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【ドラフト】魚沼市出身の韮澤は広島4位 アルビBCの樋口と長谷川は日ハムが育成指名

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NPB(日本野球機構)ドラフト会議が17日、東京都内で開かれ、新潟県関係では魚沼市出身で花咲徳栄高校3年の韮澤雄也内野手(18歳・堀之内中出身)が広島東洋カープから4位指名を受けた。また育成ドラフトでは北海道日本ハムファイターズから新潟アルビレックスBCの樋口龍之介内野手(25歳・横浜高-立正大)が育成2位で、長谷川凌汰投手(23歳・福井商高-龍谷大)が育成3位で指名された。新潟県関係は一昨年の4人、昨年の3人に続き、複数の選手が指名された。

広島から4位指名された魚沼市出身の韮澤雄也(花咲徳栄高3年)

広島から4位指名を受けた韮澤は魚沼市の出身。小学生の時に自宅から約100キロ離れた硬式チームの新潟南リトルで野球を始めた。新潟南リトルで全国大会に出場し、新潟シニアでも中学2年夏に全国大会に出場。3年夏にも主将で三番・遊撃手として全国大会に出場した。その広角に打ち分ける打撃センスと堅守に、新潟シニアの泉貴之監督は当時「将来、必ずプロ野球選手になります」と断言した。

高校は埼玉県の名門・花咲徳栄高校に進学。1年夏に背番号16で甲子園に出場しベンチ入りを果たし全国制覇を経験した。1年秋からは三番・遊撃手として活躍。3年春にはU18の高校日本代表候補に選出され、合宿に参加。花咲徳栄の岩井隆監督は「日本代表の合宿から帰ってきたら意識が変わり、大きく成長した」と振り返るように、チームの中心選手としての自覚が芽生えた。

「(佐々木朗希や奥川恭伸など)すごい投手がいる中、もっと練習をしなければと刺激になりました」

今夏の甲子園に3年連続で出場。初戦でベスト4入りした明石商に惜敗するも、大会後にはU18の高校日本代表に選出され、韓国で開催されたワールドカップに出場。木製バットへの対応力の高さを見せ、安打を量産し、日本代表の三番・一塁手としてベストナインに輝いた。

9月半ばに帰郷した際はドラフト会議に向けて「12球団どこでも指名されたら入団したい」とプロ入りへの強い意欲を表明し、「プロ野球選手になって子どもの頃からお世話になった地元に恩返ししたい。自分がプロで活躍することで子どもたちにもっと野球をやってもらえるような存在になりたい」と語っていた。
U18ベストナインの記念品を手に帰郷した韮澤雄也(9月16日撮影)


◎「早く背番号を二けたに」日ハム育成指名の樋口と長谷川が決意新たに◎

プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの新潟アルビレックスBCからは2選手が日本ハムから育成指名を受けた。今季四番打者として活躍した樋口龍之介と、エースとして11勝を挙げた長谷川凌汰の2人である。新潟市で指名を聞いた2人は互いに「ほっとした」と率直な心境を漏らしたが、一軍の公式戦に出場できない育成指名とあって「ここからがスタート。二けたの背番号を目標に一日も早く一軍で活躍したい」と決意を新たにした。

日本ハムから育成2位指名を受けた新潟アルビレックスBCの樋口龍之介(左)と同3位指名を受けた長谷川凌汰

樋口は入団3年目の今季、四番打者として打率・354(リーグ4位)、本塁打19本(同2位)、打点69(同3位)とリーグ屈指の強打者に成長。168センチと小柄ながら、パンチ力のある打撃と内野のどこでも守ることができる器用な守備が持ち味である。

四番打者として今季リーグ2位となる19本塁打をマークした樋口

長谷川は最速153キロの右腕で、昨年秋のドラフト会議でも指名有力とみられたが指名漏れに泣いた。入団2年目の今季はスライダー、フォークなど変化球の精度が向上し、主に先発として11勝1敗、防御率2.05(リーグ4位)と抜群の安定感を示した。

今季11勝を挙げた長谷川 防御率2.05と抜群の安定感を示した

ファンへのパブリックビューイングが行われた新潟市の新潟日報メディアシップでドラフトの行方を見守った2人は、指名後、ファンの前に現れ、大きな拍手を受けた。記者会見には池田拓史球団社長、清水章夫監督が同席。池田社長は「球団として4年連続でドラフトでNPBに選手輩出となった。これはBCリーグで初めてでサポーターの皆様の熱い声援の賜物」と感謝の言葉を述べた。元日ハム投手だった清水監督は「2人が(NPBに)行けたことは嬉しい。これからが勝負で二けたの背番号を勝ち取り、札幌ドームで暴れているところを見たい」と激励した。

清水章夫監督(左端)、池田拓史球団社長(右端)とともに

指名された2人は安どの表情を浮かべるとともに、「これからが大切」と気を引き締めた。会見の主な一問一答は以下の通り。

Q指名された瞬間の心境は
樋口「え?という感じだった。(25歳という)年齢もあり難しいかなと思いつつも期待していた」
長谷川「先に樋口さんが指名され、うれしいと思っていた中で自分の名前が画面に表れ、すごくうれしかった」

Q今季の伸びたところ、どういうところが評価されたと思うか
樋口「今季は本塁打を打とうとシーズンに入った。昨季の10本を越えようという気持ちで入り、その結果19本になった。そこは満足している。打率も思っている以上に打つことができた。小さい体だが、遠くに飛ばす能力、本塁打だけではなく単打を打てるところも評価されたと思う」
長谷川「今季は先発としてローテーションで回ったが、シーズンが始まる時に負けないことを目標にしていた中、11勝1敗で貯金を10つくることができたのは満足している。評価していただいたのは即戦力というところだが、育成で支配下ではないので早く上がれるよう頑張りたい」

Q2人は同じチームに入るが
樋口「(長谷川は)今季ずっと後ろを守っていた投手。うれしいし、頼れるところがあるが、2人ともここからが勝負。とにかく背番号二けたを目指して頑張りたい」
長谷川「(樋口は)昨年からお世話になっている先輩。試合では頼れる打者。一緒にいけるのは心強い」

Q感謝の気持ちを誰に伝えたいか
樋口「とりあえず父に電話した。一方的にしゃべられた(笑)。ありがとうと言って(会話は)終わった」
長谷川「母親に電話したが、後ろで姉かおばかわからないが、大きな声で泣いている声が聞こえた。この年齢まで野球をさせてもらえるのは家族が応援してくれるから。いろいろな人に助けられて指名をいただいたが、一番は両親。BCリーグという環境でプレーさせてもらったのは家族の支えで感謝している」

Qファンへのメッセージは
樋口「どんな時でも心強い応援をもらってきた。何とか上の世界で活躍している姿を見せられるように頑張りたい」
長谷川「たくさんの声援、叱咤激励をいただいた。上の世界に上がってもそういう皆さんの存在を忘れず、一日一日全力でやっていきたい」

指名後の記者会見で心境を語る樋口

Q日本ハムという球団の印象は
樋口「北海道なので寒いというイメージ。(横浜高校の)先輩も後輩もいる。若い選手が多いイメージ。この年齢で入団するので何とかついていきたい」
長谷川「若い選手が多く、活気のあるチーム。そういう中でチャンスを掴み取らなければ。ダルビッシュ有投手や大谷翔平投手など身長の高い選手が活躍している印象なので、自分もそういう投手になりたい」

Q憧れの選手は
樋口「日本人ではないが、MLBのホセ・アルトゥーベ(アストロズ)という選手。自分と身長は変わらないが本塁打も打ち、盗塁もして、守備もうまい。動画サイトでいつも観ている。何とかそういう選手になりたいと思ってきた」
長谷川「身長の高い投手ではダルビッシュ投手は小さい頃からフォームや試合を見てきた。打者を圧倒できる投手になりたい」

Q長谷川投手に昨年指名されなかった後、この1年で成長したところは
長谷川「体が硬いことでパワーロスがあるのではと考え、オフシーズンからイチロー選手が取り組んできた『初動負荷トレーニング』に行き始めた。少しずつ股関節などの可動域が広がった。去年よりも長いイニングを投げられるようになり、昨季より完投や完封が増え、手応えを感じている」

初動負荷トレーニングに取り組む長谷川(今年7月)
取材協力:ワールドウィング新潟(新潟市西区)

Q対戦したい選手は
樋口「投手は同じ(横浜)高校の先輩や後輩と全員対戦してみたい」
長谷川「昨年、アルビレックスから(DeNAに)いった知野(直人内野手)に今年の選抜試合で安打を1本打たれているので、次は絶対に抑えたい」

Q最終的な目標は
樋口「ほかの人よりも体が小さいので、体の小さな子でも本塁打を打てたり、守ることができたり、走ったり、そういうプレーを見せられる選手になりたい」
長谷川「今年、イチロー選手が引退した時に、ああいうふうな引退の仕方をしたいなと漠然と思った。プロ生活で最後は引退するが、セレモニーができるような選手になりたい」

1年越しのドラフト指名を受け、安どの表情を浮かべる長谷川

Q今後どこを伸ばしていきたいか
樋口「自分の売りは打撃。勝負強い打撃、守備で安定していることを自分に課していきたい」
長谷川「自分の売りは直球を自信を持って投げているので、それを一軍で通用する直球を身につけたい。変化球はまだまだ伸びしろがあると思うので、いろいろな人に指導を受けてもっといい投手になりたい」

Q樋口選手がアルビレックスに入団するきっかけをつくってくれた球団OBの青木智史さん(現・立正大コーチ)に伝えたい言葉は
樋口「青木さんは家族の次に電話した。青木さんがいなかったら今の自分はない。お会いしたら感謝の言葉を伝えたい」

Q同様に長谷川投手が入団するきっかけをつくった球団OBの内山友希さん(元龍谷大コーチ)に伝えたい言葉は
長谷川「大学の時にコーチで、自分は独立リーグのことを知らなかった。4年生の時に独立リーグの道を提示してくれたのは内山さん。新潟に来てからもマメに連絡をいただき、こちらからも報告をさせていただいた。内山さんの繋がりでいろいろとお世話してくださる方と出会え、新潟で生活しやすくなった。内山さんがいなかったらきょうの指名はなかった。お礼を言いたい」


集まったサポーターとともに喜びの記念撮影

(取材・撮影・文/岡田浩人)


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