夏の甲子園大会が中止となったことを受けて開催された独自大会「新潟県高校夏季野球大会」を制した中越高校の選手たちが28日、長岡市のアオーレ長岡を訪れ、磯田達伸市長に優勝を報告した。3年生の廣瀬航大主将は「代替大会で必ず優勝しようという強い気持ちで臨んだ結果が優勝につながった」と振り返り、磯田市長は「コロナ禍の中、市民がまたこれから頑張っていこうという気持ちになったと思う」と祝福した。
磯田長岡市長に優勝報告をした中越ナイン
優勝報告には3年生の選手とマネージャーを中心に28人が出席した。中越は新潟県独自大会である夏季大会で優勝した。夏の大会の優勝は2年ぶり。
本田仁哉監督は「甲子園が中止になった時、かける言葉が見つからなかった。ただそこで言葉を振り絞り、『この夏の苦しさを乗り越えたから、今の自分がある、と10年後、20年後に胸を張って言い合えるようにしよう』と言った」と戦後初の甲子園大会中止の現実に向き合った際の気持ちを話した。その上で夏季大会について「決勝ではライバル日本文理に対し、目に見える実力だけでなく、目に見えない力を出し切るため、先発メンバーを3年生に決めてもらった。高校生が自分たちで考え、力を発揮して、野球を通じ、試合を通じて成長していく力こそ何物にも代えられない力となった」と振り返った。
廣瀬航大主将は「日本一という目標に向かってやってきたが、(甲子園中止が決まり)日本一を成し遂げられない悔しさがあった」と振り返り、「代替大会で必ず優勝しようという強い気持ちで臨んだ結果が優勝につながった。日本一という目標は1、2年生が必ず成し遂げてくれると思う」と述べた。
磯田市長は「戦後初めて、長岡花火大会が中止になった。落胆していた中で頑張る若者がいることを示してくれた。コロナ禍の中、市民がまたこれから頑張っていこうという気持ちになったと思う。市民を代表して感謝したい」と選手を称え、優勝を祝福した。
◎中越ナインが長岡市長に優勝報告 動画(約30分)◎
◎エース・佐藤旦有夢投手「模範となれるよう」…社会人経てプロ入り目指す◎
エースの佐藤旦有夢(あゆむ)投手は取材に対し「地域の皆さんからお祝いされてうれしい」と優勝報告ができたことを喜んだ。「(夏の優勝投手として)名前が歴史に刻まれる。成し遂げたからには人生で模範となれるように頑張りたい」と決意を示した。
進路についての取材に応じる佐藤旦有夢(あゆむ)投手
その上で注目される卒業後の進路について「最終的な目標はプロ野球選手になり、長く活躍すること」と話す一方、「(プロ志望届は)出さないで次のステップへ進む」と高卒でのプロ入りではなく、社会人チームを経由して、3年後のプロ入りを目指す考えを明らかにした。
(取材・撮影・文/岡田浩人)
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