたのは(8回に)2点を取られて、終わりかなというところを、選手が積極的に走塁を仕掛けた。結果的にアウトの走塁はあったが、あそこで消極的な走塁をしていたら、向こうから『置きにきている』と思われるので、あの走塁でOKだと言っていた。何はともあれ、13人と(ベンチメンバーが)少ない中でこういうゲームをできたことは非常によかった。(小野投手は)立ち上がりがいつも悪いが、後半からよくなった。(春の大会で)糸魚川高校が新潟明訓に対して、本塁打でカンカンと打った。あれを学ばなければと話していた。私立の強豪を相手にするならば先制パンチがなければと。三番、四番には本塁打を狙えと言っていた。本塁打はなかったが、いい打球が打てた。(15安打は)打ちましたね。練習試合ではいろいろな相手にずっと負けていた。(抽選結果を聞いて)主将に『どこを引いているんだ』と思ったが、勝つ時はこんなものかと思う。ウチは存続のかかった公立。人数が少ないところが生き残るためにはジャイアントキリングが大事。糸魚川の中学生に勇気を与えられたなら。(次戦は新潟産大附だが)同じ気持ちで行く」

◇糸魚川白嶺・小野圭悟投手の話◇
「練習試合から10回以上を投げる練習をしていた。スタミナも残っていた。楽しく投げることができた。とにかく腕を振って、制球を間違えないように意識した。8回に逆転され、厳しいなと思ったが、そこを踏ん張ることができ、9回にみんなが追いついてくれて助かった。(10回の犠飛は)前の2人が出てくれたので、とにかくバットに当てようという気持ちで打席に入った。振り切ることだけを考えた。芯でとらえ、最後の一押しまでできた。(10回裏は)1点差を楽しむことができた。走者二塁でも落ち着いていた。(春は3回戦でコールド負けだったが)春は変化球と直球の腕の振りが違っていた。それを直すため、変化球の腕の振りを意識してきた。抽選が決まってから絶対に勝とうと思っていた。(次戦へ)厳しい戦いになると思うが、初回から飛ばして最少失点に抑えたい」

◆帝京長岡・酒井蒼太主将の話◆
「監督が代わった後に『あいさつや返事、時間厳守からやっていこう』と言われ、そこから見直して、取り組んできたが、まだ足りなかった。(初回の失点で)先制点を取って勢いづけていこうと思っていたところに2失点だったが、1点ずつ返していこうと思っていた。練習試合でもこういう展開はあった。(8回に逆転して)負けたくないという気持ちで全員に声をかけ、逆転できたが、(10回に勝ち越され)相手の方の負けたくないという気持ちが強かった。(後輩へ)必ず甲子園で勝つことを目標に、一日一日を大切にして練習に取り組んでほしい。(野球は)大学に進学して続けたい」


◎9日の1回戦の試合予定◎
<鳥屋野>
①新潟青陵(9:00)巻総合
②佐渡総合(11:30)新潟北

<五十公野>
①新発田商(9:00)新津
②新潟東(11:30)新潟西

<佐藤池>
①長岡高専(9:00)柏崎
②分水村松阿賀野(11:30)上越

(取材・撮影・文/岡田浩人)


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