ルートインBCリーグの新潟アルビレックスBCは6日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで新入団選手の発表会見を開いた。トライアウトなどを経て入団が決まった7選手が出席し、「NPB入りを目指したい」など、それぞれ抱負を述べた。また総合コーチ就任が決まった前ヤクルトコーチの橋上秀樹氏(54)も記者会見し、「NPBで活躍できる選手を育成したい」と意気込みを語った。
新入団選手の前列左から田村颯瀬、大橋輝一、山河楓
後列左から古田青依、奥田昇大、清水章夫監督、松島恒陽、金子蓮
新入団選手は球団の特別合格枠や11月に実施されたトライアウト(入団テスト)とBCLドラフト会議の結果を経て、入団が決まった。会見で池田拓史球団社長は「2016年から4年連続でNPBドラフト会議で指名される選手を輩出している。NPBで戦力になれる人材育成に球団として取り組みたい」と方針を話し、清水章夫監督は「この縁を大切に、お互いに野球の技術、人間性を高めていきたい」とあいさつした。
新潟県内からは今夏の高校野球・新潟大会で準優勝の東京学館新潟高校のエース左腕・田村颯瀬(17)とベスト8だった北越高校の遊撃手・大橋輝一(18)の高校生2人が入団する。7選手のプロフィールと会見での言葉は以下の通り。
田村颯瀬(たむら・はやせ)投手 17歳 新潟市出身 東京学館新潟高 175㎝80㎏ 左投げ左打ち 背番号17
「自分の投球に磨きをかけ、試合で貢献できるようにしたい。サポーターに自分のプレーで元気を与えられる投手になりたい。右打者へ投げる内角の直球が強み。高校の長谷(和昭)監督からアルビレックスを紹介してもらい、8月終わりくらいから目指すことを決めた。このチームから4年連続でNPBにドラフトで選手を輩出しているので自分も目指したい。チームの印象は、今年サポーター感謝デーのイベントに行ったが、サポーターとの距離が近く、明るく、印象がよかった」
大橋輝一(おおはし・きいち)内野手 18歳 新潟市出身 北越高 175㎝77㎏ 右投げ右打ち 背番号13
「今、ここに立てていることに感謝し、安定感のある選手を目指し、地元に恩返しできるよう頑張りたい。右方向へ打てる打撃、守備での足さばきとハンドリングが武器。今年3月くらいから地元球団に入りたいと思い練習してきた。新潟でたくさんの人に支えてもらってきたので、その恩返しをしたい。チームの印象は、何度か試合を見に来ているが、サポーターと選手の距離が近く、いい印象を持っている」
山河楓(やまかわ・かえで)内野手 18歳 兵庫県出身 神戸弘陵高 182㎝90㎏ 右投げ右打ち 背番号5
「1年目からレギュラーを獲るつもりで勝負し、NPBスカウトに注目されるように頑張りたい。監督、コーチ、先輩たちから可愛がられるような選手になりたい。新潟のサポーターに愛される選手になりたい。体をいかした長打力と広角に打てる打撃が強み。チームの印象は、1人1人の選手の意識が高い。野球だけでなく私生活も意識が高いと聞いている。自分もその一員になりたい」
古田青依(ふるた・あおい)投手 21歳 埼玉県出身 小川高-駿河台大 178㎝78㎏ 右投げ右打ち 背番号20
「アンダースローが武器。ソフトバンクで活躍している高橋礼投手のような本格派のアンダースローを目指し活躍したい。サポーターや新潟の皆さんに感謝の気持ちを持ってプレーしたい。浮き上がる直球を武器に強気の投球をしたい。チームの印象は選手1人1人がそろっている。早くその一員になれるよう頑張りたい」
奥田昇大(おくだ・しょうだい)捕手 22歳 神奈川県出身 本庄第一高-立正大 170㎝76㎏ 右投げ右打ち 背番号56
「大学時代の監督に扇の要と言われ、勝敗を左右するのは捕手と言われてきた。体は小さいが自分の名前にあるように昇りつめて大きな存在になれるような捕手になりたい。56番という背番号は歴代すごい存在の人がつけてきた。自分も負けないように頑張りたい。肩の強さとパンチのある打撃が武器。足も注目してほしい。チームの印象は、2人先輩がいてサポーターの皆さんが温かいと聞いている。(アルビOBの青木智史コーチから)大学時代に厳しい言葉、優しい言葉をかけてもらってきた。恩返ししたい気持ちがある。本塁打数などサポーターの印象に残るよう、全部の記録を越えていきたい」
松島恒陽(まつしま・こうよう)内野手 22歳 大阪府出身 履正社高-関西大 172㎝78㎏ 右投げ右打ち 背番号7
「野球ができることに感謝し、全力でチームに貢献できるよう頑張りたい。この体で長打を打てることが強み。チームの印象は層が厚い。自分が成長できる場だと思う」
金子蓮(かねこ・れん)投手 23歳 埼玉県出身 長崎日大高-城西国際大-SUNホールディングス 180㎝78㎏ 右投げ右打ち 背番号19
「即戦力として先発、中継ぎ、抑えとどのポジションでもこなしていけるような選手になりたい。ひとつでも多く、新潟を活気づけられるようなプレーをし、応援される選手になりたい。変化球が強みでタテのスライダーが武器。チームの印象は、試合中も練習中も雰囲気がいいと聞いている」
◎新潟アルビレックスBCの新入団選手会見 動画◎
◎橋上秀樹総合コーチ「NPBで活躍する選手育成を」◎
左から池田拓史球団社長、清水章夫監督、橋上秀樹総合コーチ、稲葉大樹選手兼任野手コーチ
新潟アルビレックスBCは6日、来季の首脳陣体制も併せて発表した。総合コーチに前ヤクルト二軍チーフコーチの橋上秀樹氏(54)の就任を発表。橋上氏は指導者や選手育成のための助言を行う「チーム強化アドバイザー」も兼任し、非常勤で総合コーチを務める。
総合コーチ就任が決まった橋上秀樹氏(54)はNPBでのコーチ経験から「独立リーグからNPBに入ることで満足している選手がいる印象を受ける。NPBに入る以上は成績を残して高い給料をもらえる選手になってほしい。そういう選手を育成したい」と意気込みを話した。その上で「清水監督が指導しやすい環境をつくりたい。非常勤だができる限り足を運び、選手の役に立ちたい」と話した。
9シーズンぶりに新潟のユニフォームを着ることになった橋上氏
橋上氏は2011年に監督を務めた経験を持つが、「もう一度新潟で指導したかった。前回は私のわがまま(巨人コーチ就任)で1年で終わってしまった。独立リーグ日本一まで手が届かなかった。まだまだやり残したことがある中、体が動くうちに達成できればという思いがあった」と再び新潟に帰ってくる決意の背景を説明した。
来季2季目となる清水章夫監督(44)は「今季は前期、後期ともに2位という成績で悔しかった。来季は橋上コーチに力を借りて日本一を獲れるようにしたい。橋上コーチとは(日本ハムで)2年間一緒にプレーさせてもらい、まさか20数年後に一緒にグラウンドに立てると思っていなかった。一野球人として人間性など学ばせてもらいたい」と期待を寄せた。
来季14年目の現役生活を迎える選手兼任の稲葉大樹野手コーチ(35)は「11年シーズンに一緒にやらせていただいた橋上コーチと一緒にできることは心強い。あの時、すごい数のバットを振った経験があったからこそ、ここまで現役でいることができた。また一緒に強い球団を作りたい」と目を輝かせた。
◎新潟アルビレックスBC2020年シーズン首脳陣決定会見 動画◎
来季14年目のシーズンとなるBCリーグは4月11日(土)が予定されている。全体練習となるキャンプ解禁日は3月14日(土)以降の予定。
(取材・撮影・文/岡田浩人)