魚沼市出身で広島東洋カープにドラフト4位で入団する韮澤雄也内野手(18・花咲徳栄高)と新潟市出身で東京ヤクルトスワローズで入団1年目のシーズンを終えた鈴木裕太投手(19・日本文理高出身)の2人が、このほど中学時代に所属した中学硬式野球の新潟シニアに挨拶のために訪れた。プロ入り1年目となる韮澤は「まずはケガをしない体づくりを」と掲げ、2年目となる鈴木は「ファームで結果を出し、一軍登板したい」と2020年シーズンの飛躍を誓い合った。
飛躍を誓い合った広島・韮澤雄也(左)とヤクルト・鈴木裕太
取材に応じた鈴木投手、韮澤選手の主な一問一答は以下の通り。
Q鈴木投手は新人として1年目を振り返って
鈴木裕太投手(以下鈴木)「ケガをしないようにと考え、シーズン前もトレーニングしてきたが、シーズン後半でバテてしまった。シーズン入った後も状態はよく、出だしはよかった。(2軍デビュー戦で)自己最速の152キロが出て、最初はずっと0で抑えることができた。その後、相手打者に頭部死球を与えて調子を落とし、8月くらいから右肩に違和感もあり、思い切り投げても球がいかなかった。シーズンを通してしっかり戦い抜くことの大変さ、体づくりの大切さを感じた。ただ自分の投球ができれば抑えられると分かり、そこは自信になった」
Q韮澤選手は入団発表も終わり心境は
韮澤雄也選手(以下韮澤)「最初はあまり実感が沸かなかったが、今はプロとしてやらなければという気持ち。(ユニフォームを着て)袖を通す重みを感じた。周りからは似合っていると言われた。(先輩である鈴木の話を聞いて)ケガをしないことが一番大事だと感じた。まずは1年間戦っていく体力をつくらなければ」
Q1年前に先輩で鈴木投手がが先にヤクルト入りした時はどう見ていた?
韮澤「すごいなと思った。中学時代から速かったが、(高校で)150キロを投げて成長しているんだなと思った。守っている側からしたら安心する投手」
Q1年後に後輩がドラフト指名されて
鈴木「(新潟シニアの)自分たちの代は点が取れないチームだったが、1対0などの1点差ゲームで勝ち上がっていった。(2年生の)韮澤が上位で、『打ってくれるんだろうな』と思っていたし、守備でも安定していたので頼りになる後輩だった。(ドラフト会議の時は)フェニックスリーグで宮崎にいた。いつ呼ばれるのか気になっていた」
新潟シニア時代の鈴木 140キロ超の直球を投げ込む本格派として知られた
新潟シニア時代の韮澤 堅守・強肩・巧打の三拍子揃った遊撃手だった
Q中学時代はお互いどんな存在だった?
韮澤「普段はおっとりしているが、マウンドに行くと人が変わって負けず嫌いになる(笑)」
鈴木「そんなに変わった?」
韮澤「話しかけづらい時があった(笑)」
鈴木「また韮澤と同じチームでプレーしたい気持ちもあるが、今は別のチーム。一軍で対戦したい」
Q新潟シニアでの3年間はどんな場所だった?
韮澤「泉(貴之)監督とは新潟南リトル時代のコーチで小学校から一緒にやってきて、ずっと『プロを目指せ』と言われてきた。魚沼から新潟市までやってきてよかった」
鈴木「小学校時代は無名だったが、新潟シニアで1~2年生の時に湊元正明監督(現・総監督)のもとでレベルアップでき、2年冬から泉監督のもとで自分が変わることができた。最初に会った時に『140キロを目指せ』と言われ、プロに行けると言われ意識するようになった。泉監督と出会わなければここまで成長できていない。感謝しかない」
左から湊元正明総監督、韮澤、鈴木、泉貴之監督
Qこのオフはどう過ごす予定?
鈴木「今までは走って、ウェートをして、という形だったが、そこに体の使い方についてヤクルトで投手コーチから言われてきた。『いい球はあるので、その確率を上げれば一軍で通用する』と言われた。そのためにこのオフは体の使い方のトレーニングを意識して続けている。1月10日から栃木で自主トレをする予定」
韮澤「12月に地元に帰るまで、ギリギリまで後輩たちと学校で練習してきた。1月7日に(広島の寮に)入寮し、8日から新人合同自主トレに入る」
Q2020年シーズンの目標は
韮澤「1年目はケガをしない体づくりを重点的に。先輩の球を見たり打席に立ったり、プロの球質や変化球を見て、今持っている自分の力を出して勝負、勉強したい。3年目、4年目に一軍に入りたい。将来的には首位打者を獲りたい」
鈴木「ケガをしない1年にしたい。ファームでしっかり結果を出し、少しでも一軍で登板できるようにしたい。新潟でも(8月に)3連戦あるので、そこで一軍に上がり、新潟で投げられるようファームで結果を出したい」
(取材・撮影・文/岡田浩人)