巨人の捕手として18年間を過ごし、昨季限りで現役を引退した加藤健氏(35・新発田農業高出身)が6日、高校時代を過ごした新発田市を訪れた。加藤氏は二階堂馨市長と面会し、ルートインBCリーグの新潟アルビレックスBCの球団社長補佐に就任したことを報告するとともに、「新発田の野球、スポーツを盛り上げていければ」と意気込みを話した。
二階堂馨市長(左から2人目)と面会した加藤健氏(右から2人目) 新発田農業高校時代のチームメイトで新発田市職員の高橋一成さん(左端)、松田和寿さん(右端)も同席した
加藤氏と二階堂市長との面会には、加藤氏の新発田農業高校時代のチームメイトで、ともに春夏甲子園出場を果たした新発田市職員・高橋一成さん(当時、三番・中堅手)と松田和寿さん(当時、一番・遊撃手)の2人も同席した。
新潟アルビレックスBCの球団社長補佐として、運営や営業など業務全般でアイデアを出すなど新風を期待されている加藤氏。「五十公野球場をよく使わせてもらいプロ野球選手になれた。(恩返しのために)ぜひ僕を使ってほしい」と意気込みを話した。「小学生の時に元プロ野球選手とキャッチボールをした時に、『自分もなりたい』と強く思った。野球だけでなく、子どもたちが少しでもそういう気持ちになって、新発田の野球、スポーツを盛り上げていければ」と元プロスポーツ選手として、その経験を伝えたいと意欲を見せた。
新発田市は現在、「スポーツツーリズム」を市の施策として力を入れ、去年8月には東京六大学オールスター戦を開催した。二階堂市長は「子どもたちの野球教室などをお願いできれば。我々もお手伝いできることは全面的にやる」と加藤氏の申し出を喜んだ。今後の取り組みについては、市スポーツ推進課と加藤氏の間で協議し、具体化させる方針。
「新発田を盛り上げたい」と話す加藤氏 和やかな雰囲気の中で面会はおこなわれた
チームメイトだった高橋さんは「頼りになる主将だった。身近にやれたことは一生の財産」と振り返り、「18年間本当にお疲れ様と言いたい。こうやって新潟県に帰ってきてくれるのはありがたいこと。しっかり恩返ししてほしい」と今後の加藤氏に期待を寄せた。
松田さんは「体が大きいし、肩がとにかく強かった。加藤よりすごい捕手に会ったことがない。引退は残念な思いだが、会える機会も増える。これからの活動にエールを送りたい」と笑顔を見せた。
面会後、報道陣の取材に加藤氏は「いろいろな人のおかげでここまで成長でき、何か少しでも恩返しできればと思ってきた。少しずつ地域に貢献したい」と改めて決意を新たにしていた。
(取材・撮影・文/岡田浩人)