第86回選抜高校野球大会(3月21日から甲子園で開幕)の出場32校が24日決定し、新潟市の日本文理高校が3年ぶり5度目のセンバツ出場を決めた。日本文理は昨秋の北信越大会で5年ぶりに優勝。神宮大会でも準優勝を果たした。新潟県勢初の「全国制覇」を目指す。
「全国制覇」の垂れ幕の前でセンバツ出場を喜ぶ日本文理ナイン
吉報は午後3時半前に届いた。高野連から日本文理の斎藤清校長に「出場決定」の連絡が入り、大井道夫監督が齋藤校長と笑顔で握手を交わした。大井監督は「ウチはもう全国制覇しかない」と報道陣に力を込めて目標を話した。
出場決定の報を受け笑顔で握手する齋藤清校長と大井道夫監督
この後、大井道夫監督、池田貴将主将、飯塚悟史投手、鎌倉航捕手、星兼太選手が記者会見で選抜大会への意気込みを語った。
会見に臨む、左から大井監督、池田主将、飯塚投手、鎌倉捕手、星選手
◇大井監督と選手の記者会見要旨(敬称略)◇
Q選手の皆さんに、選抜が決まった瞬間の気持ちは?
池田「率直に嬉しい。ただ、選抜に出るだけでなく勝たなければいけない。勝利を目指して頑張る」
飯塚「ホッとした。自分の中で気持ちが引き締まった。全国制覇を目指して頑張りたいとより一層強く思った」
鎌倉「この日を第一目標にやってきた。素直に嬉しかった。選んでもらった以上は全国制覇しなければいけないという強い思いを持った」
星「決まるまでは緊張感がいっぱいだった。自分たちの目標である全国制覇を達成するまで一戦一戦を思い切りぶつかっていきたい」
大井道夫監督
Q大井監督に、昨夏から主力残ったがチームの特徴は?
大井「投手の飯塚が頑張り、守る方は鎌倉、池田中心に。チームワーク、まとまりは北信越大会でも感じていた。池田を中心に1つにまとまっている」
Q選抜大会までの課題は?
大井「1月6日の練習初めで選手に言ったのは自分の足りない部分を鍛えようと。長所は伸ばして、選抜に向けてもう1つパワーアップしないと勝てないと。パワーアップは投手も打つ方も守る方ももう1つスピードアップしようと話した」
池田貴将主将
Q選手に、自分自身の課題があれば教えて欲しい
池田「主将として周囲に気を配らなければいけない。選抜までにいかにもう少しチームを1つにできるかというところに重点を置きたい」
飯塚「投手として昨年の試合でも失点が多かった。ピンチでも打者に攻めていける投球を心掛けたい」
鎌倉「自分に求められているのは守備面では大量失点しないこと、1イニング1点で抑えられるよう精神面の強さと冷静さを保てるよう、打撃ではチャンスに1本をしっかり打てる打者になりたい」
星「主に右翼、中堅を守っていたが、自分の持ち味である思い切りの良さを発揮できずにアウトにできるプレーをアウトにできない場面があった。思い切りの良さを発揮してチームに貢献したい」
Q甲子園への抱負を
大井「ウチは目指すところは全国制覇しかないので、その目標に向かって頑張ってやりたい」
池田「神宮大会ではあと一歩で全国制覇を逃してしまった。選抜と夏で連覇できるよう頑張りたい」
飯塚「選ばれた以上、グランドに掲げている『全国制覇』を目指して頑張っていきたい」
鎌倉「試合に出ている選手だけでなく、メンバーの18人と部員全員で戦って、最後に全国優勝できるように全員で戦っていきたい」
星「全国制覇のために、チームの目標である『FOR THE TEAM,NEVER GIVE UP』のチームになれるようこれからの期間を大事にしたい」
鎌倉航捕手
Q大井監督に、全国制覇へ5試合あり投手の育成が課題だが
大井「ウチのチームの課題だけど、とにかく飯塚に頑張ってもらう。投手はあと2枚欲しい。場合によっては全試合で飯塚が1人で投げるんだという気持ちでやってもらいたい。それをカバーするのは打撃。どんなチームに対しても5点以上取ろうと。少しでも飯塚の負担を軽くする形で。点数が開いて(左腕の)藤田なり(右横手投げの)高橋につないで、何とか最少失点で踏ん張ってくれれば。基本的には飯塚が1人で投げ抜く気持ちでやってもらいたいと思っている」
Q過去に率いてきたチームと比較して
大井「5年前の夏の甲子園で準優勝したチームは非常にまとまりがあった。個別的には飛び抜けて打つ打者がいた訳ではないが、コンパクトにつながる打線だった。今のチームは一戦一戦力を付けてきた。そして諦めない。先に点数を取られてもベンチで慌てない。選手が伸び伸びとやっている感じがする。その点は5年前のチームとは違う」
Q飯塚投手に、監督から1人で投げ抜く気でと言われましたが?
飯塚「自分1人で投げ抜いていくというのは自分でも思っている。そのためにチームのみんなから信頼されないといけないと思っている。信頼される投手になりたい」
Q飯塚投手に、神宮ではバックスクリーンに本塁打を打ったが甲子園では?
飯塚「1人の打者としてもチームに貢献しなければいけないと思うので、できたら本塁打が打てればいいが、やっぱりチームに貢献できて全国制覇につながるようしっかりやっていきたい」
星兼太選手
Q選手に、甲子園でそれぞれどんなプレーを見せたい?
池田「個人としてはたくさん打ちたいというのがあるが、個人の成績よりもチームの勝利に向けてやる」
飯塚「投手として見てもらいたいのが一番。全国制覇まで1回戦から決勝まで5試合投げ切るというのも監督から言われているので、調子の良し悪しに関わらず最少失点で自分の最低限の仕事をする、全国制覇に導ける投球をしたい」
鎌倉「守備では(リードを)思い切って攻めていく。打撃では初球からの思い切りの良さを。泥臭く全員で1つ1つ勝っていきたい」
星「北信越大会で自分のヒットや本塁打で点数が入った場面が多く、そういうきっかけを自分が作れるようにしたい。守備でも一番大きな声を出したい。思い切りの良さを発揮したい」
Q池田主将に、こことやってみたいという相手は?
池田「(神宮で逆転負けした)沖縄尚学です。1回戦からやりたいです」
センバツで県勢初の全国制覇を目指す日本文理ナイン
日本文理はこの後、2月には埼玉県へ遠征を予定している。3月上旬には鹿児島県で練習試合をおこない、3月13日から徳島県阿南市で最終調整した後、大阪入りする。組み合わせ抽選会は3月14日で、選抜大会は21日に開幕する。
(取材・撮影・文/岡田浩人)