社会人野球の「第45回日本選手権最終予選・北信越大会」は6日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで開幕する。県勢では5年ぶりの出場を目指すバイタルネットとJR新潟が出場し、3日間の日程で北信越の5チームが、10月に京セラドーム大阪で行われる本大会出場1枠を懸けて戦う。
大会前日の5日、同スタジアムではバイタルネットが練習で汗を流し、調整を行った。今季入社した新人で十日町市出身の池田貴将内野手(日本文理高-東洋大)は6月の都市対抗二次予選以降、二塁手のレギュラーを獲得。打撃が好調で「全国の舞台に行きたい」と意気込んでいる。
二塁手の座を獲得したバイタルネットの新人・池田貴将(日本文理高-東洋大)
日本選手権は都市対抗大会と並ぶ社会人野球の最高峰の大会。県勢は2014年にバイタルネットが出場して以来、出場がない。
5年ぶりの出場を目指すバイタルネットは今季から練習拠点を本社のある宮城県仙台市に移し、元近鉄の加藤正樹監督が指揮を執っている。6月の都市対抗二次予選では初戦で敗退した。加藤監督は「都市対抗敗退後、オープン戦を通じて若手中心に競争をし、戦い方はできあがってきた」とチーム状況を説明する。
その中で頭角を現したのが新人の池田だった。日本文理高では主将・四番打者として飯塚悟史(DeNA)らとともに2014年夏の甲子園でベスト4に進出。東洋大を経て今春入社した。都市対抗二次予選以降、オープン戦での出場が増え、池田自身、「結果が出ている」と手応えを感じている。8月のオープン戦ではサク越えもマーク。「自主練習の“置きティー”で力を抜いて振るようにしたら自分のポイントでしっかり打てるようになった。バットのヘッドが走るようになった」と好調の要因を分析する。
加藤監督も池田について「一番バットを振っていた。それを見ていた」と努力を評価。「凡打でも気にせずに行けと言ってきた」と鼓舞する。エコスタでの公式戦は高3夏の決勝以来5年ぶりだが、池田は「優勝して全国の舞台に行きたいという思いだけ。勝つ気持ちを出したい」と話す。3日には東洋大で同期だった中日・梅津晃大投手がエコスタでの巨人戦で勝利を挙げた。「同期が頑張っていると自分も頑張ろうと思える」と刺激を受けている。
投内連係の練習を行うバイタルネットの投手陣
試合の行方を握る鍵について加藤監督は「先発投手の立ち上がり」と話し、「どんどんいい投手をつぎ込んでいくしかない」と短期決戦の戦いを意識している。5年ぶりの本大会出場へ、「生き生きと選手がプレーしている姿を見せたい。そのために先に点を取りたい」と指揮官も意気込んでいる。
大会初日となる6日はJR新潟が伏木海陸運送(富山)と対戦。2日目の7日は準決勝2試合が行われる予定で、バイタルネットが信越硬式野球クラブ(長野)と対戦する。3日目となる8日に決勝戦が行われ、本大会出場チームが決まる。
(取材・撮影・文/岡田浩人)