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【大学野球】鎌倉&森田の甲子園ヒーローが講師に 法政大が中学生を指導

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東京六大学野球の法政大学硬式野球部のメンバーによる野球教室が12日、新発田市の新発田農業高校でおこなわれた。来年8月20日に同市の五十公野球場で開催される「東京六大学野球オールスター戦」の事前イベントとして新発田市スポーツ推進課が企画。講師には同大の青木久典監督のほか、昨夏甲子園でベスト4に進出した日本文理高出身の鎌倉航捕手(1年)や富山商高のエース左腕でU18日本代表として活躍した森田駿哉投手(1年)らが務め、地元の中学生が指導を受けた。

地元の中学生を指導する法政大1年・鎌倉航捕手(右端・日本文理高出身)

法政大学硬式野球部は春秋のリーグ戦で44回優勝、全日本大学野球選手権では全国最多となる8回の優勝を誇る名門。山本浩二、田淵幸一、江川卓らプロ野球にもOBを多数輩出している。

野球教室の講師を務めたのは、今季から指揮を執る青木久典監督のほか、父母が新発田農高出身という4年生の皆川晋内野手(西武台千葉高)、2年生の森龍馬副将(日大三高)、1年生の森田駿哉投手(富山商高)、そして上越市出身で1年生の鎌倉航捕手(日本文理高)の選手4人。長岡市出身で3年生の高野峻一郎主務(長岡高)が野球教室の進行役を務めた。

左から青木監督、皆川内野手、森副将、森田投手、鎌倉捕手、神長英一前監督、皆川浩一OB会理事


進行役を務めた主務の高野峻一郎さんは長岡市の出身


午前の部は新発田市内の4つの中学校33人が参加した

野球教室は全員でランニングとアップ、キャッチボールをおこなったあと、投手・捕手のバッテリーと野手に分かれて指導がおこなわれた。捕手を指導した鎌倉捕手は捕球の姿勢について、「キャッチャーで大事なのは足の送り方。股の間を抜かれるのは恥ずかしいことなのでしっかり練習をしてほしい」と身振りを交えながら説明した。森田投手はブルペンで投げ込む投手1人1人に腕の使い方などを指導した。野手は捕球や打撃指導を受けた。

全員でランニング


ブルペンで1人1人に指導する森田駿哉投手


野手に打撃指導をおこなう森龍馬副将

新発田市によると法政大学硬式野球部が新潟県内で中学生への野球教室をおこなうのは初めてだという。指導を受けた菊地龍一さん(14・紫雲寺中2年)は「貴重な経験なので集中して聞くようにした。打撃では足を使うことを指導された。身近な選手が大学で活躍しているのはすごいと思う」と話していた。

同大の青木監督は「中学生が非常に素直でどん欲だった。野球人口が段々減っているので、我々ができることは底辺拡大のために野球の楽しさ、心や体を教えることが大事だと思っている。ぜひこの中から法政大に来る選手が出てほしい」と感想を話した。4年生の皆川内野手は「野球を教えることは自分たちが学ぶ場で、気づかされることが多くいい経験だった」と話し、2年生の森副将は「リーグ戦で活躍しないとオールスター戦に選出されないと思うので、選出されるよう優勝を目標に頑張りたい」と来夏のオールスター戦出場へ向けて意気込みを話した。

富山商時代の昨夏甲子園3回戦で日本文理と対戦し惜敗した経験のある森田投手は「甲子園で負けている県なので複雑な気持ちはあるが」と苦笑いした後、「同じ野球人として上手くなってもらえるようサポートできれば」と話し、「今の時期は体が大きくなる時期で、走り込み、たくさん食べる、そして寝ることが大事。(オールスター戦へは)第二の地元でもある新潟、新発田の地でいいプレーを見せられるよう1年間しっかり頑張りたい」と笑顔を見せた。

野球教室は午後もおこなわれ、新発田シニアの選手が指導を受けた。


◎法政大での1年を振り返って・・・鎌倉航捕手に聞く◎

中学生に指導する鎌倉航捕手 法政大でのこの1年を振り返ってもらった

Q地元で中学生に教えた感想は
鎌倉航捕手(以下鎌倉)「新潟の雰囲気は落ち着く。教える難しさ・・・感覚を言葉に表すのは難しかった。(教えたかった)1番のことは自分も言われていたが『自分のことだけでいっぱいいっぱいにならないように』ということ。基本動作が大事できっちりやってもらいたくてアドバイスさせてもらった。自分が中学生の頃と比べても上手い」

Q大学1年生としてのシーズンを振り返って
鎌倉「あっという間だった。トーナメントではないリーグ戦は長いが始まるとあっという間に最終戦が来ている感じだった。1試合1試合の大切さを学んだシーズンだった。春から試合に出させてもらい、いい経験をさせてもらった。神宮という素晴らしい球場で大勢の観客の前でプレーさせてもらったのはいい経験。(今年)プロに行った選手が何人もいる中で一緒にプレーさせてもらえたのは今後の大学生活にいきる」

Q高校野球と大学野球の違いは
鎌倉「1球の執着心が違うと感じた。スピードやパワーも違うが、この1球にかける思いが全然違う。部員数も多い中、試合に出させてもらったが、責任を持ってやらなければと思っていた。自分が思っていたよりは自分の力が発揮できなかった。場に圧倒された部分はある。やらなければという思いが空回りした部分がある。周りもスター選手ばかり。自分もと思い、力以上のものを出そうとしてしまった部分はある。今は地に足につけて練習できている」

Q秋はケガで出場できなかった?
鎌倉「前半はベンチ入りできたが、途中から運動禁止になってしまった。何もできず悔しいシーズンになってしまった。ただ周りから試合を見て春とは違った目線で試合を見ることができてよかった。(ケガは)10月の頭に目の網膜剥離をおこしてしまい、1か月の運動禁止だった。中学でボールが目に当たったことがあり視力が落ちていたので、コンタクトを作ろうと病院に行ったら網膜剥離がわかった。今はもう治って練習ができている」

Q同期は飯塚投手をはじめ、それぞれの道を歩んでいる
鎌倉「時々連絡を取っていて勇気づけられるし、また頑張ろうと思う。同期とは(東京で)よく会っている」

Q来季への意気込みを
鎌倉「試合に出られるようにというのが一番。その中で1年間、ケガをしない体でやりたいので、この冬はしっかり体作りをしてしっかり野球ができるようにしたい。(オールスター戦は)来ることができるようにしっかり練習したい」
参加した中学生と記念撮影

(取材・撮影・文/岡田浩人)


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