第130回北信越高校野球大会は10日、決勝戦がおこなわれ、日本文理(新潟1位)が富山商(富山1位)を12-7で破り優勝。昨秋に続いて2季連続で北信越大会を制覇した。日本文理の北信越制覇は4度目。新潟県勢の秋春連覇は2006年秋の日本文理、2007年春の新潟明訓で県勢連覇はあるが、同一校による秋春連覇は初めて。
強打で秋春連覇を成し遂げた日本文理
◆10日の決勝◆
富山商 301 000 300 |7
日本文理 001 001 73× |12
(バッテリー)
富商:⑩岩城、①森田-富川
文理:③小太刀、⑪藤田-鎌倉
<試合経過>
1回表、富山商が2死満塁から6番岩瀬の右中間三塁打で3点先制。
3回表、富山商が5番加藤の中前適時打で1点追加。
3回裏、日本文理が4番池田の右前適時打で1点返す。
6回裏、日本文理が5番片岡のライトフェン直三塁打、6番新井の左前適時打で1点返す。
7回表、富山商が4番轡田の適時二塁打、5番加藤の2点適時中前打で3点追加。
7回裏、日本文理が黒台の内野ゴロ失策の間に1点、小林の左越え二塁打で1点、片岡の右犠飛で1点、新井の適時打で1点、鎌倉の適時打で1点同点に。小太刀の左中間三塁打で2点を入れ逆転。
8回表、日本文理はエース飯塚がマウンドへ。三者凡退に打ち取る。
8回裏、日本文理が4番池田の中前適時打、7番鎌倉の遊ゴロ適時内野安打などで3点を追加。
9回表、日本文理の飯塚が富山商打線の攻撃を3人で抑え試合終了。日本文理が秋春北信越制覇を達成。
日本文理の先発③小太刀緒飛投手
日本文理の2番手⑪藤田優平投手
6回裏、日本文理5番片岡優斗選手が右越え三塁打で出塁
6回裏、6番新井充選手が左前適時打で1点返す
7回裏、日本文理3番小林将也選手が左越え二塁打で1点
7回裏、日本文理が7番鎌倉航選手の三遊間破る左前適時打で同点に追い付く
富山商は7回裏、エース左腕①森田駿哉投手を投入
7回裏、8番小太刀緒飛選手が左中間へ2点適時三塁打を放ち逆転
日本文理は8回からエース①飯塚悟史投手が登板
試合終了の瞬間 日本文理が秋春連覇を達成
◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「監督が思っていたよりも選手の力があった。普通なら負けゲーム。7点取るというのは(09年夏の甲子園で)準優勝したチームが秋の北信越大会で富山商相手にひっくり返した(註:08年秋の北信越決勝で日本文理が6点差を逆転し10-7で優勝)試合を思い出した。ベンチで感慨深かった。次につなごうと選手が考えていた。(投手の出来は)小太刀は力み過ぎた。いい経験になったと思う。(7回に逆転打を打って)小太刀はきょう責任を感じていたみたいだから本人が一番ほっとしたのでは。(北信越大会を振り返って)正直いい勉強になると思っていたが想像以上に打った。褒めてあげたい。(飯塚投入は)勝ち試合になった行くぞと言っていた。(飯塚以外の投手に課題が残った?)課題だね。夏までに時間があるのでもう少し練習が必要。飯塚以外の2番手、3番手をしっかり作ること。春選抜で負けたので、甲子園でリベンジしたいというのが私も選手もそういう思い」
◇日本文理・池田貴将主将の話◇
「序盤にリードを許されて苦しい展開になったが、終盤に持ち味のバッティングが見せられて良かった。焦りはなくて1点ずつ返していこうと。その結果が大量点につながったと思う。(自身は)4番の仕事ができて良かった。勝てたことが良かった。本番は夏なのでしっかりやっていきたい。県大会を勝ち抜いて、甲子園に行って全国優勝をすることが目標なので、それを成し遂げられるよう頑張りたい」
◇日本文理・飯塚悟史選手の話◇
「去年秋に優勝して、ことしの春も優勝という目標だったので達成できて嬉しい。きょうは初回から行けるように作っていた。(7回は)監督から準備しろと言われていた。体がキレていて、腕も振ることができた。変化球が多めだったがしっかり投げ切ることができ良かった。夏に向けて弾みにしたい大会だったので、3試合とも2桁得点できたのは大きい。(夏に向けて)気温も高い中での試合が多くなるので、暑さ対策をしっかりして投げ切れる体力を付けていきたい」
◇日本文理・小太刀緒飛選手の話◇
「(先発して3回途中で降板)追い込んでから慎重になり過ぎ、四球を出して悪い流れになった。(7回の逆転打は)代わりっぱなだったので叩いていこうと。投球練習を見て直球を張っていこうと思っていた。しっかり引きつけて打つことができた。ピッチングを取り返してやろうという気持ちしかなかった。そういう状況を作ってくれた周りの仲間に感謝したい。投手として夏に向けて奮起したい」
(取材・撮影・文/岡田浩人)