「第104回全国高校野球選手権大会」に新潟代表として3大会連続12回目の出場を果たした日本文理高校のベンチ入りメンバー18人を2回に分けて紹介する。
※名前・読み方・学年・守備位置・出身中学(硬式出身チーム)・身長体重・投打
①田中晴也(たなか・はるや)・3年・投手
長岡南中・186センチ・92キロ・右投げ左打ち
投打の大黒柱。投手として最速150キロの直球を武器に、2種類のスライダー、スプリットなどの変化球を投げ分ける。終盤でも球威が落ちないスタミナも特長である。中3夏に北信越大会に出場し、秋には新潟県選抜のエースとして全国ベスト4に進んだ。2014年夏の甲子園ベスト4進出の立役者・飯塚悟史さん(元DeNA投手)に憧れ、「甲子園で勝ちたいと思い、日本文理を選んだ」と話す。昨夏甲子園デビューを果たすも、初戦の敦賀気比戦では序盤に失点し、6対8で敗れた。「甲子園は自分にとってまだいい場所ではない」と話し、この1年間成長の糧としてきた。冷静に相手の狙いを見極める投球を見につけ、「要所要所で力を入れられる投球ができるようになったことが成長」と話す。打撃でも公式戦9本塁打を放ったスラッガーで三番打者として「得点に結びつく打撃を」と活躍を誓う。
②竹野聖智(たけの・せいち)・3年・捕手
燕吉田中・176センチ・77キロ・右投げ右打ち
主将で、扇の要となる正捕手を務め、エースの田中を含め4人の投手をうまくリードする。強肩としぶとい打撃が持ち味で、新潟大会ではチームトップとなる打率・455の数字を残した。燕吉田中時代から県ナンバーワン捕手として知られ、中3夏には幼馴染の村越とともに新潟県大会で優勝。新潟県選抜メンバーでは田中の投球を受け全国ベスト4入りを果たした。父親が日本文理OBで「甲子園に一番近い高校」と日本文理に進学。昨夏は田中とともに2年生バッテリーで甲子園デビューした。ただ「去年の甲子園は配球面を含めて悔しい思いをした」とこの1年は甲子園でのリベンジを誓ってきた。「打ち勝つ野球を全国の皆さんに見せたい」と意気込む。
③猪俣颯良(いのまた・そら)・3年・一塁手
鳥屋野中(新潟江南シニア)・180センチ・74キロ・右投げ右打ち
守備に安定感があり、新潟大会では守備固めとして2試合に出場した。ただ新潟大会準々決勝では田中のけん制球を逸らしてしまい(記録はけん制悪送球)「自分の守備のミスからピンチを招いてしまった」と反省、甲子園では堅実な守備に磨きをかけるとともに「緊張をほぐすため、グラウンドで一番楽しそうにプレーしたい」と話す。中学時代は硬式の新潟江南シニアでプレー。「チームメイトの才須が日本文理に行くと聞き、一緒に甲子園に行きたいと思った」と進学を決めた。「冬期間の打撃練習で手から血がにじむほど振り込んだことが辛い思い出」と語る努力家。中学時代から料理をするのが好きで、将来は「キッチンカーで日本一周したい」と夢見ている。
④早川優成(はやかわ・ゆうせい)・3年・二塁手
北辰中(長岡東シニア)・172センチ・71キロ・右投げ右打ち
新潟大会の決勝戦で2安打2得点と活躍し、延長11回にサヨナラのホームを踏んだ。持ち味である「しつこい打撃」を存分に発揮した。もともとは投手だったが「投手層が厚く、野手の方がチームに貢献できる」と3年時に野手に転向した。「ここを頑張れば成長できる」とプラスに考えて練習に取り組んできたことが決勝戦での活躍に繋がった。「二番打者は大事な初回に回ってくる。自分がクリーンアップの田中、高橋、玉木に繋ぐ打撃を」と意識している。追い込まれてからの粘りが真骨頂で、50メートルを6秒2で走る俊足でダイヤモンドを駆け回る。「新潟を背負って、新潟大会以上の活躍を」と甲子園でも持ち味を発揮する。
⑤井口虎汰朗(いぐち・こたろう)・3年・三塁手
堀之内中(長岡東シニア)・171センチ・63キロ・右投げ左打ち
一番打者として日本文理打線を引っ張る。「一打席目に出塁するのが一番打者の役割で、チームに勢いをつけたい。打撃練習でも一球目にこだわってきた」と責任感は強い。ただ、新潟大会では準々決勝まで結果が出なかった。「それまでチームに貢献できなかった」と振り返るが、準決勝の北越戦では4安打3打点と大活躍。「小学生の時から日本文理の一番打者は新潟県で一番凄い打者だと憧れてきた。(印象に残っているのは)2009年夏の切手(孝太)さん」と話す。50メートルを6秒3で駆け抜ける俊足と小技も武器。甲子園でも初球から甘い球を逃さない打撃を心掛ける。「粘り強く、1点ずつ積み重ねる」と意気込んでいる。
⑥平田来輝(ひらた・らいき)・2年・遊撃手
富山・水橋中(富山ボーイズ)・177センチ・69キロ・右投げ左打ち
夏の新潟大会では下位に座ったが、春の県大会では打率・650と打ちまくった。左右に打ち分ける打撃と俊足、そして遊撃手としての守備範囲の広さが持ち味。富山県から昨春、日本文理に入学。「自分の父親と(2017年のエース)稲垣(豪人)さんの父親が知り合いで、北信越で一番強いのは日本文理だと思った」と進学を決めた。ただ、昨年は夏前に指を骨折し、秋には試合中に股関節を骨折し、ケガに泣いた。「冬場に体づくりを心掛けた」と地道な練習に取り組み、今春レギュラーの座を取り戻した。夏の新潟大会では4失策と課題を残したが、決勝戦では「絶対に取り返す」と本来の好守を見せた。甲子園でも「注目を集めたい」と活躍を誓う。
⑦高橋史佳(たかはし・ふみか)・2年・左翼手・投手
新津第二中・181センチ・86キロ・右投げ右打ち
2年生ながら今春から日本文理の四番に座る。新潟大会では打率・400、5打点の数字を残し、春の県大会では1本塁打と長打力を見せた。夏の決勝では6回に先制打となる内野安打を放つなどチャンスでの強さが特長である。「甲子園では投手のレベルも上がる。チャンスで打てるようにしたい」と意気込む。もともとは投手。2歳年上で昨夏の三条高校のエースだった兄・麟太郎さんの影響で野球を始め、昨夏は1年生ながら新潟大会準決勝で初登板し、146キロをマークした。ただ、その後は公式戦登板はない。「チームの勝利のために仕事をしたい」と四番打者としての役割に集中するが、「投げるチャンスがあれば投げたい」とも口にする。兄からは「甲子園で楽しんでこい」と励まされ、聖地で大暴れするつもりである。
⑧松本昇也(まつもと・しょうや)・3年・中堅手
今町中・179センチ・79キロ・右投げ右打ち
中堅手として50メートル6秒3の俊足をいかした守備範囲の広さが持ち味。「足には自信がある。守備で信頼される選手に」と心掛けている。新潟大会でも長打性の当たりを好捕する場面が目立った。その一方で、九番打者として新潟大会では18打数2安打で打率・111と「繋ぐ打撃ができなかった」と振り返る。甲子園が決まった後は「タイミングの取り方などを工夫し、単打で繋ぐ意識を」と練習を繰り返している。「小さな頃から甲子園に行きたかった」と日本文理に進学。打撃で生き残るため、打席ではバットを短く持ち「右方向を意識し、コンパクトな打撃を」と意識している。将来は「ものづくりの仕事をしたい」との夢を持っている。
⑨玉木聖大(たまき・しょうだい)・3年・右翼手
紫雲寺中・187センチ・100キロ・右投げ右打ち
新潟大会決勝では延長11回にサヨナラ打を放った。「長かった」と呟いた。2年生で出場した昨夏の甲子園で2点本塁打を打った。その後「心の底で本塁打を狙いすぎる気持ちがあった」とチャンスで凡打を繰り返し、打撃不振に陥った。「一時は打ち方がわからなくなった」と悩むほどだったが、「打てなくしているのは自分自身。意識を変えなければ」とひたすらバットを振り続けてきた結果が、夏の決勝で表れた。再び戻る聖地。「甲子園で勝てるよう、チームのための打撃を心掛けたい」。一発長打に加え、粘り強さも身につけ、クリーンアップとして勝利に貢献することを誓う。将来の夢は「教員になること」…誰よりも貴重な経験を積んでいる。
(取材・文/岡田浩人 撮影/武山智史)
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