【日本文理 ベンチ入りメンバー紹介④】
⑮江崎竜馬(3年・内野手) 兵庫・甲陵中 160センチ65キロ 右投右打
50メートルを6秒3で駆け抜ける俊足の持ち主。兵庫県の中学校から「甲子園に行きたくて」新潟にやって来た。父親が大の坂本龍馬ファンでその名を付けられた。「必ず名前を憶えられます」と笑う。足と守備が持ち味。新チームでは「Bチームでずっとキャプテンをやってきた。そこで自分のプレーだけではなく、全体のことを見るようになった。その経験が今にいきている」と語る。地元でもある甲子園で成長した自分の姿を見せたいと意気込んでいる。「出番があるときは守備固めや走塁でチャンスを拡げたい時。ここ一番の場面で流れを変えるプレーができれば」とその時に備えている。
⑯竹石稜(3年・外野手) 三条大崎中 174センチ66キロ 右投右打
50メートル6秒3の俊足と外野の守備範囲の広さが持ち味。三条シニア時代からセンスある打撃が評判で、日本文理入学後も1年秋からレギュラーで活躍してきた。不動のセンターだったが、6月の北信越大会で一塁ベースに帰塁する時に右肩のじん帯を傷めてしまう。一時は野球生命を危ぶまれたが、「夏の新潟大会後に医師のOKが出た」と笑顔を見せる。「新潟大会で仲間のおかげで優勝できて、本当にありがとうという気持ち。一時は野球をできないと言われたがあきらめなくて良かった」と話す。去年夏、今春の選抜に続き3度目の甲子園。「背番号16でベンチに入れてもらえてありがたい。足や守備で貢献したいし、試合に出ることができなくても、センターを守る小太刀に自分の外野守備経験を伝えたい。コーチャーでもチームに貢献したい」と最後の夏に全てをぶつけようとしている。
⑰山口尚輝(2年・外野手) 白根北中 171センチ64キロ 左投左打
白根北中時代から快速左腕ピッチャーとして有名で、中学2年秋の県新人戦で優勝。「文理で甲子園に行きたかった」と迷わず進学した。小柄だが野球センスに溢れ、入学後は打撃センスを買われ外野手に転向。昨秋の神宮大会決勝で公式戦デビューを果たした。「文理で打撃が成長した」と話す通り、その巧打と俊足をいかしダイヤモンドを駆け巡る。ただ本人は「投手として活躍したい」とこだわりも。「甲子園に行けて嬉しい。まず1勝して、一日でも長く甲子園にいたい」と活躍を誓う。
⑱荒木陵太(1年・外野手) 水原中 173センチ76キロ 右投左打
ベンチ入りした唯一の1年生。中学時代は新津五泉村松シニアの3番打者・投手として全国ベスト8に貢献した。「新潟で活躍したい」と日本文理入り。春の県大会からベンチ入りし、持ち前の思い切りのいい打撃を披露してきた。野球好きの父親の影響で、「生後3か月でベンチに入り、4歳から野球を始めた」という野球の申し子。今春の選抜大会は「スタンドから見ていて、夏はこのグラウンドに立ちたいと考えていた」と話す通り、今夏の甲子園デビューを待っている。「試合に出る準備をしながら、試合に出ている人が100%の力が出せるようベンチでサポートしたい。試合に出る時にはフルスイング、全力疾走を心掛けたい」と意気込んでいる。
◎平石風歌(3年・記録員) 西川中
中学時代はバレーボール選手として北信越大会ベスト8の実績を持つ。日本文理に入学後、帰宅の迎えを待つ間に野球部のグラウンドで練習を見たことがマネージャーになったきっかけ。「打撃練習をする選手の姿に見入ってしまった。『全国制覇』の横断幕と選手の姿が重なった。選手たちを支えたいという気持ちが芽生えた」という。ところが野球についてはルールすら分からなかった。「ファールも知らなかったし、『ロジン取って』と言われてもロジンって何?というレベルだった」と笑う。その後必死に勉強して、選手の信頼を勝ち取った。新潟大会決勝では9回裏に「正直1アウトになった時に終わりがよぎった。あきらめた訳ではなかったけど・・・。小太刀のホームランが入った瞬間、頭が真っ白になった。信じて良かった」と涙が溢れた。甲子園では「準備」で選手の足を引っ張らないようにと考えている。「プレーで貢献できない分、マネージャーとしての仕事でしっかり選手を支えたい」と共に戦う決意だ。
(取材・文/岡田浩人 撮影/嶋田健一 岡田浩人 文中敬称略)