ルートインBCリーグの新潟アルビレックスBCは22日、長岡市悠久山球場で武蔵ヒートベアーズと対戦し、6対0で快勝した。新潟の先発左腕・トルス(オーストラリア)がノーヒットノーラン(無安打無得点試合)を達成した。ノーヒットノーランはBCリーグ史上5人目で、新潟では2013年7月15日に寺田哲也が達成して以来2人目。新潟の前期通算成績は3勝4敗となった。新潟の次戦は23日(日)13時から同球場で武蔵と対戦する。
ノーヒットノーランを達成し、喜びの表情を見せるトルス(左から3人目)
◎22日の試合結果◎
新潟6-0武蔵
武蔵 000 000 000 =0
新潟 004 000 20× =6
(バッテリー)
武蔵:●戸谷(0勝1敗)、菅谷、小山田、本田-冨田
新潟:○トルス(2勝0敗)-前田
◎戦評◎
新潟の左腕・トルスが最速142キロの直球とチェンジアップ、スライダーなどの変化球を内外角に投げ分け、武蔵打線に的を絞らせなかった。
打っては3回に宮沢直人の中前適時打で先制すると、この回は2つの暴投と相手の失策で計4点を先行。7回には4月11日の練習中に打球を額に受け、欠場していた纐纈英騎(としき・隼基から改名)が代打で出場し、右越え2点適時三塁打を放ち、突き放した。
トルスの投球内容は、打者29人に対し球数128、奪三振9、四球2、死球1、暴投1だった。
先発したトルスは最速142キロの直球と変化球の制球がよく、的を絞らせなかった
7回に代打・纐纈英騎(こうけつ・としき)の右越え適時三塁打で2点を追加
◇新潟・加藤博人監督の話◇
「よかった。きのうの負け方が悪かったので…。トルスはインコースを結構使えたのがよかった。記録上、ノーヒットノーランは素晴らしいが、この投球を次に繋げてほしい。これで(開幕戦でケガをした)知念が戻ってきてくれれば投手陣は揃ってくる。(纐纈は)どこで出そうかと考えていた。打線は繋いで、繋いで、勝ちに繋げたい。明日が大事」
◇ノーヒットノーランを達成したトルス投手の話◇
「9回を投げてのノーヒットノーランは初めて。外野にボールが飛んだ時はドキドキしていた。試合が終わった今は疲れてお腹がすいた(笑)。直球のほかは、カーブ、スライダー、チェンジアップ。きょうはインサイドの速球がよかった。(走者が出た後に2度のけん制アウト)日本に来た時はクイックが苦手だったが練習した。チームの勝利が何よりもうれしい。守備に感謝したい。サポーターの声援が力になった」
◇リードが光った新潟・前田将司捕手の話◇
「(ノーヒットノーランは)受けていて生まれて初めて。最後は打たれたら自分のせいだと思いながら受けていた。昨日の夜に(武蔵の打者への)配球を見ながら、打たれている球が自分の考えと逆だったので、一回ゼロにして、きょうは極端な配球にした。直球とカーブが主体だった。うまくタイミングを外せた。6、7回に球威が落ちたが、監督から『配球は代変えずこのまま行け』と言われて変えなかった。トルスは制球がいい。低めへの制球がよくゴロになってくれた」
◇代打出場で復帰した新潟・纐纈英騎主将の話◇
「ケガは(11日に)室内練習場で自打球がこめかみに当たった。自分では覚えていない。脳震とうで3日くらい安静にしていた。こういう形でチャンスをいただき、結果を残すことができて安心している。プレーすることは何も問題はない。(三塁上でガッツポーズが出たが)ケガの間、チームメイトに支えられた。結果でどうにかしたかったのですごくうれしかった」
(取材・撮影・文/岡田浩人)