子どもたちの“野球離れ”が深刻化する中、小学校低学年の児童や未就学園児たちに野球の楽しさを知ってもらおうと、『ティーボール』を使った体験会が22日、三条市で開催された。約40人の児童や園児が参加し、初めてバットでボールを叩く打撃の感触やミニゲームを楽しんでいた。
ゲーム形式でティーボールを楽しむ小学生 初めてボールを打ったという子どもも
この催しは三条市内のスポーツ少年団で構成される「野球大会運営協議会」が主催。三条市の少年野球チームは2004年に三条市と栄町、下田村が合併した際には16チームあったが、少子化や野球離れの中で年々減少し、現在は10チームとなっている。危機感を抱いた各チームの代表は「野球をするのは初めてという子どもやこれから野球を始めたいと思っている子たちに楽しさをしってもらおう」とティーボールの体験会を企画した。
ティーボールはプラスティック製の軽いボールとバットを使い、専用台である「打撃ティー」の上にボールを載せ、止まったボールを打つ。少人数でも1チーム10~15人単位でもプレーでき、人数に応じ自由に守備位置を変えることができる。体育館などの室内でも遊べるため、初心者が気軽に楽しむことができる。
ティーボールで使うプラスティック製のボール
体験会には三条市内の小学校に通う3年生以下の小学生のほか、幼稚園児5人が参加した。最初に準備運動とキャッチボールをした後、早速ティーの上にボールを載せ、バットで打つ練習をおこなった。最初はうまく前に飛ばせなかった子どもも、次第に慣れ、ナイスバッティングを連発すると笑顔に。その後、1チーム約10人ずつ4チームに分かれ、ゲーム形式で得点を競い合った。大きな当たりを飛ばしたり、全力でダイヤモンドを駆け抜けたり、守備でボールを上手く捕ったりしながら、子どもたちは大きな歓声をあげていた。
しっかりした打撃フォームでボールをとらえる子供も
大面小学校1年の西野兼生(けんしょう)くん(7)は「すごく楽しかった。うまく打つことができて、ボールが遠くに飛んで行った。野球チームに入りたい」と笑顔を見せた。体験会後、子どもたちにはそれぞれの学校単位で遊んでほしいと1つずつボールがプレゼントされた。
主催者の1人で一小スターズの黒鳥裕之監督(50)は「みんなが喜んでくれて嬉しかった。我々が子どもの頃も遊びから野球を始めた。この機会を通して野球がやりたくなり、子どもたちからチームに入ってもらえたら喜ばしいこと」と話した。今後は夏休みの8月に球場を使って開催し、グラウンドでプレーする楽しさを知ってもらえるよう企画したいという。
最後は全員で記念撮影 野球の楽しさに触れた一日だった
(取材・撮影・文/岡田浩人)