中学硬式野球の全国大会「第23回リトルシニア全国選抜大会」に信越代表として出場した新潟シニアは27日、初戦となる2回戦で栃木下野シニアと対戦し、2対5で惜敗した。新潟シニアは中盤まで1点差で昨夏の日本選手権優勝チームに食い下がったが、終盤に突き放された。
惜敗した新潟シニア ケガで主力を欠く苦しい戦いだったが夏へ収穫もあった
◎全国選抜大会2回戦の試合結果◎
新潟シニア2-5栃木下野シニア
下野 200 003 0 =5
新潟 100 001 0 =2
(バッテリー)
下野:田中-坂本
新潟:樋口、大瀧-野本
(本塁打)
下野:大里(1回・ソロ)
◎戦評◎
新潟シニアは選抜大会は3年ぶりの出場だったが、遊撃手の河村利毅主将(巻西中)と二塁手の廣瀬航大選手(分水中)の主力2人がケガのために出場できず、苦しいオーダー編成となった。ただ最後まで全員野球で強豪相手に一歩も引かない戦いを見せた。
昨夏日本選手権で優勝している栃木下野シニア(右)と対戦
昨夏の日本選手権で優勝している栃木下野シニアを相手に、新潟シニアの先発左腕・樋口唯人投手(小針中)は立ち上がりを攻められる。先頭打者の大里侑也選手に初球を左越えソロ本塁打され先制されると、さらに四球から二盗、三盗を許し犠飛で2点目を許してしまう。
新潟シニアは1回裏、先頭の樋口選手の左中間二塁打と犠打で1死3塁とし、三番・野本稜介選手(弥彦中)の遊ゴロの間に1点を返した。
新潟シニアのエース・樋口唯人投手 初球を本塁打されたが中盤まで好投を見せた
新潟シニアは1回裏、樋口選手(写真)の二塁打から好機を作り1点を返す
1回以降は立ち直った樋口投手だったが、6回に無死2、3塁のピンチを招く。ここで二者連続三振と踏ん張ったが、四球で満塁とした後、九番打者に中前2点適時打を許してしまった。さらにこの後、先頭に二塁打を浴び、この回3点を追加されてしまった。
新潟シニアは6回裏、1死1、3塁から五番・照井翔太選手(五十嵐中)の犠飛で1点を返したが、栃木下野シニアの田中公稀投手の前に散発の5安打に抑えられた。
6回裏、新潟シニアは照井翔太選手の犠飛で1点を返す
(試合内容)
・1回表、下野が先頭の大里が初球を左越え本塁打。なお四球から二盗、三盗を決め、四番角田の犠飛でこの回2点目。
・1回裏、新潟が先頭の樋口が左中間二塁打、犠打で3塁へ。三番野本の遊ゴロの間に1点返す。
・6回表、下野は四球、右前Hで無死1、3塁。ここで新潟・樋口は二者連続三振と踏ん張るも、四球で2死満塁。ここで中前Hで2点。さらに左線二塁打でさらに1点追加。
・6回裏、新潟は1死から二飛失策と右前Hで1、3塁。五番照井の犠飛で1点返す。
・7回裏、新潟は2死から代打植木が内野安打で出塁も無得点、試合終了。
◆新潟シニア・小林元英監督代行の話◆
「樋口は立ち上がりの初球を運ばれショックだったと思う。初回は緊張からか立ち直りが遅れた。6回のピンチで二者連続三振を奪い、あと1つ思い切って行ってくれればと悔やまれる。打線は安打が5本では勝てない。ただ二遊間の中心選手を欠いていたので仕方がない。負けはグラウンドで返すしかない。1か月後にはジャイアンツカップの予選も始まる。全国の舞台で借りを返したい」
◆新潟シニア・河村利毅主将の話◆
「悔しい。初球の本塁打で動揺したが、ベンチは声が出ていた。新潟でやってきたことはできたと思う。(収穫は)これまで控えだった選手が試合に出場し気持ちを出したこと。夏までにどんないい投手からも5点を取れるように打撃を磨きたい」
◆新潟シニア・樋口唯人投手の話◆
「(初球本塁打は)スライダーが高めに行った。(狙いを)張られていた。緊張はしていないつもりだったが、緊張していたのかもしれない。立ち上がりが課題で切り替えて投げようと思っていたが、2点目を取られたことが課題として残った。(6回のピンチでは)スプリットで三振を取ったが、九番打者にスライダーを外に見せようとしたが甘く入った。夏までに点を取られない投手になりたい」
(取材・撮影・文/岡田浩人)