3月19日から甲子園球場で開催される「第93回選抜高校野球大会」の出場校を決める選考委員会が29日に開かれ、21世紀枠を含む32校が選出された。昨秋の北信越大会でベスト4に進み、準決勝で優勝した敦賀気比(福井)に惜敗した上越市の関根学園は選出されず、補欠2位となった。北信越地区からは敦賀気比と昨秋準優勝の上田西(長野)の2校が選出された。新潟県勢は2014年の日本文理以来、7年連続で選抜大会出場を逃した。
選考委員会の発表を見守る関根学園の部員たち
関根学園の野球部員たちはオンラインで行われた選考委員会の様子をインターネット中継で見守った。北信越地区は例年決勝進出の2校が選出されていたが、関根学園は準決勝で敦賀気比に延長10回、4対5で惜敗し、敦賀気比が決勝で上田西に16対5の大差で勝利したため、関根学園の初出場の可能性が浮上していた。
張りつめた空気の中、北信越地区の選考結果が発表され、敦賀気比と上田西の選出が決まったが、選手たちは表情を変えずに中継画面に見入っていた。北信越地区は補欠1位が星稜(石川)で補欠2位が関根学園と発表された。
発表が終わった後、関根学園の安川巧塁(よしたか)監督は選手たちに「補欠2位ということで(春の甲子園の)可能性は限りなく低い中、あとは夏に勝てるようにこの冬にトレーニングするしかない。ただ、こういう場で名前が挙がったことは光栄。今までやってきたことが評価されたことは自信にしなければ」と呼びかけた。
一方で「県代表になるためにはもう一度、1回戦から1つ1つアウトを積み重ね、試合に勝つ中で、9回2アウト、あと1個アウトを取れば勝てるんだという場面に全員で持っていき、どうやれば勝ち切れるかを冬、春、夏へやっていけるかが試されている」と夏の甲子園へ向けて気持ちを切り替えるように促した。
安川巧塁監督の話を聞く部員たち
田原輝也主将(2年)は「率直に全員一致して悔しい」と話し、「春と夏に自信を持って戦えるチームにしたい。(秋の)あと1アウト、あと1球から負けてしまったことを全員で日々の態度など(について考えて)やってきた。冬のトレーニングで体をどれだけ作ることができるか。パワーをつけて長打を打てる打者が増えれば春も夏も勝てる」と前を見据えた。
秋の準決勝で登板し、あと1球に泣いた滝澤夏央内野手(2年)は「あの試合は絶対に忘れてはいけない。あとは夏一本。冬のトレーニングをしっかりやって、課題を克服し自信を持って戦いたい。1球の重さはどのチームよりも強く思っている。誰よりも強い選手を目指したい」と決意を新たにしていた。
◎関根学園は選抜甲子園に選出されず(動画約12分)◎
(取材・撮影・文/岡田浩人)
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