「第103回全国高校野球選手権大会」に新潟代表として出場し初戦で敗れた日本文理高校ナインが21日、帰郷した。新潟市西区の同校で出迎えた学校関係者や保護者に対し、渡邊暁仁主将(3年)が「サポートのおかげで全力プレーができた」と感謝の気持ちを表した。
帰郷した日本文理ナイン 渡邊暁仁主将(中央)が感謝の言葉を述べた
日本文理は20日の初戦となる2回戦で敦賀気比(福井)に6対8で惜敗した。一夜明けた21日の午前に大阪市内のホテルを出発した。午後5時半、ナインがバス2台で学校に到着すると、学校関係者や保護者が拍手で出迎えた。
田中利夫校長は整列した選手たちを前にあいさつし、「私のところにも『日本文理らしい野球だった』『準優勝の試合(2009年)を思い出した』という連絡をいただいた」と最終回の選手たちの粘りを労い、「1、2年生は先輩たちの上を目指して頑張ってほしい」と激励した。
渡邊暁仁主将は「サポートのおかげで順延の中でも全力でプレーすることができました」と感謝の言葉を述べ、「勝つことはできなかったが、1、2年生が来年の春夏と甲子園に帰って、勝ってくれると思う」と後輩たちに甲子園の勝利を託した。
取材に応えるエースの田中晴也投手(2年)
取材に応じた鈴木崇監督は「甲子園の舞台に3年生から連れて行ってもらい、こういう情勢の中でもきのうの試合ができたことに感謝している」と述べた。当初の試合予定が雨のため6日間ずれ込んだことについては「室内練習場を借りるなどして、選手たちはやれる中で工夫をしてきのうを迎えることができた」と話し、「前回(2019年)の関東一高との試合も前半で点の取り合いになった。今回も序盤で失点し、全国区で戦う中で、序盤、中盤の大事さを改めて感じた。バッテリー中心に残るので、悔しさを晴らすためにもう一回(甲子園への)挑戦権を得るために頑張りたい」と9月9日から始まる秋の県大会、その先の北信越大会を経て、来春の選抜甲子園出場を目指す決意を示した。
渡邊主将は「甲子園で勝つことを目標にやってきて、結果は負けたが、最終回の粘り強さ、繋ぐ野球は1回から9回を通して発揮できたと思う」と振り返り、「エースの田中(晴也)、竹野(聖智)、玉木(聖大)を含めて1、2年生が『もう一回あの舞台で野球をして優勝するんだ』という気持ちで取り組んで、来年の春夏のあの舞台で今度は勝ってもらえるようサポートしたい」と後輩に期待を寄せた。
8回を投げて15安打、8失点だったエースの田中晴也投手(2年)は「初めて甲子園に立って、結果として自分の力を全部出せなかったところが悔しい」と唇を噛んだ。順延が続いたことについては「(大阪滞在)後半からいいボールがブルペンで行っていたので自分にとってはいい順延だった」と調整は順調だったことを強調した。
試合については「2回の5失点が一番響いた。あそこでボールひとつ、ベース上に入るだけでバットに当てられて安打にされた。変化球とストレートのボール1個2個分の出し入れのコントロールとキレ、投球のすべてのレベルの完成度を上げなければ」と今後の成長を誓った。その上で「きのうの試合で悔しい思いをたくさんした。まずは県大会で頂点を取って、もう一度春夏の甲子園の舞台で次は勝てるように成長したい」と新チームでの甲子園出場に向けて決意を新たにしていた。
(取材・撮影・文/岡田浩人)
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