第97回全国高校野球選手権・新潟大会は23日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで準々決勝4試合がおこなわれ、中越、小出、日本文理、新潟がベスト4進出を決めた。中越は3年ぶり、小出は44年ぶり、日本文理は3年連続、新潟は30年ぶりのベスト4進出となる。準決勝の2試合は中越対小出、新潟対日本文理で、25日(土)にハードオフ・エコスタジアムでおこなわれる。44年ぶりのベスト4進出を決め喜ぶ小出の選手たち
◎23日の準々決勝の試合結果◎
<ハードオフ・エコスタジアム>
①中越7-2北越
中越 020 201 002 =7
北越 000 010 010 =2
→中越が3年ぶりベスト4進出
(バッテリー)
中越:⑩高井-②波方
北越:⑲仲野、①江村-②馬場
(本塁打)
北越:佐藤築(5回・ソロ)
中越⑩高井涼投手
5回裏、北越の佐藤築選手がバックスクリーン弾を放ち1点を返す
◇中越・本田仁哉監督の話◇
「条件は両チーム一緒だが、決していいコンディションではない中でしっかり地に足を付けてプレーできたことが勝因。この条件の中で先攻だった1回表の攻撃で1、2番でチャンスを作ったが3、4、5番で点が取れず悪いスタートだったが、高井と波方(のバッテリー)がしっかり抑えてくれた。入沢の先制打が大きかった。(斎藤主将のケガがあったが)1人1人の自覚が芽生えて力強くプレーできている。(高井投手は)強力打線が相手だったが苦手なところを突いていけた。的を絞らせなかった。(3試合連続で2ケタ安打だが)決して自分1人で決めようとせず、自分が最大限できる心掛けができている。甲子園を決めるまで目の前の1試合1イニング1球をできることをやりたい」
◆北越・小島清監督の話◆
「高井投手にうまく低めにスライダーを集められた。もう少し点数を取りたかった。(本塁打の)佐藤築は成長してくれた選手の1人。彼の前に走者を溜めれば大量得点もと考えていたが、向こうのバッテリーに流れを切られ打順がうまくつながらなかった」
②小出7-1村上桜ヶ丘
村上桜 010 000 000 =1
小出高 000 232 00× =7
→小出が44年ぶりベスト4進出
(バッテリー)
村上桜:①山田、⑪稲垣、⑯川村-②大田
小出高:①庭山-②和田
2回表、村上桜ヶ丘の石栗飛雄馬選手が適時打を放ち先制
小出のエース①庭山希投手 9回125球を投げ1失点で完投
◇小出・前山隼人監督の話◇
「(44年ぶりベスト4で)選手たちの頑張り、地元の人たちに支えられての全員で勝ち取った勝利。1回戦から苦しい試合展開があった中、選手は一戦一戦たくましくなってきている。(庭山投手は)かわしながら、自分ができる投球をしてくれた。もともとスタミナもある選手。一生懸命投げてくれている。(打線は)去年秋(中越戦0-1)春の(延長で敗れた)十日町戦など(庭山を)見殺しにしてしまった試合も経験してきた。みんなで援護してやろうと振り込んできた成果。(準決勝の中越戦は)力のあるチーム。自分たちの野球で正面からぶつかっていければ。庭山が自分の投球ができるか、打者が粘り強くスイングできるかがカギ。(戦う度に大きくなる)雪だるま目指して一回り一回り、一戦一戦頑張りたい」
◆村上桜ヶ丘・松田忍監督の話◆
「打ち込まれたことよりも、ウチの方が打てなかった。庭山くんの丁寧な低めの投球に対しウチの打者の力では打ち崩せなかった。完敗。先制できたが、(その後のバント策も含め)監督として思い切った部分が足りなかったかなとも思うが、何分完璧に力負け。いいチームだった。高めからの変化球を狙ったが、右打者の内角にズバッときて、まだまだ対応できるチームじゃなかった。打者は牛耳られた。3年生は6人しかベンチ入りしていなかったが、ここまで引っ張ってくれた3年生の力が大きかった」
③日本文理7-0帝京長岡(8回コールド)
帝京 000 000 00 =0
文理 000 060 01 =7
→日本文理が3年連続ベスト4進出
(バッテリー)
帝京:①藤塚-②樅木
文理:①八幡、⑳藤塚-②川村
日本文理①八幡竜投手 肘痛が癒え今大会初登板 5回を投げ無失点だった
5回裏、日本文理の代打・五十嵐心弥選手が先制適時打 大井監督の起用に応える
◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「(投手陣は)大会前からウチは投手が弱いと言われていたので奮起したのだろう。結構いいボールを放っている。八幡が復活してくれて嬉しいし、(2年生の)藤塚もいいボールを放っている。(打撃は)きょうは俺が読み違えたから苦しかった。左投手が来ると思ったから右打線を組んだ。ここまできたらみんな実力は一緒。あとは勝利への意欲、勝ちたいという気持ちを持っているか、その強いチームが勝てると思う。準決勝、決勝・・・あとは1つずつ」
◆帝京長岡・中島茂雄監督の話◆
「名前負けというか、序盤もっと振っていってもらいたかったのが正直なところ。ちょっと硬くなっていたのか。藤塚は上手く打たせながら投げていたので、(打撃は)なおさらもったいなかった。(打線も2安打に抑えられ)タイミングも力んでとらえきれなかった。序盤の4回くらいまでにもう少し振っていけたら・・・ボールを見過ぎていた。(中盤まで緊迫した試合だったが)もったいなかった。(先制された)1点で凌いでおけばと伝令を送ったが、投げ急いでいたのか、甘く入った。さすがだなと思った。文理に勝たないと甲子園は見えてこない。このチームに勝つには技術、精神面も鍛えてレベルアップしないとこの上は行けないと感じたので頑張りたい」
④新潟5-0関根学園
新潟 300 200 000 =5
関根 000 000 000 =0
→新潟が1985年以来30年ぶりベスト4進出
(バッテリー)
新潟:①諸橋-②小田
関根:①中村-片
関根学園の先発は昨夏準優勝投手①中村光希投手
4回表、新潟が3番・諸橋慶多選手の左越適時二塁打で2点を追加
新潟①諸橋慶多投手 9回を投げ被安打5で完封 球数は90球だった
◇新潟・後藤桂太監督の話◇
「諸橋は落ち着いて、いろいろなことをやりながら投げてくれた。見事。集中力が初回から発揮できた。ミスもあったが、ポジティブ主義で盛り上がっていた。いい形で終盤まで持ってこれた。ウチのチームはどんな試練も乗り越えてきている。よく我慢してくれた。(春の新潟商戦でのコールド負けから)諸橋が一番悔しい思いをしたし、周りも諸橋以上に力を付けてくれたのでこういう戦い方ができている。技術的には全くだが、この先はそんなものではない。ここで終わりではない。(ベスト4だが)120有余年の伝統と夢がある。必ず実現させる。日本文理戦でももっと集中力を高めてやりたい」
◆関根学園・中村光希投手の話◆
「相手が一度戦っている新潟高校で、秋に負けたので絶対勝とうと思ったが、負けてしまって悔しい。立ち上がりにボールが甘く入ってしまった。(打撃で)チャンスで一本が出ず、自分も打てなかったので悔しい。先輩が準優勝という記録を残してくれたので、自分たちは甲子園へと思いずっと練習してきた。負けたが悔いなく過ごすことができた。きょうは後半で自分の投球ができた。去年に続きノーシードだったが、ノーシードから行けると思っていた。(この先は?)上でやりたい気持ちはあるが今はまだ(進路を)考えているところ」
◎25日の準決勝◎
<ハードオフ・エコスタジアム>
①中越(10:00)小出
②新潟(12:30)日本文理
(取材・撮影・文/岡田浩人)