昨夏の新潟代表として甲子園に出場した中越高校の遊撃手で3年の坂井翔太選手(18)が関甲新1部の新潟医療福祉大に入学する。昨年末に推薦合格が決まった。坂井は昨秋にプロ志望届を提出したが、NPB(日本野球機構)ドラフト会議では指名がなかった。4年後のプロ入りを目指し、「大学では即戦力として使ってもらえるよう頑張りたい。リーグ戦で首位打者を獲りたい」と意気込んでいる。
新潟医療福祉大に入学が決まった中越・坂井翔太 新年も後輩と一緒に汗を流す
坂井は新発田市の出身で、中越高では1年秋からベンチ入りし遊撃手のレギュラーを獲得。2年時からは中軸を任された。遠投100メートルの強肩、50メートルを6秒3で走る俊足と守備範囲の広さが特徴で、今夏の新潟大会では打率・417、1本塁打、11打点でチームの優勝に貢献した。
昨秋プロ志望届を提出し、NPBドラフト会議での指名を待ったが、指名球団がなく、大学への進学を決意。12月末に新潟医療福祉大への合格が決まった。
中越・本田仁哉監督は「ドラフトの結果は残念だったが、潜在能力は非常に高い。ドラフトでの悔しさをプラスの力に変えて、4年後のプロ入りへ挑戦してほしい」と激励。坂井の入学について、新潟医療福祉大の佐藤和也監督からも「楽しみにしている」とのメッセージを受け取っていることを明かした。
坂井は「ドラフトでは悔しい思いをしたが、自分に足りないものがあったこともわかった。プロに入る選手と比べ、体つきやパワーが違った」と話す。早速、この冬は食事量を一日七食に増やし、秋に比べて3キロの増量に成功。現在の体重は76キロだが、肩幅が広くなり下半身に厚みを増した。入学まで「80キロ台を目指したい」という。学校でもできる限り後輩たちとの練習に参加し、体を動かしている。
昨秋に比べ3キロ増量し、肩幅や下半身が大きくなった
新潟医療福祉大には1歳上の兄・琢真さんもいて、「守備では内野をどこでも守れるようにしておいた方がいい」とのアドバイスを受けた。
坂井は「チームは関甲新1部で打撃も守備もレベルが高い。守備範囲の広さと肩、チャンスでの強さをアピールしたい。即戦力で使ってもらえるように頑張り、春のリーグ戦から試合に出たい」と意気込む。新潟医療福祉大からは2人の投手がプロ入りしているが、野手でのプロ入りはまだない。高校では叶わなかったプロ入りへ、坂井は「リーグ戦で首位打者を獲りたい。(目指すイメージは)広島の菊池(涼介)選手」と話し、地元の大学で更なる成長を誓っている。
(取材・撮影・文/岡田浩人)