25日に行われたNPB(日本野球機構)ドラフト会議で東京ヤクルトスワローズから6位指名を受けた日本文理高校3年の鈴木裕太投手(18)が31日、球団関係者から指名あいさつを受けた。新潟市西区の日本文理高校を訪れたのはヤクルトの橿渕(かしぶち)聡編成部スカウトグループ次長と丸山泰嗣担当スカウト。2人から「球の強さにひかれた」との指名理由を聞き、鈴木は「1年でも早く一軍マウンドに上がれるよう頑張りたい」と気持ちを新たにしていた。
橿渕次長(右)と丸山スカウト(左)に囲まれ、笑顔を見せる鈴木裕太
橿渕次長から「次世代、将来のパワーピッチャーとしてひかれた」と指名あいさつを受けた鈴木は「指名から実感が湧いていなかったが、今お会いして段々プロに近づいているんだなという気持ちになった」と緊張気味に感想を話した。
橿淵次長は「自分が以前に新潟県を担当していて、彼が(高校)1年生の時から公式戦で投げている姿を見てきた。今年4月から丸山が新潟県担当になり、『球の速い、いい投手がいる』と引き継いだ」と話し、その成長ぶりに「右肩上がりで(球速が)速くなり、打撃もよく、野球センスを徐々に発揮していった。ウチとしては球の強い投手が少ない。希少性を感じ指名した」と説明した。その上で、「球の力で打者をねじ伏せるタイプ。以前にウチにいた五十嵐亮太(ソフトバンク)のようなイメージで、独自の投球スタイルを構築してほしい」と期待を寄せた。
丸山スカウトは「春季大会を見た時に球の強さにひかれた。『また見に来たい』と思わせてくれる投手だった。体の大きさ、球の強さ・・・他県でもこれだけのスケールの投手はいなかった」と評価の理由を述べた。
丸山スカウトが「球の強さにひかれた」と話す鈴木の投球
鈴木は「自分の自信のある球は直球。そこを評価してもらったのはうれしい」と話し、「プロの練習までにしっかり鍛え、1年でも早く一軍マウンドに上がれるよう頑張りたい」と決意を示した。目標とする投手について、その独特な投法から“ライアン小川”と呼ばれている小川泰弘投手の名前を挙げ、「(中学の)新潟シニア時代の(泉貴之)監督が小川投手と同じ大学(創価大)で、よく話を聞いていた。小川投手から(投球について)教わりたい」と目を輝かせた。
橿渕次長は「練習はもちろん、『高校生だから2~3年後』という目標よりも、1日でも早く、来年でも一軍で投げられるようにという意思を持って過ごしてほしい」と激励した。
ヤクルトは新潟アルビレックス・ベースボールクラブで監督を務めた高津臣吾氏が二軍監督を務め、同じく監督を務めた橋上秀樹氏が来季から二軍チーフコーチに就任することが31日に発表されたばかり。鈴木は「新潟県の縁のある指導者がいる。一年でも早く一軍のマウンドに上がり、新潟県に恩返しができたら」と力を込めた。
(取材・撮影・文/岡田浩人)