柏崎市出身で日本女子プロ野球・愛知ディオーネに所属する松谷比菜乃投手(20)が3日、出身チームである中学硬式野球チーム・柏崎シニアの練習始めに出席し、新年の抱負を述べた。昨季は育成チームからトップチームの愛知で先発投手としてデビュー。8勝を挙げ、最多勝のタイトルを獲得するとともに、最優秀新人賞にも選ばれた。新たなシーズンに向け、「タイトルも獲りたいが、まずはチームに貢献したい。将来的には日本代表になりたい」と意気込みを語った。
最多勝のタイトルと最優秀新人賞を獲得した松谷比菜乃
松谷は柏崎市出身で、小学2年生の時に2歳年上の兄の影響で田尻ファイターズで軟式野球を始め、6年時には女子の新潟県選抜チーム「新潟BBガールズ」のメンバーとして関東甲信越大会で優勝。中学では硬式の柏崎シニアで3年間野球を続けた。高校は女子硬式野球の名門・花咲徳栄高に進学し、2年夏の選手権大会で準優勝。女子プロ野球の入団テストに合格し、新潟県出身選手として2人目の女子プロ野球選手となる。2016年から2年間、育成チーム・レイアでプレー。昨季はトップチームの愛知でデビューし、17試合に登板し8勝4敗で最多勝を獲得。最優秀新人賞にも輝いた。
1年目のシーズンで活躍を見せた松谷が取材に応じた。
Q昨季を振り返って、どんなシーズンだった?
松谷「年間優勝ができ、個人的にも最多勝と最優秀新人賞を獲ることができたが、課題も残る1年だった。(課題とは?)シーズン終盤から制球が思うようにいかなかった。そこが一番の課題。疲れがあったと思う。ただ先発や抑えなど色々な経験をできた」
Q6月には地元・柏崎市の試合でも先発した。シーズンを通してどこが成長できた?
松谷「地元で投げた試合は緊張した。走者が出ても焦らずに自分の投球をできるようになったことが成長。防御率は3・30で、失点後に野手の皆さんから点を取ってもらい勝つことができた。自分は三振を取るタイプの投手ではない。とにかく打たせて取ろうと思って投げた。今の持ち球は直球のほかは、スライダー、カーブ、シュート、チェンジアップ。そのうち直球の球速は120キロまで出ていないほどだが、伸びや制球が良くなった」
最多勝と最優秀新人賞に輝いた(写真提供:日本女子プロ野球リーグJWBL)
Q最多勝のタイトルのほか、最優秀新人賞にも選ばれた
松谷「うれしかった。新人賞は目標としていたので。印象に残っているのは4月21日の初先発の試合(埼玉戦)で、4回を投げ2失点で初勝利を挙げることができた」
Q新潟でも女子野球の人口が増加傾向にある
松谷「夢があるならば諦めないでやってほしい。好きな野球を諦めずに続けてほしい」
Q新しい年になり、今季の目標は?
松谷「チームとして完全優勝すること、個人的にはタイトルも獲りたいが、まずはチームに貢献できるように頑張りたい。将来的には日本代表になりたい」
(取材・撮影・文/岡田浩人 写真提供:日本女子プロ野球リーグJWBL)