広島東洋カープは4日、長岡市出身の今井啓介投手(中越高出身)と来季の契約を結ばないことを発表した。今井投手は取材に対し、「悔いはない。選手としては区切りをつけたい」と、トライアウトは受けずに現役を引退する意向を表明した。
12年間のプロ生活に区切りをつける意向を固めた今井啓介投手
今井投手は長岡市栃尾地区出身の30歳。中越高時代は140キロを超える速球を武器に05年夏の新潟大会で準優勝。同年秋の高校生ドラフト2位で広島入り。プロ入り4年目の09年7月18日に一軍初登板・初先発。同年9月18日の阪神戦で初勝利を挙げる。12年5月8日には地元・新潟市のハードオフ・エコスタジアムでの阪神戦で凱旋登板。同年9月1日の阪神戦で初完封を飾るなど4勝を挙げた。
昨季は一軍登板はなく、「戦力外を覚悟した。開き直って攻める投球ができたら」と話し、フォーム改造に取り組んだ結果、今季は6月15日に一軍登録され、中継ぎとして4試合に登板した(勝ち負けなし)。通算成績は114試合に登板、8勝20敗1セーブで防御率3・59だった。
プロ通算で一軍114試合に登板 8勝20敗1セーブの成績を残した
今井投手は新潟野球ドットコムの取材に対し、「今年1年、チャンスをもらった中で一生懸命過ごしてきたので悔いはない。選手としては区切りをつけたい。一番印象に残っている出来事は初完封した阪神戦(12年9月1日)。今後については未定。お世話になった人たちと相談して決めたいが、野球に関わる仕事ができたらうれしい」と話した。
中越高校の恩師・本田仁哉監督は「まずはお疲れ様と言いたい。高卒で大海に飛び込み、厳しいプロの世界で頑張り続けた。12年間ユニフォームを着続けられ、胸を張れるプロ人生だったと思う。この12年間をいかして今後歩んで行ってほしい」と今井投手を労った。
(取材・撮影・文/岡田浩人)