新潟県中体連・軟式野球専門部は21日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで、中学1、2年生を対象にした講習会を開催。県内全域の80校から約300人が参加した。講習会は高校や大学レベルの技術を学ぶことで、中学生年代のレベルアップを目的として毎年この時期に開かれ、今年で3回目。講師は新潟医療福祉大学硬式野球部の佐藤和也監督(新潟明訓高前監督)が務め、投げる・打つなどの基本的な動作指導をおこなった。また新潟医療福祉大学でスポーツ心理学が専門の山崎史恵准教授がイメージトレーニングなどについて講義をおこなった。
新潟医療福祉大・佐藤和也監督から基本動作の指導を受ける中学1、2年生
技術講習では佐藤監督がバットスイングの基本動作を指導。「下半身から上半身へと連動させる体の使い方で、軸をぶらさず頭の位置を変えずに振り抜くこと」と身振りを交えて技術を伝えた。また投手への指導では、実際に同大野球部の投手がマウンドから投げ込みをおこない、下半身から上半身を使ったフォームを披露した。
メンタル講習では山崎准教授が試合で自分の持つ力を発揮するための方法の1つとして「失敗をした時には良い時の自分のイメージを頭に思い浮かべることで気持ちを切り替えられる」と普段からイメージトレーニングを活用することの重要性を説いた。
新潟医療福祉大の板垣瑞希投手(右)と笠原祥太郎投手(新津高出身)がお手本を見せた
山崎史恵准教授のメンタル講習 イメージトレーニングの重要性を説いた
講習会に参加した加茂中学校2年の坂井治仁選手は「足のポイントを意識して打つことなど、知らないことがたくさんあってためになった。きょうの講習会をいかしてチームに貢献できるようにしたい」と感想を話した。
去年に引き続き2度目の指導となった新潟医療福祉大の佐藤和也監督は「ゴールデンエイジと言われる中学生年代のうちに基礎的なことを理解しているのと理解していないのとでは高校野球でのスタートが違ってくる。ここで学んだことをチームに持ち帰って伝えてもらえれば。新潟県の指導者のこうした前向きな取り組みは北信越の他県にはないこと」と引き続き協力を惜しまない考えを示した。
来年2016年の夏には全国中学校軟式野球大会(全中)が新潟県を会場に開催されることが決まっている。県中体連軟式野球専門部の夏井徳治強化部長(五泉中教諭)は「大学生のプレーを見ると目標設定も変わってくるため中学生にとってはいい刺激になる。こうした機会をいかして県全体の発展、さらに来年の全中の地元開催を見据えた現在の1年生(新2年生)のレベルアップにも力を注ぎたい」と意気込みを見せた。
(取材・撮影・文/岡田浩人)