来春の選抜甲子園出場校選考の参考となる第131回北信越高校野球大会が18日、石川県で開幕した。新潟代表3校のうち、中越(新潟1位)が7-5で啓新(福井3位)をくだし、日本文理(新潟2位)が5-1で長野日大(長野2位)をくだし、それぞれ19日の準々決勝進出を決めた。北越(新潟3位)は10-11で松商学園(長野1位)に惜敗した。
日本文理×長野日大 2回表、日本文理が満塁から八幡竜選手の二塁打で3点を追加
◎18日の1回戦の試合結果◎
①日本文理5-1長野日大(試合終了)
日本文理 040 100 000 =5
長野日大 001 000 000 =1
(バッテリー)
日本文理:八幡、山口、川合、藤塚-近藤
長野日大:川上-山岡
◎戦評◎
日本文理が2回、満塁から押し出し四球で先制し、9番八幡竜選手の適時二塁打で走者3人が還り、この回一挙4点を挙げた。4回にも山口尚輝選手の適時三塁打で1点を追加。投げては4人の投手リレーで逃げ切った。
日本文理の先発①八幡竜投手 2回を投げ打者一巡したところで降板した
日本文理の三番手③川合哲平投手 4回を投げ無失点と安定した投球を見せた
日本文理の4番手で登板した⑯藤塚光二郎投手(左) 近藤友拓捕手(右)と勝利を喜ぶ
◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「4点取った2回が全て。集中打ができるのは先輩譲りかな。(投手は)長いイニングは無理。本来なら3回くらいまで八幡、その後の3回を山口、あとの3回を川合と藤塚で、と考えていたが上手くいかないね(苦笑)。川合が想像以上に頑張ってくれた。ピンチでもなんとか守り切った。あしたも何とか勝って来週も試合できるよう、選手に頑張ってもらいたい」
◇日本文理・川合哲平投手の話◇
「気持ちで負けないよう、チームに流れを呼び込むために投げた。相手打線は直球に強いイメージがあったので、秋の県大会前に覚えたカットボールでよく引っ掛けることができた。監督からは三番手で行くぞと言われていたので準備していたが、これほど早く(登板機会が来る)とは思わなかった。あしたもピンチでいつでもマウンドに上がれるように準備したい」
②松商学園11-10北越
北越 140 002 102 =10
松商 710 210 00× =11
(バッテリー)
北越:大塩、伊藤、江村-月橋
松商:羽賀、徳田、恩田-松原
◎戦評◎
初回に大量失点をした北越が中盤以降追いすがったが、あと1点届かなかった。
北越は初回に先制したものの、その裏に松商打線に打者11人、ヒット6本を集中され7失点。2回に連続押し出しと3番・国松の左線二塁打で4点を返した。点差を拡げられた中盤以降も点数を返し、6回には5番・水落の適時打などで2点を返すなど徐々に点差を縮めた。9回には長打を絡めて1点差まで追い詰めたが、序盤の失点が大きかった。
北越の先発①大塩悠太郎投手 1回7失点と精彩を欠いた
2回表、北越は3番・国松脩人選手の適時二塁打などで4点を返し反撃
◆北越・小島清監督の話◆
「立ち上がりに点数をあげすぎた。大塩の立ち上がりは球が高く、ストライクとボールがはっきりしていて(相手打線を)止められなかった。攻撃面に関しては打ち勝つということをテーマにやってきたので、やってきたことは出せた。(7点は)絶対に返せると思っていて、7点以上は取れたが、中盤に守備面でいらない失点もあった。そこが響いた。このチームはまだ伸びしろがあるので、またひと冬かけて鍛えたい」
◆北越・大塩悠太郎投手の話◆
「初回の入りは県大会でも悪い時があり、キャッチャーとしっかり話してしっかりいこうと話していたが、ボールが少し高く、それを試合中に修正できなかった。県大会から(立ち上がりで)チームに迷惑をかけてしまった。この冬にしっかり追い込んで、技術以上に気持ちの面でもしっかり鍛えたい」
◆北越・国松脩人選手の話◆
「(2回の)あの打席では点差が離れていたので1点でも返そうという意識でいった結果。でもあと1点届かなかったというのは、自分たちの個人もチームとしても足りない部分があると思うので、そこをこの冬に鍛え直したい。このリベンジの気持ちを春夏につなげていきたい」
③中越7-5啓新
啓新 200 000 012 =5
中越 002 000 14× =7
(バッテリー)
啓新:北田-中井
中越:上村-波方
◎戦評◎
初回に2点を先制された中越だったが、3回に同点に追い付くと終盤に突き放した。中越は3回に5番・波方の適時打をきっかけに同点に追い付くと、7回には重盗で勝ち越し。同点に追い付かれた直後の8回には投手の上村が左越二塁打を放つなど集中打で一挙4点をあげ、試合を決めた。先発投手の上村は2回に頭部死球を受けるアクシデントがあったが、3回以降も落ち着いた投球で試合の流れを引き寄せた。
中越①上村将太投手 頭部死球を受けるアクシデント後も落ち着いた投球が光った
3回裏、中越の5番・波方凌選手の左前適時打で1点を返す その後同点に追い付いた
同点に追い付かれた直後の8回裏、8番・上村将太選手の適時二塁打で再び勝ち越し
◇中越・本田仁哉監督の話◇
「上村が作ってくれた勝ちゲーム。(頭部死球で)こちらは(続投を)止めたが、本人が志願して、その背中を見て皆が力を増して最後まで戦い抜いた。初戦の失点は考えられたが、試合前に『トータルで3失点までは慌てるな』と言っていた。(2失点で)あそこで止められたのはよかった。苦しんで(重盗で)1点取った後、同点にされて、今までだとそこでやられてしまっていたが、その後(8回裏に)取り返すことができたのはこのチームの力が上がった証拠だと思う。最後の4点はいい形で取ることができた。(星稜は)力のある、そして歴史のあるチーム。そこで勝って、またチーム力を上げていきたい」
◇中越・斎藤颯主将の話◇
「初戦が大事だと思っていたので競った試合を勝つことができよかった。(8回の適時打は)最後は泥くさく、しっかり次につなげることができた。去年秋は北信越で1回勝つことができたが準々決勝を勝ちきれなかったので、去年の分もしっかり返したい。ただ目指しているのは選抜と神宮大会なので、あすもしっかりと勝ちたい」
◇中越・上村将太投手の話◇
「(頭部死球は)右耳の裏。『明日もあるから』と言ってもらったが、1番の背番号を背負っている中で自分が投げる気持ちが強かった。(当たった時は)少しクラクラしたがあとは普通の状態だった。いつもの自分でいるように心がけた。その後もコースを投げることができてよかった。(勝ち越し二塁打は)直球に張っていた。自分が絶対に決めてやろうと思った。外の直球を逆らわず打つことができた。毎回レベルアップしたいと思っていて、あすも自分の投球をできれば」
◎19日の準々決勝◎
<金沢市民>
①日本文理(10:00)富山第一
②中越(12:30)星稜
<石川県立>
①敦賀気比(10:00)小松大谷
②金沢(12:30)松商学園
(取材・撮影・文/岡田浩人)