第133回北信越高校野球・新潟県大会は19日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで準々決勝2試合がおこなわれている。第1試合は村上桜ヶ丘が8対0で新潟県央工に7回コールド勝ち、第2試合は東京学館新潟が5対0で糸魚川をくだし、それぞれベスト4進出を決めた。村上桜ヶ丘、東京学館新潟ともに秋季県大会でのベスト4進出は2008年以来。20日は準々決勝の残り2試合がおこなわれる。
東京学館新潟×糸魚川
6回裏、東京学館が5番・加勢良輔選手の中越えランニング本塁打で3点を追加
◎19日の準々決勝の試合結果◎
①村上桜ヶ丘8-0新潟県央工(7回コールド)
県央工 000 000 0 =0
村上桜 006 200 × =8
(バッテリー)
県央工:⑪長谷川、①小林航-②西川
村上桜:①山田、⑩稻垣-②江花
県央工の先発⑪長谷川璃生投手 1、2回は相手打線を抑えたが3回に四球から崩れた
県央工①小林航投手 3回のピンチで登板も相手の勢いを止められなかった
3回裏、1点先制後、村上桜ヶ丘が5番・石栗飛雄馬選手の右前適時打で2点を追加
村上桜ヶ丘の①山田天斗投手 6回を投げ被安打3、無失点の投球
(試合内容) ※公式記録と異なる場合があります
・7回表 県央工 投手⑩稻垣 ⑦小林航 空三振 ⑧代打新井 二飛 ⑨関塚 遊飛
・6回裏 村上桜 ①増田 右飛 ②久志田 死球 ③長谷川 左飛 ④須貝 二盗→三ゴロ 無得点
・6回表 県央工 ③堀田 右飛 ④小田島 二捕球失策 ⑤西川 空三振 ⑥渋谷 左邪飛 無得点
・5回裏 村上桜 ⑦江花 見三振 ⑧若林 捕邪飛 ⑨山田 右飛 無得点
・5回表 県央工 ⑨金子 遊ゴロ ①知野 空三振 ②田中 中飛 無得点
・4回裏 村上桜 ②久志田 三直 ③長谷川 死球 ④須貝 左中間適時2塁打で得点1 ⑤石栗 中飛→走者三塁へ、遊撃の三塁悪送球の間に得点1 ⑥五十嵐 左飛 得点2
・4回表 県央工 ⑥渋谷 遊ゴロ ⑦小林航 二飛 ⑧金子 投飛、 無得点
・3回裏 村上桜 ⑨山田 中飛 ①増田 三強襲H ②久志田 四球 ③長谷川 四球 ④須貝 右前適時打、得点1 県央工 投手 長谷川→小林航 ⑤石栗 右線適時打、得点2 ⑥五十嵐 右前2点適時打、得点2 ⑦江花 中前H ⑧若林 右前H ⑨山田 犠打 ①増田 中飛 得点6
・3回表 県央工 ①知野 中前H ②田中 犠打失策 ③堀田 中前H ④小田島 暴投で2、3塁→二直 ⑤西川 二飛 無得点
・2回裏 村上桜 ⑤石栗 投ゴロ ⑥五十嵐 左前H ⑦江花 中飛 ⑧若林 三ゴロ 無得点
・2回表 県央工 ⑦菊池 遊直 ⑧長谷川 一ゴロ ⑨金子 中飛 無得点
・1回裏 村上桜 ①増田 遊内野H ②久志田 犠打 ③長谷川 左邪飛 ④須貝 見三振 無得点
・1回表 県央工 ①知野 右前H ②田中 儀打 ③堀田 四球 ④小田島 空三振 走者重盗で2、3塁 ⑤西川 四球 ⑥渋谷 三飛 無得点
(先発メンバー)
先攻 新潟県央工
①二 知野
②三 田中
③右 堀田
④一 小田島
⑤捕 西川
⑥中 渋谷
⑦左 菊池
⑧投 長谷川
⑨遊 金子
後攻 村上桜ヶ丘
①中 増田
②左 久志田
③右 長谷川
④一 須貝
⑤三 石栗
⑥二 五十嵐
⑦捕 江花
⑧遊 若林
⑨投 山田
◇村上桜ヶ丘・松田忍監督の話◇
「山田は立ち上がりが不安がある。あと一本打たれたら先制され、何点取られたか・・・。(4回以降は無安打だが)立ち上がりの調整、準備が足りないのでは。それでも初めて(公式戦で)6回まで投げたことは収穫。前回よりは攻める姿勢が見られたのも収穫。今後は打力あるチームが出てくれば点は取られると思う。取り返して勝つしかないかなと思っている。(打撃は)夏の経験踏まえて頭で打っている。3回は右打ちの意識を持ってやっていたのだと思う。(ベスト4まで来たが)子どもたちは北信越という意識をしているみたいだから、どうせならあと1つ勝ちたい。力ないチームだけど一丸となってやってみたい」
◇村上桜ヶ丘・五十嵐瑠夏主将の話◇
「自分たちの目標にまた一歩近づけた。ただまだ試合後には次の対戦相手に切り替えという気持ちというふうに思い、2日間空くが自分たちがどういう野球やるのか再確認してエコスタで試合したい。(3回の適時打は)前の打者で投手が代わり、投球練習からタイミングを取るイメージを持っていた。追い込まれたらアウトコースのスライダーが来ると思っていたので踏み込んで打つことができた。守備から守って、攻めにつなげるチームだが、まだできていない部分があるので、きょうは学ぶことの多い試合だった」
◆新潟県央工・高村俊洋監督の話◆
「一球の違い、一瞬の違いを点数にすると8対0という結果になった。一球、一瞬の重みを選手がどう思ったか確認しないといけないが、そういう事が分かって次に繋がる。これから冬場の練習、春、夏の公式戦で勝つために重要になってくる。今日の悔しい負けが、一球の怖さと言っていると、エラーばかりが注目されるけど、1本出ていたら、その1本が出て先取点を取っての安心感もあるが、取れなかったから次どうするか?ということを選手と話合っていきたい」
◆新潟県央工・知野力主将の話◆
「自分たちのミスから相手に流れを与え、止めることができなかった。まず気持ちの強さを持つ事や、守備もしっかりもう一度基礎から徹底してやる。細かいことだけど体作りもしっかりやりたい。冬場はきつい練習になると思うがしっかりやりきって来年の春、夏にリベンジしたい」
②東京学館新潟5-0糸魚川
糸魚 000 000 000 =0
学館 000 023 00× =5
(バッテリー)
糸魚:①松澤-②原
学館:①山田-村上
(本塁打)
学館:加勢(6回・3点R)
糸魚川①松澤寛人投手 4失点も右横手から最速132キロの直球を投げ込んだ
(試合内容) ※公式記録と異なる場合があります
・9回表 ③大津 死球 ④馬場 右飛 ⑤吉倉 遊ゴロ ⑥伊藤 左線二塁打 ⑦代打 縄 二ゴロ 試合終了
・8回裏 東京学館 ③坂井 四球 ④前山 見三振 ⑤加勢 空三振 ⑥村上 空三振
・8回表 糸魚川 ⑨日馬 四球 ①八幡 二ゴロ併殺 ②藤岡 一飛 無得点
・7回裏 東京学館 ⑧山田 空三振 ⑨渡辺 空三振 ①今枝 三ゴロ悪送球 ②岡本 二ゴロ無得点
・7回表 糸魚川 ⑤吉倉 遊ゴロ ⑥伊藤 中前H ⑦松澤 遊ゴロで2塁 ⑧原 左前Hも本塁憤死 無得点
・6回裏 学館 ②岡本 バントH ③坂井 3バント死 ④前山 左前H ⑤加勢 牽制悪送球で2、3塁→中越ランニング本塁打(写真)得点3 ⑥村上 捕邪飛 ⑦鳥辺 見三振 得点3
・6回表 糸魚川 ①八嶋 一ゴロ ②藤岡 右線二塁打 ③大津 投ゴロ ④馬場 捕ゴロ 無得点
・5回裏 学館 ⑤加勢 中前H ⑥村上 犠打 ⑦鳥辺 左前適時打(写真)得点1 ⑧山田 二盗→空三振 ⑨渡辺 三失策で1、3塁 ①今枝 三失策で得点1 ②岡本 盗塁死 得点2
・5回表 糸魚川 ⑦松澤 投ゴロ ⑧原 二内野H ⑨日馬 牽制死→二飛 無得点
・4回裏 東京学館 ①今枝 犠打失策 ②岡本 中飛 ③坂井 三捕球失策 ④前山 遊ゴロ 無得点
・4回表 糸魚川 ②藤岡 一ゴロ ③大津 右飛 ④馬場 右前H ⑤吉倉 中前Hで1、2塁 ⑥伊藤 空三振 無得点
・3回裏 東京学館 ⑦鳥辺 二ゴロ ⑧山田 捕邪飛 ⑨渡辺 空三振 無得点
・3回表 糸魚川 ⑧原 右飛 ⑨日馬 中飛 ①八嶋 投ゴロ 無得点
・2回裏 東京学館 ④前山 三ゴロ ⑤加勢 中飛 ⑥村上 三ゴロ 無得点
・2回表 糸魚川 ④馬場 空三振 ⑤吉倉 遊失策 ⑥伊藤 牽制死→死球 ⑦松澤 二ゴロ 無得点
・1回裏 東京学館 ①今枝 遊ゴロ ②岡本 左飛 ③坂井 右飛 無得点
・1回表 糸魚川 ①八嶋 二ゴロ ②藤岡 遊内野H ③大津 中飛 ④馬場 二盗失敗 無得点
(先発メンバー)
先攻 糸魚川
①中 八嶋
②右 藤岡
③遊 大津
④三 馬場
⑤一 吉倉
⑥左 伊藤
⑦投 松澤
⑧捕 原
⑨二 日馬
後攻 東京学館
①右 今枝
②遊 岡本
③三 坂井
④一 前山
⑤中 加勢
⑥捕 村上
⑦左 鳥辺
⑧投 山田
⑨二 渡辺
◇東京学館新潟・長谷和昭監督の話◇
「1ポイントの勝負で1チャンスで点数を取ることを考えていた。糸魚川の松澤投手は変則で、かなりスナップやリストで体の横でボールを離してくるからバッターは球速に慣れないとキツいかなと思い、かなりマシンの球速を上げて、差し込まれないようにという練習をしてきたが・・・打てなかった。その中でも左打者がキーになると思っていたのでチャンスで加勢がよく打ってくれた。山田は中盤から不安定でいつ点を取られてもおかしくなかった。5点に助けられた。それでも踏ん張れたのはよい経験。先頭バッターを出さなかったのもよかった。このチームは力がなくて『運』でここまできている。次の試合も一生懸命やるだけ。100試合の練習試合をするよりも、1つ1つの公式戦がものすごく意味があるものなんだと選手には言っている。投手を中心にこのチームは守っていくんだということをテーマに夏休み練習してきた。それが少しづつ公式戦で彼らが一皮剥け、成長に繋がっているんだと思う」
◇ランニング本塁打の東京学館新潟・加勢良輔選手の話◇
「1週間前くらいから左バッターが鍵と言われていたのでセンター返しを意識して練習してきた。今日は結果が出て嬉しかった。ランニング本塁打は完璧な感触。実は前の回くらいから両足ふくらはぎをつっていて伸ばしていた。それでも気合いで走った。ホームインして嬉しいというより、早く伸ばしたいと思っていた(笑)。監督の言うようにここまできたのは運だと思う。実力はないので挑戦者の気持ちでやっている。ベスト4という目標は達成したが、負けていい試合はないのでこのまま勝ち続けて北信越大会に行きたい」
◆糸魚川・牛木晃一監督の話◆
「サードのミスはあったが、投手と遊撃手の連係で、動きが硬かったのか。先制点を取らなきゃいけない流れが、先制され、ミス絡みで点を取られ、こんなはずではないという悪循環だった。けん制アウトもあり攻撃でもミスがあった。序盤はきっちり抑えていたが、その中で点を取ることができなかったことが、向こうに逆に仕掛けられた。加勢くんが1打席目からものすごく合っていたので、要注意と思っていたが・・・。松澤には高めのボールを使えと言っていたが、バッテリーが先制されるまでは大事に行っていた。選手はいい勉強になったと思う。(この冬は)打つ方を力入れないと・・・。松澤に続く二番手も。ここを1つ抜けてもう2試合やりたかったが・・・」
◆糸魚川・松澤寛人投手の話◆
「前の試合よりは安定してコースに投げることができた。(守備のミスがあったが)失策をカバーするのは投手の仕事だと思う。気持ちが切れることなくカバーしようという気持ちで投げることができたのはよかった。(冬の課題は)今はまだ下半身が細い。しっかり走り込みをして、延長戦でも1人で投げ切れるくらいのスタミナをつけたい。体幹を鍛えてもう少し球速を出したい。(夏の小出戦は)逆球を打たれてサヨナラ負けをしたので夏は制球を見直して、体全身で投げることを取り組んできた。来年の夏、絶対にエコスタに戻って来て、(北陸)新幹線の糸魚川駅に『甲子園出場』と掲げられるくらいの活躍をしたい」
◎20日の準々決勝の試合予定◎
①新潟明訓(10:00)五泉
②新潟商(12:30)日本文理
(取材・撮影・文/岡田浩人 取材/松井弘恵)