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【高校野球】日本文理 ベンチ入りメンバー紹介②

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【日本文理 ベンチ入りメンバー紹介②】

⑥黒臺騎士(3年・遊撃手) 兵庫・報徳学園中 170センチ60キロ 右投右打

田中将大投手などを輩出した兵庫県の硬式野球チーム「宝塚ボーイズ」出身。「関西からやって来て、地元の甲子園に戻れるのが嬉しい」と喜ぶ。「野球と勉強を両立させたい」と日本文理への進学を選択した。「くろだいないと」という珍しい名前はすぐに監督やチームメイトに憶えてもらった。遊撃の守備と強肩を買われ、1年からベンチ入り。ただ打撃には課題があった。「春の選抜では6打数0安打で結果を残せなかった。春以降、一球の大切さを心掛けるようにした」結果、つなぐ2番打者として新潟大会は「自分でもびっくり」という打率.526と高打率を残した。決勝では9回裏に四球を選び小太刀のサヨナラホームランを呼び込んだ。「自分は大きな当たりを打てる選手ではない。単打単打、つなぐ意識で相手を嫌がらせることできれば」と常に考えている。甲子園では「2番打者として3番、4番にいい形でつなげられるよう。守備では飯塚を助けたい」と心に決めている。つなぐ野球を掲げる日本文理の「いやらしい」二番打者として、地元・甲子園でその存在感を発揮する。

⑦小林将也(3年・外野手) 紫雲寺中 180センチ80キロ 右投右打

新潟大会の決勝で2本の二塁打を放った長打力が持ち味。中学時代は新発田シニアで4番打者。「文理は打撃のチーム。自分の力がどれだけ通用するか確かめたかった」と進学を決めた。1年秋には4番打者に起用されるも「あの時は何も考えずに振っていた」と話す通り、直球をとらえることはできるが、変化球を打つのが苦手だった。その後、打順も下がった。「学年が上がるにつれていろいろと考えすぎるようになった」と振り返る。今春の選抜大会以降はレギュラーからも外された。その時に励ましてくれたのが仲間だった。「お前が出ないとダメだろと言われて・・・信頼されているんだと嬉しかった」。そこから自主練習で仲間にアドバイスを求めた。「自分のバッティングにアドバイスをもらった。3年生全員に支えられて夏に持ち直すことができた」と仲間への感謝を忘れない。この夏は「何も考えずに来た球をしっかりととらえることができた」結果、「新潟大会の決勝で打った2本の二塁打はどちらも変化球で体が自然に反応した。そういう点では成長できたと思う」と充実の表情を見せる。「甲子園に出てくる投手は失投が少ない。その少ない失投をいかにとらえることができるか。小さくならずにどんな球にもフルスイングできるようにしたい」と聖地で自慢の長打を披露するつもりだ。

⑧小太刀緒飛(3年・投手・外野手) 栃木・作新学院中 179センチ72キロ 左投左打

俊足巧打の3番打者。新潟大会決勝で逆転サヨナラホームランを放ち、一躍時の人に。取材が殺到するも「目標に向かってやっていることを忘れず、自分が話している内容をプラスにとらえたい」と話す。栃木県出身。栃木ヤングベースボールクラブで投手を務めた。作新学院中では学業成績が優秀で、「部活も学業も両立できる県外の高校の進学を考えた」と話す。日本文理の練習を見学し、その雰囲気を感じ進学を決めた。名前は「おとわ」と読む。「自分を支えてくれる仲間と一緒に力を合わせながら、広い世界に飛び立ってほしい」という両親の願いが込められている。2年春には背番号1を背負い、投手の中心として活躍も、新チームではその足と巧打を買われ、野手としての出場が多くなった。昨秋の神宮大会決勝では一塁手として捕球ミス。その後の逆転負けのきっかけを作ってしまった。「自分のせいで負けた。野球をやっていて経験したことがないほどのショックを受けた」と初めての挫折を味わった。しかし「それまでは失敗しちゃいけない、失敗したくないという気持ちが強かったが、失敗しなきゃ人は成長しないということが高校野球で味わって分かった。あの神宮の失敗があって、あれをどう生かすかを考えて冬を過ごした」と言う。私生活から自分を厳しく律した。誰よりも一球に対する集中力を磨いた。その結果が新潟大会決勝での逆転サヨナラホームランにつながったように見える。「新潟大会はもう終わったこと。自分たちが掲げていること(全国優勝)は普通のことではない。だから普通のことをしていては勝てない」と甲子園での戦いに向け気を引き締める。

⑨星兼太(2年・外野手) 見附中 177センチ73キロ 左投左打

パンチ力のあるトップバッターとして、日本文理の攻撃の切り込み隊長役を務める。中学時代はシニアの日本代表として活躍し、世界大会でベストナインにも選ばれた逸材。1年入学直後の練習試合で3打席連続ホームランを叩き込み、首脳陣や部員たちの度肝を抜いた。以来、ずっとベンチ入りし、2年生ながら今回が3度目の甲子園となる。「燃えてきている」と静かな口調で闘志を燃やす。新潟大会では準々決勝以降当たりが止まった。「3年生が打ってつないでくれて優勝することができた。先輩たちに助けてもらった」と感謝する。春の選抜甲子園では先制二塁打を放つも、「1番打者としての仕事ができなかった」と振り返る。迎えるこの夏の甲子園では「自分が先頭で打てばチームは勢いに乗る。自分が出塁してチームに勢いを付けたい」と意気込む。「一番として初回から打って成長したというところを見てもらいたい」。思い切りのいい星本来の打撃が甲子園で爆発するのを見たい。

(取材・文/岡田浩人 撮影/嶋田健一 文中敬称略)


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