新潟県高野連は14日、来春の「第89回選抜高校野球大会」(来年3月19日開幕・甲子園)の21世紀枠の新潟県推薦校に村上桜ヶ丘高校を推薦すると発表した。村上桜ヶ丘は今秋の県大会準優勝校。北信越大会に出場したが1回戦で富山東に2対4で惜敗した。甲子園には春夏とも未出場。今後は11月21日に学校で表彰が行われ、12月16日に北信越地区5県の各候補校の中から地区代表が1校に絞られる。来年1月27日に開かれる選考委員会で全国9地区代表から3校が21世紀枠に選出される。
21世紀枠の新潟県推薦校に選ばれた村上桜ヶ丘 今秋の県大会では準優勝
村上桜ヶ丘の推薦は新潟県高野連が開催した選考委員会で満場一致で決定した。推薦理由として以下の3点を挙げている。
①困難条件の克服、地域への貢献・・・「1999年に松田忍監督が就任して以来、手つかずだった市の運動広場を借り受け、多くの人たちの協力を得ながら手作りでグラウンドを作り上げた。困難を克服し、地域連携の象徴でもあるグラウンドで練習する姿や、学校内外の清掃活動、冬期の学校周辺の除雪作業など、学校や地域に貢献する姿に、地域住民も厚い信頼と期待を寄せており、当該校の甲子園出場は地域の悲願でもある」
②最近の主な大会成績・・・「過去5年間で県大会優勝1回、準優勝3回、ベスト8が2回と近年の成績はめざましく、県内高校野球をリードする公立高校となっている。今秋の新潟県大会では、公立高校として唯一、4強以上に勝ち進み、昨年秋に続いての準優勝。2013年には春の県大会で優勝するも、夏の選手権新潟大会では、決勝で日本文理高校に惜敗。あと一歩で甲子園出場の機会に恵まれていない」
③学業と部活動の両立・・・「当該校は、創立103年を迎える伝統校であり、普通科から農業、被服、林業、電気、商業科など、時代や地域の要望に応え、いくつかの学科を設置してきた。2011年には総合学科となり、生徒の適正・能力に応じた進路実現を図るなど、地域に根ざし、キャリア教育を充実させている高校である。生徒の9割が部活動に所属し、特に陸上部、少林寺拳法部は全国大会にも度々出場するなど、各部活動が活発に活動する中、進学者も8割を越え、国公立大学へも合格者を出すなど、学業と部活動を両立させている。野球部も日々熱心に活動しながら、学業に取組み、その成果をあげている」
かつては使用されていなかった運動広場を手作りで整備 現在も練習に励んでいる
村上桜ヶ丘は過去、第78回大会(2006年)で21世紀枠の県推薦校に、第81回大会(2009年)で北信越地区推薦校に選出されているが、センバツ出場はならなかった。新潟県からは第75回大会(2003年)に柏崎が、第83回大会(2011年)に佐渡が21世紀枠でセンバツ甲子園出場を果たしている。
(取材・撮影・文/岡田浩人)