日本学生野球協会の2019年度の優秀選手に、新潟県から日本文理高校3年・長坂陽(ひなた)前主将(18)が選出され、その表彰式が22日、新潟市西区の同校で行われた。新潟県高野連の富樫信浩会長から記念盾を手渡された長坂前主将は「自分1人だけではこの賞をもらうことができなかった。仲間に感謝したい」と受賞を喜び、「将来は指導者を目指し、甲子園を目指す選手に少しでもいい影響を与えられる存在になれれば」と夢を語った。
記念盾を手渡される日本文理・長坂陽前主将(左から2人目)
長坂は二番打者・遊撃手として活躍。昨夏の新潟大会では主将としてチームを引っ張り、2年ぶり10回目の夏の甲子園出場に貢献した。記念盾を受け取った長坂は「素直にうれしい。自分は代表として賞を受け取った。自分1人だけではこの賞をもらうことができなかった。仲間に感謝したい」と感想を述べた。
夏の甲子園出場から5か月が経過したが、「今でも(初戦で)関東一高に負けたことが忘れられない。勝ちたかったという思い、もっと仲間と野球がしたかったという思いが残っている」と悔しさを隠さない。その上で日本文理で過ごした3年間を振り返り、「1年生の時は(2学年上の)3年生の力がすごくて、自分たちもあのくらいの力をつけたいと思った。自分たちが3年生になり、今の1、2年生が、また自分たちを目指して文理をつないでくれればと思う。自分が顔を知らない次の新1年生にも文理をつないでほしい。『全国制覇』を成し遂げてくれることを祈っている」と後輩にエールを送った。
堅実な遊撃の守備とつなぐ打撃でチームをけん引した
鈴木崇監督は「品行もチームの模範で、後輩たちに『長坂』という主将の形をしっかり残してくれた。1人ひとりに声をかけ、みんなをまとめる姿勢に長け、私も助けてもらった」と労った。
卒業後は仙台六大学野球連盟の仙台大に進学し、硬式野球を続ける。仙台大は昨秋のリーグ戦で2位となった強豪で、ドラフト会議では2選手が育成指名を受けた。長坂は「体育学部で構成され、指導者につながる。同じリーグに東北福祉大があり、そこを倒そうと素晴らしい野球をしている」と印象を話す。
将来については「自分たちのように甲子園を目指す選手に少しでもいい影響を与えられる存在になれれば。指導者を目指して頑張りたい」と夢を語り、「野球は『投げる、捕る、打つ』…いろいろな要素のあるスポーツ。勝つために何をしたらいいのかを自分自身、日本文理に来て学ぶことが多かった。もっと早い段階で基礎を作って上げられれば、新潟県の野球がレベルアップできる」と将来的には新潟県に戻り、高校野球も含め、小中学生の指導者も視野に入れながら大学生活を送る予定だ。
記念盾を手に、進学が決まった仙台大での活躍を誓った
(取材・撮影・文/岡田浩人)