第98回全国高校野球選手権大会に新潟代表として出場、11日に初戦を迎える中越高校のベンチ入りメンバーを紹介する。
⑩板屋好朗(いたや・よしあき 3年・投手)
長岡南中 179センチ70キロ 右投右打
手足が長い右の本格派。持ち味は「真っすぐで押していくこと」。本田監督の期待が高かったが、2年春以降に右ひじと右肩を痛めて長く戦列を離れた。今春の県大会からようやく実戦復帰。本来の球の伸びが戻ってきた。「甲子園ではいつでも行けるように準備し、マウンドに上がったら攻撃に勢いをつけることができるような投球をしたい」と力を込める。
⑪須田崇仁(すだ・たかひと 3年・投手)
柏崎東中(柏崎シニア) 171センチ71キロ 左投左打
中学時代に「テレビで夏の大会の試合を見てカッコよかった」と中越進学を決めた。4月の山形遠征で2ケタ失点し、「走り込みから人よりも追い込んで練習に取り組んだ」。その結果、球のキレが増し、安定した投球ができるようになった。特技の倒立歩行で体のバランスを整える。甲子園では「自分が登板する時はピンチの時。流れを変えることができる投球をしたい」。
⑫川上真生(かわかみ・まさき 2年・捕手)
長岡東北中(長岡シニア) 173センチ64キロ 右投右打
2年生の控え捕手。内野手だったが今春から捕手に転向した。「捕手は試合を作ることができて面白い。周りをよく見て指示を出し、投手が投げやすいように」と気を配る。投手4人の球をブルペンで受けるが、「それぞれ持ち味の球が違う。その日の出来を的確に伝えられるよう意識している」という。「大観衆の中でも1球1球に集中したい」と目を輝かせる。
⑬関成(せき・なる 3年・外野手)
柏崎第二中 172センチ65キロ 右投右打
50メートルを6秒で駆け抜けるチーム一の俊足。秋は一番打者だったが、この夏は控えに。「出場メンバーが試合に集中できるようサポートをし、自分ができることを考えた」と言う。中学時代の恩師が中越OBで、2005年に新潟明訓に敗れ甲子園出場に逃したという。「自分たちが勝って恩師に喜んでもらえたことがうれしい。今までやってきたことを発揮しまずは1勝」。
⑭白川敦士(しらかわ・あつし 3年・内野手)
長岡西中(長岡シニア) 169センチ61キロ 右投左打
6歳上の兄の影響で中越高校に入学。試合中は三塁コーチとして「冷静な判断と瞬時の判断」を常に意識している。選手としては内野手の控えで、バントなど小技をいかしたプレーが特徴。「自分が出る場合は試合の流れを変えたい時」と普段からバント練習を欠かさない。甲子園では「1球1球集中して、全力でプレーしたい」と意気込む。
⑮坂口滉(さかぐち・こう 2年・内野手)
糸魚川中 171センチ70キロ 右投右打
50メートルを6秒2で走る「足をいかしたプレー」が持ち味で、身体能力の高さはチーム一。3歳上の兄の影響で野球を始め、兄の背中を追うように中越高校へ。中学時代はKボールの県選抜メンバーで糸魚川市から「甲子園に行くために入学した」。普段は一塁コーチも、代走要員として準備を怠らない。「目の前のワンプレーをしっかり判断し、一戦必勝で臨む」。
⑯斉藤海(さいとう・かい 2年・外野手)
燕吉田中 176センチ68キロ 右投左打
俊足好打の控えの外野手。柔らかく広角に打てる打撃が持ち味。「甲子園に一番近い高校だと思った」と進学を決めた。昨秋は背番号7も試合に出れず、冬は「1日1000スイング以上は振った」という。その成果が春に表れ、練習試合で2本の本塁打2本を放ちパワーアップを実感した。「甲子園に恥じないプレーをし、まずは1勝をし全員で校歌を歌いたい」と誓う。
⑰鈴木将史(すずき・まさし 3年・外野手)
三条第一中(三条シニア) 180センチ79キロ 右投右打
一発長打が魅力の右の代打の切り札。春の練習試合では逆転満塁本塁打を放ったことも。3歳上の兄も中越高校野球部OBで2012年夏の決勝では新潟明訓に惜敗し甲子園を逃した。今夏、新潟明訓を破っての甲子園出場に「うれしかった」と喜ぶ。甲子園では「チャンスで打席に立ったら、1本打ってチームの勝利に貢献したい」と意気込む。
⑱澤中京太郎(さわなか・きょうたろう 2年・投手)
小千谷中(柏崎シニア) 164センチ60キロ 右投右打
小柄な体格から本田監督が「一寸法師」と呼ぶが、マウンドでは堂々とした投球で“鬼退治”を果たす。新潟大会決勝では6回途中から登板し、無失点で優勝投手となった。「最後の三振を取った時も実感がなかった」とはにかむ。中学時代から「私生活の大切さを意識してきた」という真面目な性格で、夢は警察官。低めを突き、「打たせて取る投球で貢献したい」と話す。
[記録員]渡部雄貴(わたなべ・ゆうき 3年・写真右)
佐渡・赤泊中 162センチ55キロ 右投右打
佐渡・赤泊中では捕手。少年野球時代の監督が中越OBだった縁で進学。今春から本田監督の指示で記録員に。最初は選手に未練があり、「なかなか気持ちが切り替えられなかった」というが、ベンチでの仕事に責任を感じるようになった。「ベンチでは監督の指示をすぐに選手に伝えられるよう気をつけている」と話す。本田監督も「頑張り屋で目配りができる」と褒め称える。甲子園では「選手がいいプレーができるように全力でサポートしたい」と意気込む。
(取材・撮影・文/岡田浩人 撮影/嶋田健一)