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【女子野球】開志・信國沙弥が女子プロ野球挑戦へ 県出身2人目のプロなるか

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9月17、18日に埼玉県川口市でおこなわれる日本女子プロ野球リーグの入団テストに、開志学園3年の信國沙弥選手(17)が挑戦する。一昨年の春に創部した開志学園女子硬式野球部の1期生で、今夏の全国選手権大会では3番打者を務めた。周囲が「モンスター」と呼ぶ長距離砲で、「初球から打つ積極的な打撃をアピールしたい」と意気込む。新潟市東区出身の信國選手が合格すれば、長岡市出身の元選手・益田詩歩さんに続く県出身2人目の女子プロ野球選手が誕生することになる。

女子プロ野球の入団テストに挑戦する開志学園3年・信國沙弥選手

プロ入団テストを前に信國選手は「緊張しているが、打撃でアピールしたい」と落ち着いて話した。取材中はあどけない笑顔を見せる女の子だが、ひとたびバットを握ると雰囲気が一変する。その打球は男子顔負けの飛距離を誇る。6月の練習ではグラウンドのライト側にある約80メートルの柵を越えた打球を放ち、それを見ていた男子選手が思わず拍手を送ったほどだ。

7月の全国選手権1回戦で敗れ、高校野球生活を終えた信國選手。卒業後の進路について「救急救命士になりたくて大学に進学しよう」と考えていた。しかし引退後、周囲から「上のレベルでプレーできる」と女子プロ野球への受験を勧められた。自身も「引退した後も野球のことばかり考えていた。大好きな野球をここでやめるのはもったいない」と考えるようになり、挑戦を決めた。

もともと小学1年生の頃から球技が好きで、「体力テストのソフトボール投げをやったら人よりも遠くへ投げることができた」。そこから地域のクラブチームでソフトボールをプレーするようになった。木戸中時代もソフトボール部に所属。主に外野手として活躍し、県大会で準優勝、北信越大会にも出場した。高校進学後もソフトボールを続けようと考えていたが、開志学園に県内初の女子硬式野球部ができることを知り、「新しく野球に挑戦しようと思った」と入学した。

入団テストに向け打撃練習をする信國選手 飛距離は「全国トップクラス」(監督)という

打撃が大好きで、「ボールが外野の遠くへ飛んでいく感じが好き。自分が打つことでチームのためになると実感できる」と笑顔を見せる。山田実監督は「ボールをとらえるミート力、そして飛距離がすごい。リストが柔らかい。打撃の力は天性のもので、高校生としては全国トップクラス」と話す。引退後、1週間ほど練習を休んだが、再開後も「普通に打球を飛ばしていて驚いた」(山田監督)という。入団テストを2日後に控えた15日の練習でも力強い打球を外野に飛ばしていた。

入団テストは17日に50メートル走や遠投、打撃テストなどの1次テストがおこなわれ、1次通過者が翌18日の実戦テストに挑むことができる。9月下旬に合格者が発表になる。新潟県出身の女子プロ野球選手としては、長岡市出身で2013年に引退した益田詩歩さん(26・元ノースレイア)がいて、信國選手が合格・入団が決まれば2人目となる。

山田監督は「もし合格すれば新潟の女子野球界にとっても素晴らしいこと。新潟出身の女子、しかもソフトボールをやっていた選手がプロになったら、新潟の女子選手の目標、憧れになる」と期待する。信國選手は「野球だけではなく社会人としてもしっかりできる人間になりたい。新潟の女子選手の身近にいると感じられる存在のプロになりたい」と意気込んでいる。

<プロフィール>
信國沙弥(のぶくに・さや)/1998年3月生まれ、新潟市出身。竹尾小-木戸中。開志学園では1年からレギュラー。161センチ。右投げ左打ち。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


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