ルートインBCリーグの新潟アルビレックスBCは8日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで元巨人・桑田真澄さん(47)を一日臨時コーチに迎えて練習をおこなった。桑田さんはこれまで同球場での新潟の主催試合で2度始球式をおこなっているが、一日臨時コーチを務めるのは初めて。午前中は投手陣を、午後は野手陣を中心に指導した。桑田さんは「野球はいろいろは方法があり、正解はたくさんある。自分に合った方法を見つけてほしい」と選手に語り掛けた。
新潟アルビレックスBCの選手を前に挨拶する桑田真澄さん(左)
桑田さんの指導は今季から長男の真樹選手が入団したことがきっかけで実現した。投手陣を中心に指導した桑田さんはキャッチボールから下半身を使った体重移動とボールへの力の伝え方を強調。自らボールを投げて実演してみせた。その後、投手陣のブルペン投球を見つめた桑田さんは1人1人に声をかけながらアドバイスを送った。
下半身の体重移動でボールへの力の伝え方を実演してみせる桑田さん(右)
ルーキーの前川哲投手(左・新潟産大附高出身)に体の使い方を指導する桑田さん
指導を受けた塚田晃平投手(25)は「『投球フォームにメリハリをつけると打者のタイミングを外せる』とアドバイスを受けた。体の開きが早いという欠点について疑問を尋ねたら、『投手は両目で打者を見がちなので、左目だけで見れば体が開かない』と言われて納得できた。練習をしていきたい」と感想を話した。渡辺雄大投手(23・中越高出身)は「体重移動や上半身の脱力などいろいろな話を聞くことができて、今までよりも楽にいい球を投げることができた。憧れていた投手から直接指導を受けて幸せだった。きょうのアドバイスを自分なりに考えて今後やっていきたい」と話した。
指導を終えた桑田さんは「息子がお世話になっていること、赤堀監督とも現役時代ライバルとして戦っていることで、野球人として何らかの協力をしたかった。力のある選手たちにさらにレベルアップするための『気づき』を与えたかった。いろいろな方法があり、正解はたくさんある。1つ言えることは『たくさん練習したり長時間練習したら上手くなる』というスポーツ界の格言は絶対に違うと僕は思う。もしそうならば皆が上手くなっているはず。そうではなく、動きのコツをいち早く掴むことが大事だと思う。きょうは選手にちょっとしたコツを見つけてもらえたなら嬉しい。選手はそれぞれ長所を持っている。プロは自分らしさ、自分の長所をいかにいかすかが大事でそこを磨くことがNPBへの近道。投手が使える道具、エネルギーは自分の体重だけ。それをうまく使いながらボールに体重を乗せること。それを意識するだけでも変わると思う。(今後の指導については)野球が好きなのでチャンスがあればまた来たいし、選手が成長した姿を見てみたい」と話した。
新潟は東地区で前期優勝を飾ったものの、後期はここまで1勝2敗と負けが先行している。9日から4日間で3試合を敵地で戦う。9日は群馬ダイヤモンドペガサスと、11日は武蔵ヒートベアーズと、12日は福島ホープスと対戦する。また13日は午後6時30分からハードオフ・エコスタジアムで楽天ファームとの交流戦をおこなう。
(取材・撮影・文/岡田浩人)