第129回北信越高校野球・新潟県大会は19日、新潟市中央区のハードオフ・エコスタジアム新潟で準々決勝の2試合がおこなわれ、三条と日本文理が勝ち、ベスト4進出を決めた。三条は1995年秋以来の18年ぶりのベスト4進出、日本文理は秋は優勝した去年に続き2年連続のベスト4進出を決めた。20日は準々決勝の残り2試合がおこなわれる。
◆準々決勝 第1試合 三条7-2高田商◆
高田商001 100 000 2
三条 303 010 00× 7
三条は1回、失策とバント安打で無死1、3塁の好機を作り、3番平原の左前適時打で先制。さらに内野ゴロの間に1点を追加した後、相手守備の乱れからこの回もう1点を追加。3点を先制した。3回表にキャッチャー悪送球の間に1点を返された三条はその裏、3本の安打と守備の乱れに乗じ3点を追加した。
三条の先発投手・小杉は最速133キロの直球に伸びがあり、2回まで6者連続三振を奪う。3回と4回に失点したが要所を締め6回を投げ13奪三振。7回からリリーフした田中が高田商打線を無失点に抑えた。高田商は序盤の3回までに3失策と守備が乱れた。
6回を投げ13奪三振の好投を見せた三条・小杉悠太投手
18年ぶりのベスト4進出を決めた三条ナイン
◇三条・勝雅史監督の話◇
「(ベスト4進出に)とても嬉しい。もう1つ勝って北信越大会へ行きたい。投手の小杉が良かった。小杉は1、2回戦と4回戦で本来の調子ではなかったので調整方法を変えた。試合前のブルペンから正捕手の有坂信と組ませて投球練習をさせた。きょうはブルペンを見ていて『これは行ける』と感じた。小杉を中心に守るチーム。勝ちなれていないチームだったが、勝つことをわかってきたことが大会の収穫」
◇三条・小杉悠太選手の話◇
「きょうは肩が軽かった。立ち上がりに課題があったが、きょうはブルペンで(捕手の有坂信から)体の開きについて指摘され、試合前にフォームの調整がうまくできた。夏の大会では肘が下がっていたので肘を上げるところからスタートした。20メートルの距離のタイヤ押しを朝練習で30本おこない下半身を鍛えた。準決勝はどちらも強い相手。名前負けしないよう自分の投球をしたい」
◆準々決勝 第2試合 日本文理2-1北越◆
北 越 100 000 000 1
日本文理000 000 002× 2
日本文理が最終回に逆転し準決勝に進出した。
北越は1回、日本文理の先発・飯塚の立ち上がりを攻め、四球と犠打で1死2塁とし、3番で主将・箕輪の右前適時打で1点を先制した。
1回表、北越が3番・箕輪希翔選手の右前適時打で1点を先制
日本文理の飯塚悟史投手 初回に1失点も粘り強い投球を見せた
北越の山﨑嘉紀投手 低めを丁寧に突く投球で日本文理打線を苦しめた
日本文理の先発投手・飯塚は初回に1失点をしたものの、その後は走者を出しても粘り強い投球を見せ、9回を投げ被安打3、8奪三振の安定した投球を見せた。北越の山﨑は低めを丁寧に突く投球で、8回まで日本文理打線を0点に抑えた。
9回裏、1点を追う日本文理は1死から2番黒台が三ゴロ内野安打で出塁。続く3番小林が中越三塁打を放ち同点に追い付いた。ここで北越ベンチは4番池田、5番星を歩かせる満塁策を指示。1死満塁から6番鎌倉の当たりは遊ゴロ。本塁への送球を受ける捕手・津野と三塁走者の小林がぶつかり、主審の判定は「守備妨害」で三塁走者がアウト。津野は負傷退場となった。2死満塁から7番飯塚がフルカウントから押し出し四球を選び、日本文理がサヨナラ勝ちした。
9回裏、日本文理の3番・小林将也選手が中越適時三塁打を放ち同点に追い付く
9回裏、押し出し四球で三塁走者の池田貴将選手(背番号5)がホームイン
試合終了後、無念の表情を浮かべる北越・山﨑嘉紀投手
◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「苦しかった。子どもたちがよく粘った。よくひっくり返した。それまで打線は、低い球を捨てて浮いた球を狙えと指示したが早打ちし過ぎだった。相手が左投手ということで右打者の黒台を2番に、小林を3番に起用した。最後の最後で小林が1本打ってくれた。守る方では飯塚がよく辛抱して投げた。こういうゲームで勝つとチームが乗ってくるから期待したい」
◇日本文理・小林将也選手の話◇
「(9回の同点打は)打った球はまっすぐ。真ん中からやや外寄りで、逆方向への打球を意識した。(去年秋に4番起用も)春も夏も結果が出せなくて、ここにきて調子が段々上がってきた。次の試合もフルスイングで期待に応えたい」
◇日本文理・飯塚悟史投手の話◇
「我慢の投球だった。初回に四球から失点し悔いが残った。これまでは失点した後に大量失点するケースが多かったので、1点で抑えられるようになったことは成長」
◆北越・山﨑嘉紀投手の話◆
「9回は3ボールにしてしまい不利なカウントにしてしまった。相手は関係なく自分たちの野球をするだけだと思っていた。自分ではゲームを作ることができたが、最後に精神面の弱さが出てしまった。冬にしっかり練習して、春にリベンジしたい」
◆20日の準々決勝(会場:ハードオフ・エコスタジアム新潟)◆
①佐渡(10:00)中越
②新潟明訓(12:30)村上
(取材・撮影・文/岡田浩人)