ルートインBCリーグの新潟アルビレックスBCに今季楽天から派遣された草野大輔野手総合コーチ(40)が9日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで就任会見をおこなった。楽天での一軍経験豊富な新コーチは「新潟にはプロ(NPB)でも面白いと思える選手がいる。もうひと手間加えて、違う色を出せれば。そのお手伝いをしたい」と話し、5年ぶりの独立リーグ日本一を目指すチームの底上げとNPBへの野手輩出への意気込みを示した。
エコスタで今季就任した加藤博人監督と握手を交わす草野大輔コーチ(右)
楽天からの派遣という形で、球団創設11年目を迎える新潟に初の常勤専任野手コーチが誕生した。池田拓史球団社長は「社会人野球での短期決戦の経験、楽天での野村克也監督のもとでの経験など素晴らしい実績がある方。新潟は日本人野手のドラフト指名がまだない。ぜひコーチの力で輩出を」と球団として大きな期待を寄せていることを隠さなかった。
草野コーチは「プロ(NPB)になるというのは何かの分野で突出しているところがスカウトの目に留まる。まずは選手をじっくり見て、向かい合って(把握する)。人間形成を含めて指導したい」と基本方針を示した。その上で、「新潟には去年(6月15日)の交流戦でコテンパンにやられた。特に左投手の渡邉(雄大・中越高出身)、野手では纐纈(隼基)、渡辺貴洋(胎内市出身)…プロ(NPB)でも面白い、楽しみな選手がいる。もうひと手間加えて、違う色を出せれば。そのお手伝いをしたい」と選手育成への意気込みを表す。「選手1人1人が去年より2本(安打が)打てるようになればチームは40本増える。クリアできそうな目標設定をし、選手の性格や行動を見抜いて的確なアドバイスを送りたい」と具体的な指導の考え方を示している。
言葉を選びながら指導方針を語る草野コーチ(中央) 右は池田拓史球団社長
会見に同席した加藤監督は「経験豊富でそのキャリアをアルビの選手に注入してほしい。自分は野手コーチの経験がないので、野手のことは草野コーチに任せたい」とその手腕に期待を寄せた。
これで新潟は今季、元ヤクルト投手の加藤監督、元楽天選手の草野コーチ、そしてフロントに前巨人捕手の加藤健球団社長補佐という元NPBの強力な布陣を揃えた。池田社長は「独立リーグ日本一、NPBへの選手輩出へ、いい陣容を敷くことができた」と満足そう。約1か月後に迫った3月15日の合同練習(キャンプ)開始、そして4月の開幕へ、期待が高まってきた。
なお、草野コーチの背番号は「75」と発表された。
(取材・撮影・文/岡田浩人)