甲子園でおこなわれている第98回全国高校野球選手権大会に出場し、初戦で惜敗した中越高校の監督、選手たちが12日夜、長岡市の同校に到着し、保護者や学校関係者ら約50人が温かい拍手で出迎えた。
帰郷した中越ナイン 出迎えた保護者や学校関係者に感謝の言葉を述べた
広川健介主将は「皆さんの大きな声援のおかげで持てる力を最大限発揮できた。感謝の気持ちを忘れずこれからも生活したい。3年生は引退となるが、これからは中越高校野球部がさらに強く、新潟県の高校野球を引っ張っていける存在になるよう全力でサポートしたい」とあいさつ。
本田仁哉監督は「みんなが本当に大きく成長してくれた。たくさんの力をいただきながら、今年も期待に応えられず申し訳ない。ただ、あの大舞台、大観衆の中で昨年以上にたくましい力を見せてくれた。1、2年生、それ以降、1つ2つ3つと勝って、いつか甲子園の頂点を狙える時が来た時、必ず『今年のこのチームがあったから』と言える大きな財産を残してくれた。また、今ここにいない3年生が目に見えないところで力を発揮してくれた。3年生28人がいて今年のチームがあったと感謝している」と感謝の言葉を述べた。
学校には約50人が集まり、温かい拍手で選手たちを出迎えた
9回1死まで無安打投球と力投した今村豪投手は取材に対し、「夢にまで見た舞台で自分の持てる力を全て出した投球ができた。結果は負けてしまったが悔いはない。(不安だった左ひじの痛みは)痛みも感じず、持てる力は出せた。練習してきた成果は出せた。いろいろな人たちに支えていただいた甲子園で、自分のプレーで『感動した』という声をいただいたり、バックネット裏からも『ナイスピッチ』と言われ、うれしかった。今後は大学に進学し野球を続ける予定。そこでもしっかり練習して活躍したい」と話した。
◎本田仁哉監督に聞く◎
Q試合を振り返って
「今村が本当によく投げてくれたというのが第一。ただあそこまでやってくれただけに勝たせてあげたかった。監督としてああいう試合を勝つことが監督の仕事と改めて感じさせられた。ああいう舞台、ああいう均衡した試合になった時、チームを勝たせられる力を自分自身がつけないといけない。選手の努力、選手の成長だけで、伸び伸びやれというだけでは甲子園では戦えない」
Q2年続けてのサヨナラ負けだったが、いろいろなものが詰まった2試合だった
「詰まったものは本当に多い。経験としてこれからの力になるものはたくさんある。第一は3年生の3年間積んできた最後の夏の力は目に見えないプラスアルファの力を生むんだなと改めて感じた。3年生の力が高校野球の力なのだと改めて教えてもらった。正直1、2年生の中にも力のある選手がいるので、冬や春の時点ではもしかしたら半分くらいは下級生が占めるチームになるかもしれない、と思っていたが、そこを3年生が意地を見せた。去年の3年生のように全国で通用するような個々の力を持った選手を育て、そして今年の3年生のように強い力を束ねてさらに大きな力を作る・・・この2年間のチームを合わせて戦うことができれば、甲子園で先が見せてくるのではないか。それができる可能性がある1、2年生がいるので何とかまた勝負したい」
Q本田監督の40歳の誕生日が忘れられない日になった
「後で振り返った時に、『あの日があったから』という日にしなければならないし、間違いなくなると思う」
(取材・撮影・文/岡田浩人)