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【高校野球】日本文理 ベンチ入りメンバー紹介①

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【日本文理 ベンチ入りメンバー紹介①】

①飯塚悟史(3年・投手) 直江津中 185センチ76キロ 右投左打

最速145キロの直球と切れのいいスライダーなどの変化球を操る。大器として期待され入学し、1年夏には早くもベンチ入り。1年秋からはエースナンバー「1」を背負うも、北信越大会1回戦の松商学園戦で大量失点し挫折を味わう。以降、度重なるケガもあり、「1年秋から2年生の間はなかなか上がって来ることができず苦しかった」と振り返る。昨秋の北信越大会で優勝。ようやく大黒柱としての本領を発揮し始める。神宮大会ではバックスクリーン越えを含む3本塁打で打者として注目を集めるが、「投手として注目されたい」とこの冬はフォーム改造に取り組み、課題の制球難を克服した。今春の選抜大会で初戦負けも、「ピッチングとはこういうものなのかと気が付けた試合。選抜での投球が自分に自信を持たせてくれた」と話す。その後は安定感のある投球で「ようやく背番号1になれた」と笑顔を見せる。3季目の登板となる甲子園のマウンド。「甲子園で勝つために文理に来た。まず1勝。甲子園で勝たなければいけない」と決意を込める。「初回、先頭打者、最終回、最後の打者、切れ目切れ目を抑えることが大事」と自らに言い聞かせる。

②鎌倉航(3年・捕手) 直江津中 166センチ71キロ 右投右打

エースの飯塚と中学時代からバッテリーを組む。「甲子園を目指して」日本文理に進学した。捕球から送球までが素早く、容易に盗塁を許さない。相手打者の狙い球を事前に察知し、その裏をかくリードに定評がある。打者としては下位に座るが、神宮大会で本塁打を放ったように意外性のある打者でもある。初めて背番号2を付けた1年秋の北信越大会1回戦で松商学園を相手に0-15で5回コールド負け。序盤の失点に「周りが見えなくなった」と自らもホームベースを空けるミスで追加点を奪われた。「気が付いたら試合が終わっていた。精神的に未熟だった。あの試合が原点」と語る。以降、どんな場面でも冷静に状況を分析し、プレーすることを心掛けている。今春の選抜大会では9回裏に自らの送球ミスで同点に追いつかれ逆転負け。悔しさを甲子園に残してきた。「キャッチボールから意識してしっかり取り組んできた。やってきたことを甲子園でしっかり出せればいい」とリベンジを誓う。「受け身になったら勝てない。初戦で流れに乗っていきたい」と甲子園での勝利に向け、冷静に投手陣をリードする。

③片岡優斗(3年・一塁手) 味方中 183センチ82キロ 右投右打

大きな体からゆったりとした構え、そして獲物に狙いを定めるかのような姿勢でピッチャーの投球を待つ。そしてフルスイング。その打球の速さと長打力が片岡の魅力だ。そんな片岡が背番号を勝ち取ったのは僅か2か月前。それまでは「メンバー外」として試合にすら出ることができなかった。「正直、腐っていなかったかというとウソになる。メンバーにも負けたくないという思いで自主練習にも取り組んできた」。夜遅くまで同じメンバー外の部員たちとひたすらバットを振り込んできた。その練習態度を見込まれ、6月の北信越大会で背番号16を与えられる。準決勝の春江工・坂井戦で先発デビューを果たすと、いきなりフェンス直撃の二塁打を放つ。その時、我が事のようにスタンドで喜ぶ3年生のメンバー外の部員たちの姿を目に焼き付けた。「みんなから支えてもらって、声援をもらって、本当に感謝しています」。その後も起用に応えた片岡は新潟大会でも結果を出し続け、甲子園では遂に1ケタの背番号3を勝ち取った。「番号が1ケタになって求められるものが大きい。気負うのではなく強気で立ち向かいたい」と話す。「甲子園では一打席一打席を大事に、その中で自分の特徴である長打力を見せたい。一緒に練習をしてくれたメンバー外の部員のためにも甲子園で結果を出したい」。片岡の感謝の気持ちを込めた打球の行方に注目である。

④新井充(3年・二塁手) 糸魚川中身 170センチ66キロ 右投右打

二塁手としてグラブさばきに定評がある。糸魚川市の出身。中学3年生の時に選ばれたKボールの新潟県選抜で、のちにチームメイトとなる飯塚や鎌倉と出会う。全国大会で準優勝を遂げ、「高いレベルでやりたいと思った」と日本文理への進学を決めた。親元を離れた寮生活で、仲間とともに成長することができた。現在は寮長も務める。今春の選抜大会では得点のチャンスで三振し、エラーもした。選抜後はメンバーから外された。「悔しかった。鈴木(崇)コーチから『甲子園でエラーをした悔しさを知っているのはお前だけだ』と叱咤され、レギュラーを取り返さなければと思った」という。それから課題だった打撃に力を注いだ。「とにかくスイング力を上げないといけない」。6時半から始まる朝練習の前に、5時半から仲間とティー打撃をしてバットを振り込んできた。その結果、再びレギュラーに返り咲いた。夏の新潟大会では打率.529とチーム一の打率を残した。「春の選抜でチャンスで打てなかったので、新潟大会ではチャンスで思い切りいこうと決めていた」。新潟で結果は残した。あと残るは甲子園での雪辱だけ。「相手がどこであろうと今までやってきたことをやるだけ。チーム打撃をやっていきたい」とチームへの貢献を心に決めている。

⑤池田貴将(3年・三塁手/主将) 十日町南中 170センチ80キロ 右投右打

新潟大会の決勝。ネクストバッターズサークルで小太刀のサヨナラホームランを見届けると、誰よりも大きな声で喜びを表し、そして人目もはばからず涙した。「勝って泣いたのは生まれて初めて」と話した池田。新チーム結成からチームを1つにまとめるために誰よりも苦労してきた。「このチームの中心は池田」と誰もが認めるのは、池田が4番打者で三塁手であるからではない。大井監督が「歴代のキャプテンの中でもリーダーシップはトップクラス」と絶大な信頼を寄せるように、絶えずチームの状況に目を配り、大声でチームを鼓舞し、チームを引っ張っている存在であるため。部員の誰もが池田の言葉に耳を傾ける。6月の北信越大会前、メンバーである3年生とメンバー外の3年生とで練習に取り組む意識に差が出始めた。練習後、3年生を集め「みんなで戦わなければ夏は勝てない」と力説した。その結果、スタンドとベンチが1つになるチームが出来上がった。「プレーヤーとして苦しいことは1つもなかった。苦しかったのはチームをまとめること。でも、今やり残したことは何もない」と言い切る。春の選抜までは「全国制覇」という言葉を使って目標を表していたが、その後使うのを止めた。「『制覇』と言うと頂点のそこしか見ていないような気がした。選抜の1回戦で負けて、目の前の1つ1つの勝利の積み重ねることが大事だと思った」と考え、今は目標を問われると全国『優勝』と表現するようになった。言葉を大事にしてきたキャプテンらしい。「新潟県88チームの代表として全力プレーをしてしっかり勝ちたい」とライバルたちの思いも、メンバー外の思いも背負って戦う。「まずは初戦に勝って、その積み重ねでいきたい。4番として自分が打たないと勢いづかない。新潟大会は3番の小太刀が決めてくれた。甲子園では大事な場面で絶対に自分に打席が回ってくる。チャンスで勝利につながる一打を打ちたい」。チームを勝利へ導こうという執念は誰よりも強い。

(取材・文/岡田浩人 撮影/嶋田健一 文中敬称略)


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