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【高校野球】日本文理 甲子園ベンチ入りメンバー紹介(前編)

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「第99回全国高校野球選手権大会」に新潟代表として3年ぶり9回目の出場を果たした日本文理高校のベンチ入りメンバー18人と記録員のマネージャーを前編・後編の2回に分けて紹介する。

※名前・読み方・学年・守備位置・出身中学(硬式出身チーム)・身長体重・投打


①稲垣豪人(いながき・かつと 3年・投手)
 富山・桜井中 177センチ77キロ 右投左打

右腕から140キロ超の直球、スライダー、スプリットなどを投げ込む。制球がよく大崩れしない。大井道夫監督が「稲垣で負けるならしょうがない」と言うほど信頼を置く。富山県から日本文理に入学。川村とのバッテリーで中学時代から名をはせていた。しかし甲子園への道のりは簡単ではなかった。「2年の夏に背番号1をもらったが、長岡大手戦で負けて、それが一番悔しかった」と語る。その後、冬場は「ここぞという場面に強い気持ちで投げるよう練習を重ねてきた。得点された後に大量失点しないことを気をつけてきた」。夏の新潟大会決勝では優勝を決めた瞬間、天高く腕を突き上げ、喜びを表した。しかし視線は次へと向かっている。「甲子園で活躍するためにここにきた。チームが勝つために0で抑えること。勝って文理に来てよかったと言える夏にしたい」。

②牧田龍之介(まきた・りゅうのすけ 3年・捕手)
 小針中(新潟江南シニア) 173センチ67キロ 右投右打

今春から正捕手としてマスクを被る。細身だが二塁への送球が正確で、大井監督がリードの安定感を高く評価。細やかな気遣いで、目立たないが日本文理の投手陣を支えている。「夏の大会前は不安だったが、やっと優勝できた、長かったという気持ち」と優勝の喜びを語る。小学生の時に09年夏の甲子園準優勝を見て、「新潟の野球でもここまで行けるんだ」と日本文理への進学を決めた。入学後、同期捕手に川村という存在があったが、「自分にできることは何だろうと考えた」と控え捕手として汗をかいた。外野手に転向した川村からも助言をもらいながら投手陣を盛り立てる。「自分は守備(の人)。最少失点に抑えることを目標に、感性を大事に、試合を1つ1つ勝っていきたい」と意気込む。

③松木一真(まつき・かずま 3年・一塁手)
 直江津中(上越シニア) 176センチ79キロ 右投左打

左打席から左中間、右中間に強い打球を飛ばす。新潟大会では準決勝で3安打4打点と大暴れ。優勝した瞬間、一塁の守備で喜びを爆発させた。「甲子園を決めることができ、ほっとした」。いとこが2011年春夏に日本文理で甲子園出場。準優勝した09年夏も甲子園に見に行った。小学生の時から「打撃がすごいと思っていた。日本文理に憧れていた」と日本文理への進学を決めていた。1年秋にベンチ入りもなかなか結果が出ず、「自分で這い上がるしかないと思った」。主将の笠原と個人練習を繰り返し、昨秋の北信越大会で結果を残し、今春から四番を任されるようになった。「監督は厳しいけれど期待を感じている。甲子園で少しでも長く、監督と仲間と野球がしたい」と意気込む。

④寺杣直泰(てらそま・なおひろ 3年・二塁手)
東京・武蔵野四中(調布シニア) 169センチ69キロ 右投右打

野球センス溢れる内野手。新潟大会決勝ではウイニングボールを掴んだ。その瞬間、「長かった。でも新潟にやってきてよかった」と感じた。中学時代は東京・調布シニアで主将を務めた。チームメイトで副将だったのが早稲田実の清宮幸太郎だった。「小中学の先輩が日本文理に来ていた」という縁で新潟に。1年春から内野のレギュラーを掴んだが、「甲子園への道のりは遠かった」。2年夏に敗れるとスタメン落ちを経験。「自分自身の何がダメなのかを冷静に考え直した」という。冬場は「右方向へ打つ打撃に磨きをかけた」。その結果、新潟大会でもチャンスでの打撃が光った。「日本文理の野球部は地域に愛されている。応援してくれる皆さんに打撃で恩返ししたい」。

⑤堀内真森(ほりうち・まもり 3年・三塁手)
 曽野木中(新潟シニア) 167センチ65キロ 右投左打

新潟大会では遊撃手の笠原とともに三遊間を守った。「打撃はいまいちだったが、守備でチームを引っ張ることができた」と振り返る。新潟シニアの出身。「新潟で甲子園に行けるなら日本文理しかない。14年夏の黒臺(くろだい・騎士)さんのプレーを見て、守備でも貢献できると考えた」と進学の理由を話す。内野守備には自信があったが、「文理では打てなくては生きていけない」と冬場にバットを振り込んだ。その成果が今春の練習試合で表れ、三塁手として抜てきされた。「監督から使っていただいているのでプレーで恩返ししたい。甲子園という場、そしてみんなの期待というプレッシャーを楽しみに変えてプレーしたいと笑顔を見せる。

⑥笠原遥也(かさはら・はるや 3年・遊撃手・主将)
 豊浦中(新発田シニア) 171センチ65キロ 右投左打

部員109人をまとめる主将。とりわけ3年生は57人と歴代の中でも最多の人数だったが、「仲間と一緒にチームをまとめることができてうれしかった」と振り返る。新潟大会は「2年間甲子園に行けなかった中、監督最後の夏ということもあり気合いが入っていた」。優勝の瞬間、スタンドの仲間を見て涙を流した。守備の安定感はピカ一で1年春からレギュラーとして抜てきされてきたが、甲子園出場が遠かった。昨秋以降は「日常生活から日本一になるために徹底してきた」と話す。打撃では小技も長打も打てる貴重な存在。「次の打者へつなぐ役割をしっかり果たしていきたい。監督と一日でも長く野球ができるようチーム一丸となって全国制覇を果たしたい」と力を込める。

⑦長谷川大(はせがわ・だい 3年・外野手)
 黒埼中 184センチ70キロ 右投左打

184センチの長身、俊足、強肩の外野手。左打席から広角に打てる打撃も持ち味。中学時代は黒埼中のエースとして活躍したが、日本文理入学直後の1年生の6月に外野手に転向した。「練習試合でたまたま二塁打を打ったら、監督に打撃を気に入ってもらえた」。打撃と強肩を武器に1年秋にベンチ入りを果たした。その後、公式戦で結果が出ず悩む時期もあったが、昨秋から外野のレギュラーに。細身で物腰が柔らか、温厚な性格だが芯の強さがある。「日本文理に入るきっかけを作ってくれたのは大井監督。打撃指導も熱心に教えていただいた。チーム全員で全国制覇をプレゼントしたい」と静かに闘志を燃やす。

⑧飯田涼太(いいだ・りょうた 3年・外野手)
 茨城・都和中(つくばヤング) 160センチ65キロ 右投左打

50メートルを5・9秒で駆け抜ける俊足。新潟大会は一番打者として打率・522の成績を残し打線をけん引してきた。身長160センチと小柄だが、「この身長だからこそできることがある。自分をいかせる道をずっと探してきた」という。茨城のつくばヤングで活躍後、新潟にやって来た。2年秋からレギュラーも「この春の大会で全然打てず、考え方を変えた。打てなくてもマイナスに考えず、プラスに考えられるようになった」と精神面での成長が夏の好調につながったと話す。「身長をカバーするため自主練習は最後までやるようにしてきた」という努力家。甲子園では「後ろにいい打者が続く。どんな形でも自分が出塁すれば点につながる」とダイヤモンドを駆け抜ける。

⑨川村啓真(かわむら・けいしん 3年・外野手)
 富山・桜井中 172センチ79キロ 右投左打

チームの中心打者。1年春から四番に座ったスラッガーが待ちに待った甲子園の土を踏む。「この夏は自分が今まで経験してきたこと、練習してきたことをチームに伝えることができた」。富山県から入学。大きな期待を受けながらも4季連続で甲子園出場を逃した。「甲子園に行くことはこんなにも難しいのかと感じた」。今春、捕手から外野手に専念するようになった。「チームのためには何でもする」と外野から声を張り上げた。今夏の新潟大会決勝では勝ち越しの2ランを放った。「決勝の日は曾祖母の命日だった。ひいおばあちゃん子だったので、最後の一押しをしてくれたのでは。不思議な一打だった」と振り返る。「勝つために甲子園に行く。自分の打撃をして、しっかり勝って行きたい」と甲子園での大暴れを誓う。

(取材・文/岡田浩人 撮影/嶋田健一 撮影/武山智史)


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