第96回全国高校野球選手権大会に出場中の日本文理は21日、3回戦で富山商と対戦。9回裏に6番新井充が逆転サヨナラ本塁打を放ち、6-5で勝利。新潟県勢としては2010年の新潟明訓以来4年ぶりのベスト8進出、日本文理としては準優勝した2009年以来となる5年ぶりのベスト8進出を決めた。県勢が甲子園で3勝を挙げるのも5年ぶり2度目。日本文理は22日の準々決勝第4試合でベスト4進出をかけて戦う(相手未定)。
◎3回戦の試合結果◎
日本文理6-5富山商
富商000 001 040 =5
文理010 010 112×=6
(バッテリー)
富商:①森田、⑩岩城-②富川
文理:①飯塚-②鎌倉
(試合状況)
・2回裏、日本文理が9番飯塚の右前適時打で1点先制
・5回裏、日本文理は2死3塁から3番小太刀の左前適時打で1点追加
・6回表、富山商は9番森田の二塁打、犠打、犠飛で1点返す。
・7回裏、日本文理は2番黒台が四球で出塁→二盗&悪送球で3塁へ→投手暴投で無安打で1点追加。
・8回表、富山商は1死2、3塁から2番横道三塁打で2点入れ同点。3番坂本中前Hで1点入れ逆転。さらに2死満塁から7番岩瀬の左前Hで1点追加。
・8回裏、日本文理は2死から1、2塁のチャンス。3番小太刀が中前適時打で1点。1塁走者は本塁アウト。同点ならず。
・9回裏、日本文理は1死1塁から6番新井が逆転サヨナラ2ランホームラン。5年ぶりのベスト8進出決める。
◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「嬉しい。土壇場で本塁打が出るのは選手に感謝したい。(9回は)『ウチはあきらめないことがモットーなんだから、最後まで頑張ろう』と。新井は大きいのを打つので、もしかしたらというのは若干あった。7回からウチの勝負だと言ってきた。それが選手の脳裏にあるのでは。(森田投手に)うまく放られた。低めは手を出すなと言ったが選手にはストライクに見えた。(逆転されて)キツかった。飯塚があんなに打たれるとは思っていなかった。球を揃えすぎた。(準々決勝は)ここまできたのだから、ウチの野球、打って打って、打てなかったら仕方がない。それから飯塚にはもう少し踏ん張ってもらいたい」
◇サヨナラ本塁打の日本文理・新井充選手の話◇
「打ったのはインコースの直球。サヨナラ本塁打は初めて。打った瞬間に行ったかなと思った。自分が決めるのではなく、次の打者につなぐ意識だった。(6回の)スリーバント失敗は自分の中で打っていいのか、バントしていいのかという迷いがあって失敗につながった。最後の打席は監督に『お前だからバントじゃなくて打たせてるんだから』と言われたので、積極的にバットを振ろうと思った。自分たちは最終回まで負けている試合が多くて、最後まであきらめず逆転を信じてきた試合が多かったので、あきらめない姿勢が甲子園でも発揮できた。あと3試合、全員でつなぐ野球で1勝ずつ頑張っていきたい」
◇日本文理・飯塚悟史投手の話◇
「初回に死球を当ててしまったが腕は振れていて今日はいい感じで投げられているなというのはあったが、8回は直球を狙われて連打を喰らってしまったので反省しなければ。相手が狙っているボールを続けてしまったのが打たれた原因。1人歩きしてしまった部分があり、池田や鎌倉から声をかけてもらって周りを見ることができた。チーム全員で勝った勝利だと思うので、スタンドでみんなが応援してくれて、最後のホームランも運んでいってくれたと思うので、みんなに感謝したい。マウンドで冷静でいられるよう、あすはしっかりした投球をしたい。一戦必勝が目標なので明日も勝ちにこだわっていきたい」
(取材・文/岡田浩人)