第96回全国高校野球選手権大会の2回戦(大会8日目・第2試合)で対戦する日本文理の大井道夫監督と、東邦(愛知)の森田泰弘監督が15日午後、それぞれ取材に応じ、初戦を終えた課題や相手チームの印象、2回戦への意気込みなどを語った。
東邦・森田泰弘監督(左)と日本文理・大井道夫監督(右)
Q初戦を終えたチーム状態は?課題は?
文理・大井監督「1つ勝って選手はほっとしている。課題は飯塚が初回に点を取られること。これだけはまずい。本人もわかってはいるが。気持ちの問題だと思う。次の試合では初回をきちっと投げてもらいたい。四球など気にしないで思い切っていってほしい。打撃は13本もヒット打ったので褒めてあげなきゃ。そんなに心配はしていない」
東邦・森田監督「1回戦が投打ともに想像以上の動きができた。この調子で2回戦へと思っていたが中5日空くので1日は体を休める練習をし、(試合後)2日目から通常の練習に入った。速いボールを打つような練習で刺激を入れた。修正点は特にない。投手には『長打力のあるチームなので、少しボールを低く投げることが大事』と言った」
Q相手チームの印象は?
文理・大井監督「初戦は大勝していた。チーム力はいい。あれだけ点数を取ったというのは振れている。ただ1回戦の相手投手と飯塚を比較してどうだろう。飯塚はあんな打たれ方はしないと思っている。(09年夏の中京大中京、今春の豊川に続き3度目の愛知代表との対戦だが)別に気にしていない。たまたま愛知と3回やるだけ。3度全部負けているが、3度目くらいは勝ちたい」
東邦・森田監督「テレビで大阪桐蔭、明徳義塾などを見て、まだ見ていないチームはあるが、一番総合力があるチームと評価している。飯塚くんは春の選抜の豊川戦に比べて巧みになっている。打たせる投球ができるようになった。前回は四球は多かったが微妙に外れただけで、制球が悪いとは思わない。ハイレベルな投手。打撃も振る力は出場校でも1番、2番。下位も気が抜けない。(日本文理と愛知が)3度目ですか?それは意識はないですね」
Q警戒したい相手選手は?
文理・大井監督「2年生の左打者の溝口くん。試合を決める場面で打っている。そういう乗っている選手は気を付けなければ。1年生の藤嶋投手はこういう場所でしっかり投げられるのは大したもんだ。マウンドに立てば学年は関係ない。甘く見ることもないし、こちらもしっかりした気持ちで向かわなければ打たせてもらえない」
東邦・森田監督「1番の星くん。力があり、非常に乗っている。彼をどう抑えるかがポイント。4番の池田くんは高校生ではなかなかないパワーを持っている」
Q理想の試合展開と活躍を期待する選手は?
文理・大井監督「いつも言うように立ち上がりの先制、中盤の中押し、終盤のダメ押しするのが理想。期待する選手は・・・全員に期待したい。そういう意味では全員野球」
東邦・森田監督「先制することが、こういうチームを相手にした時に勝つ可能性を上げるために大事。期待しているのは投手陣。投手陣が持ち味を出す・・・というより今年一番の投球をしてもらうしかない」
Q飯塚投手については
文理・大井監督「新潟大会もそうだが我慢することを憶えた。それは成長した点。悪いなりに踏ん張る。最少失点で何とか切り抜けている。飯塚にはいつも言っているが、ウチは打てるから3点で抑えればいい、完封する必要はない、気楽に放れとは言っている。ただ投手としては1点もやりたくないだろうが・・・」
東邦・森田監督「ここ2日間は飯塚くんの角度のあるボールと速いボールに慣れるための練習をしている。真っ直ぐは全体的に高めが多い。それを打てるかどうかは、打席に立って相対した者しかわからない。行けると思ったら積極的に行かせる。変化球は絶対に低めを振らないということを言っている。ただ、挟んだボールを1ボールからでも投げてくる。これは出たとこ勝負。(似たタイプの投手との対戦経験は?)豊橋工に森くんという2年生の投手がいたが、身長も一緒くらい。球の質、スライダーは似ている。愛知大会でハイレベルな投手とやらせていただいている。その成果を出したい」
Q改めて次戦への意気込みを
文理・大井監督「やるからには勝ちたい。3点以内に抑えて5点以上取る。ウチらしく『打ち勝つ野球』をやりたい。県内では打撃の文理と言われているが、いい投手を打ってそういう評価を得なければ。1回戦でプロ注目の投手を打てたのは選手も自信につながったと思う」
東邦・森田監督「優勝候補の筆頭になるようなチーム。ぜひこのチームを倒して優勝戦線に名乗りを挙げたいと思う」
(取材・撮影・文/岡田浩人)