中学軟式野球を引退した3年生による「新潟県選抜」が24日、燕市で社会人軟式野球チームの強豪・新潟信用金庫との初の強化試合に臨んだ。中3生による新潟県選抜は11月に静岡県で全国大会に参加するため結成された。この全国大会はかつては軟式球から硬式球への橋渡しとなる「Kボール(KWBボール)」を使用していたが、昨秋から硬式球と同じ重さになった軟式球「M号」を使用することになったため、同じM号を使っている社会人チームとの強化試合が初めて実現した。試合は1対0(7回終了)で新潟信用金庫が勝利したが、善戦した新潟県選抜の中学生は「投手の直球の質、打者のレベルが違い、いい経験になった。この経験をいかして全国優勝できるよう頑張りたい」と決意を新たにしていた。
中3生による新潟県選抜(左)と社会人・新潟信用金庫による初の強化試合
◎24日の強化試合結果◎
<燕市吉田野球場>
新潟信用金庫1-0新潟県選抜
(バッテリー)
信 金:渋谷、相澤、小林学-村山
県選抜:村越、神保-竹野
(本塁打)
信 金:桑原(1回・ソロ)
中学生と社会人による試合は、かつては中学生が「B号」、社会人が「A号」と異なる大きさの軟式球を使っていたため実現しなかったが、現在は中学生以上が「M号」に統一され、双方の使用球が同一となった。中3生の新潟県選抜が強化試合を申し入れて初めて実現した(非公式の試合は昨年1試合実施)。
試合は初回に新潟信用金庫の一番・桑原巧佑が中越えに先頭打者本塁打を放って先制。しかしその後は新潟県選抜の村越仁士克(にしか)(燕吉田中)が5回まで被安打4、1失点と粘りの投球を見せ、6回から登板した神保紘大(長岡大島中)が2回を無失点に抑えた。新潟県選抜の打線は新潟信用金庫の3投手の前に2安打に抑えられた。
新潟県選抜の先発・村越仁士克(燕吉田中)
最終回の1死から新潟県選抜は加藤賢誠(新井中)が中前安打を放つ
新潟県選抜はこの日、高校見学などで20人のメンバーのうち出席者は10人にとどまったが、社会人チームを相手に善戦した。捕手を務めた竹野聖智選手(燕吉田中)は「初回にいきなり本塁打を打たれ、『レベルが違う』と感じたが、そこからピンチも凌ぐことができた。投手のレベル、直球の質が違った。打者も中学では対戦できないレベルで芯でとらえるのが上手かった。いい経験になった」と話し、「全国優勝が目標」と意気込みを示した。新潟県選抜の松田祐介監督は「守りはできたが、打撃でとらえられなかった。いい投手と対戦した時にどう攻略するかが課題」と今後の改善点を語った。
新潟信用金庫の霜鳥昇監督は「中学生だがしっかりした体つきで、投手を中心に守備もしっかりしていて、特に捕手の肩が目についた。正直、負けなくてよかった」と安どした様子。「野球人口が減っている中で、社会人でも野球を続けられるチームがあることを分かってもらうだけでも意味がある」と今後もこうした試合を続けたい意向を示した。
新潟県選抜は11月2日から静岡県で開催される「第19回全国中学生都道府県対抗野球大会」(日本中学生野球連盟主催)に出場する。各都道府県の選抜チームが出場予定で、今後は県内で合同練習や社会人チームとの強化試合を行って調整する。
新潟県勢は過去、飯塚悟史投手(直江津中-日本文理高-DeNA)がエースとして活躍した2011年秋の大会で準優勝、山本雅樹投手(直江津中-中越高-桜美林大)がMVPを獲得した2015年夏の大会で優勝している。4年ぶりの全国優勝を狙っている。
11日の試合に参加した新潟県選抜のメンバー10人(登録は20人)
※11日の強化試合に参加した新潟県選抜のメンバー(順不同)
熊木颯一郎(燕吉田中)、加藤賢誠(新井中)、田辺大誠(本成寺中)、柳澤龍(巻西中)、丸山幹太(小須戸中)、竹野聖智(燕吉田中)、村越仁士克(燕吉田中)、神保紘大(長岡大島中)、川瀬直(長岡江陽中)、山岸閃理(笹神中)
(20人のメンバーは10月以降に掲載する予定です)
(取材・撮影・文/岡田浩人)