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【NPB・イベント】新潟県出身5選手が野球教室とファンイベント 審判員と球場アナウンサーがやりがい語る

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新潟県出身のプロ野球選手とOBによる小学生野球教室とトークショーなどのイベント「とにかく新潟野球の日2019」(主催・新潟野球ドットコム、アルビレックス新潟・都市緑花センターグループ 協力:シンプルベースボールアカデミー)が28日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで開催された。

野球教室には県内の小学生約150人が参加し、胎内市出身で福岡ソフトバンクホークスの椎野新投手(村上桜ヶ丘高出身)や上越市出身で横浜DeNAベイスターズの飯塚悟史投手(日本文理高出身)ら現役選手5人と東京ヤクルトスワローズ元投手・本間忠さん(新潟市秋葉区)から基本動作を教わった。また、トークショーにはプロ野球ファン約70人が集まり、現役選手5人が今季を振り返ったほか、来季への意気込みを語った

イベントに参加した左からソフトバンク・椎野新と渡邉雄大、DeNA・飯塚悟史と知野直人、ヤクルト・鈴木裕太の新潟県出身の現役5選手

野球教室は小学生が新潟県出身のプロ野球選手やOBから指導を受けることで、夢を持って野球に取り組んでもらおうと、新潟野球ドットコムが2012年から毎年12月に実施している。昨年は開催できなかったため、今回は2年ぶり7回目の開催となった。

講師として参加したのは今季日本一に輝いたソフトバンクで5勝を挙げた椎野新投手、ソフトバンク育成の三条市出身・渡邉雄大投手(中越高-青山学院大-新潟あルビレックスBC)、DeNAの飯塚悟史投手、同じDeNAで三条市出身の知野直人内野手(新潟アルビレックスBC)、東京ヤクルトスワローズの鈴木裕太投手(日本文理高)の現役選手5人と元ヤクルト投手の本間忠さん(日本文理高)。

子どもたちは2か所の室内練習場に分かれ、キャッチボールやゴロ捕球などの基本動作の指導を受けた。

キャッチボールをする子どもを見つめるソフトバンク・椎野新投手


キャッチボールの動作を指導するDeNA・飯塚悟史投手


女の子に足の使い方を指導するヤクルト・鈴木裕太投手


ゴロ捕球を指導するソフトバンク・渡邉雄大投手


ゴロ捕球の足の運び方を見せるDeNA・知野直人内野手

野球教室終了後、飯塚投手は「子どもたちの元気がよく、すごくいい時間になった」、鈴木投手は「普段子どもたちと野球をする機会がないので楽しい時間になった」、知野内野手は「自分のような選手になりたいと言われる存在を目指したい」と感想を話し、椎野投手は「この中から1人でもプロ野球選手が出てもらえたらうれしい」、渡邉投手は「野球が楽しいという思いをいかして、プロの世界に来てほしい」と期待を寄せた。

野球教室終了後には抽選会が行われ、選手からシーズン中に使用したフリースや手袋、サイン色紙などが子どもたちに贈られた。

椎野投手からは大きなフリースがプレゼントされた


渡邉雄大投手からは手袋がプレゼントされた


飯塚悟史投手からはシャツがプレゼントされた


知野直人内野手からはサイン色紙がプレゼントされた


鈴木裕太投手からは帽子がプレゼントされた


◎5選手がファンと交流 初のトークショー開催◎

イベントでは野球教室の講師を務めた5選手が参加し、ファンと交流を図る「トークショー」も行われ、約70人が5人の話に聞き入った。

トークショーでは5人が今季を振り返り、来季への意気込みを語った

今季について、椎野投手は「一軍の舞台を経験させてもらいよかったが、終盤少し疲れてしまい、ポストシーズンを投げることができなかった。うれしい思いと悔しい思いをした」と振り返った。渡邉投手は「支配下を目指したが椎野ら同期入団の選手が一軍で投げた中で悔しい思いが多かった」と話し、飯塚投手は「春先は今季はいけると手応えがあったが、ケガもあり自分のパフォーマンスが出せなかった。新潟で投げたかったが悔しい思いをした」と唇を噛んだ。入団1年目の知野内野手は「独立リーグとの差を感じた。フォームを変えてから手応えを感じられた」と話し、同じく新人として1年目を終えた鈴木投手は「ファームで結果を出したかったが思うようにいかず、苦しいシーズンだった。秋季キャンプでコーチから付きっ切りで教えてもらいいい感覚になった」と振り返った。

会場となったエコスタは椎野投手と1学年下の飯塚投手が高校時代の2013年夏の新潟大会決勝で戦った思い出の地で、2人が話をするのはそれ以来だという。椎野投手は大学時代に「(高卒でプロ入りした飯塚が)刺激になった。できれば違う球団で同じプロの舞台に立ちたいと思った」と打ち明けた。飯塚投手は「(今季)ソフトバンクが日本一になり、椎野さんが(胴上げに加わって)ワイワイやっているのが羨ましかった」と会場の笑いを誘い、今も互いに刺激を受けている存在であることを明かした。

椎野投手と渡邉投手のソフトバンク組

NPBで「すごいと思った選手は」という質問に、知野内野手は「オープン戦で対戦した楽天の松井裕樹さん。初球の真っすぐは『当たらなくはない』、2球目のスライダーは『打てなくはない』と思ったが、3球目にすごいスライダーが来て、ストライクだと思って振ったらボール球だった。『これは打てない』と思った」と振り返った。

鈴木投手は「村上(宗隆)さん。ロングティーでサク越えを打ち、スイングスピードも速い。仲良くさせてもらっている」と話し、飯塚投手は「筒香(嘉智)さん。チームのことを一番に考え、リーダーシップを発揮していた」と、ともにチームメイトの名前を挙げた。

渡邉投手は「紅白戦で対戦した柳田(悠岐)さんはどこに投げても打たれそうな雰囲気だった。デスパイネ選手と対戦した時は、もしピッチャー返しが来たら反応できないと思うくらいのスイングスピードだった」と驚いた表情を見せ、椎野投手は「西武の山川穂高さん。カーブを膝をつきながらスタンドに運ばれビックリした」と語った。

飯塚投手、知野内野手、鈴木投手も次第に表情が和らいだ

会場の参加者から質問もあり、「これまでくじけそうになった時、どういう気持ちで野球を続けられたか」という問いには、知野内野手が「母親のことを思い出し、しっかりやらなければと思ってきた」と答えた。

最後に来季へ向けた意気込みを各選手が話した。椎野投手は「今年は30試合登板を目標にし達成することができた。来年は50試合登板とポストシーズンで登板することを目標にしたい」と話し、渡邉投手は「来年こそ7月までに支配下登録してもらえるよう頑張る。最終的には日本シリーズで椎野とともに投げ、日本一になれるよう頑張りたい」と力を込めた。

飯塚投手は「開幕ローテを目指し、8月でのエコスタでの3連戦で投げられるように頑張りたい」と話し、知野内野手は「一軍で出場し、8月に飯塚さんと新潟に帰ってきたい」と意気込みを語った。鈴木投手は「ファームで結果を出し、8月の(DeNAとの)3連戦で新潟で投げられるよう頑張りたい」と決意を話し、会場から5人に大きな拍手が送られた。


◎球場アナウンサーとNPB審判員 プロ支える立場のやりがいを伝える◎

イベントでは選手ではない立場でプロ野球の世界を支えている新潟県出身の2人が、その世界の奥深さを語り合った。ヤクルトの球場アナウンサーとして8月に神宮デビューした見附市出身の桑原愛(めぐみ)さん(長岡商高)と、今季からNPB育成審判員としてファームの試合を担当した小千谷市出身の川上拓斗審判員(中越高)の2人。それぞれ“裏方”としての仕事のやりがいや心構えなどを来場者に伝えた。

ヤクルトの球場アナウンサー桑原愛さん(長岡商高) 8月に一軍デビューした

桑原さんは野球との出会いを「父親が野球をやっていて、子どもの頃から家族で野球観戦に出かけていた。高校でマネージャーになった時、選手の気持ちにいかに気づくかを考え、父や兄に相談したこともあった」という。アナウンスに力を入れるきっかけとなった出来事を「1年生の時に最初にアナウンスをした時にうまくしゃべることができず、試合を止めてしまい、泣いてしまった。悔しかった。うまくなろうと思った」と振り返る。その後、「2年生の時に甲子園でアナウンスをしている方の講習を受講した。発声、読み方を教えていただいた。動画サイトで甲子園のアナウンスを聴きながら独学で練習をした」と刺激を受けた。

高校野球を引退後、「高校のOBと話している時に『プロ野球のアナウンスの仕事がある』と紹介していただいた。滅多に募集がなく悩んだが、その道に進もうと決めた」と語る。卒業後、ヤクルトの主催試合で神宮球場の警備や運営を担当する日本総業(東京都)に就職。「1年目はチケット販売、イベント広報…アナウンスだけではない仕事をした」。球場アナウンサーは高校野球のマネージャーが憧れる仕事のひとつだが、「球団によっては球団職員がアナウンスをするところ、アナウンス事務所と契約をしている球団など様々」と内情を話す。

試合では「球場アナウンサーは裏方。試合進行がスムーズにいくよう、聞きやすいように、ゆっくり、元気よくやることを心掛けている」と話す。これまで二軍の試合でアナウンスを担当してきたが、入社8年目の今年8月4日に神宮球場で一軍デビューを果たした。「満員の観客で緊張してしまい手が震えてしまった。一言目を発してから落ち着けた」。今季は一軍で3試合を担当。「先発投手やスタメンに新潟出身の選手がいるとワクワクする。頑張ってほしいと思っている」と笑顔を見せ、新潟県主審選手の名前で投手交代の際のアナウンスを美声で実演し、会場から大きな拍手を受けた。球場アナウンサーの仕事について「1人でも多く新潟の女性がなれたらうれしい」とその道を志そうと思っている人たちにエールを送った。

NPBの川上拓斗育成審判員(中越高) 今季はファームの試合を裁いた

川上審判員は「祖父が野球好きで幼稚園の頃からキャッチボールをしていた」と野球との出会いを話し、「中越高校で3年春と夏に背番号をもらってベンチに入った。3年夏は準々決勝で日本文理に負けたが、飯塚投手を相手に9回に代打で出場し三振した」と選手時代を振り返った。

高校2年夏に「自分たちの代になり、メンバーに入れるかどうかと思っていた夏の練習中、利き腕の左手の中指を骨折した。その時に本田(仁哉)監督から記録員に指名され、ベンチで監督の脇に座った時、野球を今までと違う角度で見ることができた。その後、審判をやった時に面白いと思うようになった」と審判員という仕事に興味を持ったきっかけを話す。

高卒後の2015年春からルートインBCリーグで本格的に「審判員」の仕事を学んだ。各地の公式戦で審判を務め、試合がある日以外はスポーツ店でアルバイトをする生活を過ごした。その後、毎年12月に実施される「NPBアンパイアスクール」を受講。BCリーグ審判員として3年目のシーズンが終わった2018年2月にNPBと「研修審判員」として契約した。2018年シーズンはNPBから派遣される形でBCリーグの試合を担当し、実戦経験を重ねた。そして同年12月にNPBの「育成審判員」に昇格し、今季はファーム戦を担当した。

野球教室では子どもたちの前で審判員のジェスチャーと声を披露 高校時代のライバルだった飯塚投手と“共演”した

審判員の仕事は「1年契約」で、現在の育成審判員としての身分は「一軍の試合を裁けると判断されれば晴れてNPBの『正審判員』として契約できるが、3年以内に見込みがないと判断されればクビになる」と厳しい世界であることを強調。「エコスタに凱旋できるのも10年くらいかかるかもしれない」と話した。

審判員として必要な力を「即決できる力」と話し、「ファミレスに審判員同士で行くと5秒で注文が決まる」と会場を笑わせた。「選手も一球一球で年俸が変わる。自分たちも1つ1つのジャッジに命をかけている」と仕事のやりがいと心構えを話し、今後について「高校時代に行けなかった甲子園でジャッジしたい。最高峰の日本シリーズでも裁きたい」と夢を語った。

(取材・撮影・文/岡田浩人 撮影/頓所理加)


今回のイベント『とにかく新潟野球の日2019』を開催するにあたり、その趣旨にご賛同いただき、ご協賛をいただきました新潟県内の各企業・団体の皆様にこの場をお借りして御礼を申し上げますとともに、ここにご紹介をさせていただきます。

◎『とにかく新潟野球の日2019』ご協賛社、団体◎
・旬食・ゆ処・宿 喜芳(長岡市)http://www.kihou.jp/
・越後名物笹だんご 田中屋本店(新潟市江南区)
http://www.dangoya.com/
・(株)サンウッドビーピー(新潟市)
http://www.sunwood-bp.jp/
・BSN新潟放送(新潟市中央区)
https://www.ohbsn.com/
・(株)エヌエスアイ(新潟市東区)
http://www.nsi.jp/
・TM共同法律事務所(新潟市中央区)http://tmkyodo.com/
・ワイナリー&レストラン フェルミエ(新潟市西蒲区)
https://fermier.jp/
・金子薬品(田上町)
(医)野田歯科医院(新潟市西区)
・新潟県出身のプロ野球選手を応援する会
・男前飛雄馬・総本店(長岡市)
https://www.facebook.com/otokomaehyuumasouhonten/

ご参加いただきましたチームの皆様、運営などにご協力をいただきました皆様に感謝申し上げます。また開催の趣旨に賛同いただき全面的なご協力をいただきました椎野新投手、渡邉雄大投手、飯塚悟史投手、知野直人内野手、鈴木裕太投手、本間忠さん、川上拓斗審判員、桑原愛さんに御礼申し上げますとともに、今後の益々のご活躍を祈念したいと思います。ありがとうございました。

新潟野球ドットコム 代表・岡田浩人


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