読売巨人軍への入団が決まった新潟明訓高校OBの池田駿投手(24・ヤマハ)を祝おうと新潟明訓高校野球部OBによる「巨人軍入団を祝う会」が25日、新潟市内のホテルで開催された。佐藤和也前監督やOB、池田投手の同期を含む約120人が出席。池田投手は「息の長い選手になりたい」とプロでの活躍を誓った。
出席者の巨人ファンの子どもから花束を贈呈される池田駿投手(右)
祝う会では新潟明訓の本間健治郎監督が「高校生はたくましさと計り知れないエネルギーを持っている。そのことを池田くんは身をもって示してくれた。彼の持っている明るさ、素直さ、バイタリティーが高校生の可能性を切り開いてくれる。我々も野球部員たちとともに全力で甲子園を目指して練習に励むことで、池田くんのこれからを応援したい」と激励。また小林則幸出雲崎町長が「池田投手の巨人入りは今年の町のトップニュース。町を挙げて後援したい」と祝意を表した。
新潟明訓高の本間健治郎監督が激励
新潟明訓の前監督で新潟医療福祉大の佐藤和也監督は「入学時は体は硬い、コントロールはない・・・とてもプロに行くとは思わなかった」と振り返り、会場の笑いを誘った。その上で、社会人で努力を重ね、今秋の日本選手権で優勝したことに触れ、「プロでも日本一を目指してほしい」と期待を寄せた。
池田投手の高校時代について笑顔で振り返る佐藤和也前監督
会場には1991年夏の甲子園初出場時のエースで広島カープで活躍した小林幹英広島投手コーチも出席するなど、新潟明訓の野球部OBが顔を揃えた。
池田投手のチームメイトで高校時代の主将・田村昌大さん(北陸ガス)は「甲子園では素晴らしい活躍でベスト8に連れて行ってもらった。大学の東都リーグ戦でも対戦した。同期はみんな尊敬しているし、プロに入ってうれしい」と仲間のプロ入りを喜んだ。
佐藤前監督と話す小林幹英広島投手コーチ(左)
2010年夏の甲子園ベスト8メンバーである田村昌大さん(右)が激励
得意のピアノを演奏した池田投手 中3から独学で習得したとは思えない腕前を披露
会の途中で池田投手は得意のピアノ演奏を披露。中学3年生から独学で始め、「気分転換をしたい時などに弾いてきた」。今では楽譜があれば曲が弾けるようになるまで上達したという。壇上からお気に入りの曲である「わたしのマーガレット」を演奏すると、会場から大きな拍手が送られた。
会の最後に挨拶に立った池田投手は「本日はお忙しい中、僕のピアノリサイタルにお越しいただきありがとうございます」と挨拶し、会場を笑わせた後、「高校3年生の時に甲子園に行くことができたが、チームメイトに助けられていい経験をさせてもらった。来年からはプロの厳しい世界に入るが、小林幹英さんのように息の長い選手になりたい。これからも努力を続けたい」とプロでの決意を話した。
池田投手は年明けの1月6日に神奈川県川崎市の巨人軍寮に入寮し、9日から読売ジャイアンツ球場で始まる新人合同自主トレに備える。池田投手は「合同自主トレから体の強さや足の速さをアピールしたい。開幕一軍スタートのためには2月のキャンプで一軍スタートすることが重要」と力を込めた。
◎池田&笠原の2人が初対面 佐藤和也監督の教え子同士◎
25日午前、巨人入りする池田駿投手(24)と中日入りする笠原祥太郎投手(21)が新潟市北区の新潟医療福祉大を訪問し、佐藤和也監督に挨拶した。池田投手と笠原投手はこれが初対面。恩師の佐藤監督から2人に贈る言葉が入った色紙が贈られた。
色紙を手にした3人 左から笠原祥太郎投手、佐藤和也監督、池田駿投手
池田、笠原両左腕ともに佐藤監督の教え子。池田投手は新潟明訓高校時代の3年間、笠原投手は新潟医療福祉大の4年間、ともに指導を受けた。初対面となった2人だが、池田投手は「(笠原の)名前はニュースで聞いていた」と言い、笠原投手は「高校1年生の夏の大会で明訓と戦い負けた。ベンチ外だったがよく覚えている」と話した。
佐藤監督は笠原投手に「自信」、池田投手に「冷静」と記した色紙をプレゼント。「池田は試合中の『冷静』さがポイント。日本選手権の決勝では見事なくらい冷静な投球だった。プロでもあの試合のように投げることができれば」と理由を説明。「笠原は秋のリーグ戦の最後の上武大戦(0対1で負け)で自信を取り戻し投げることができた。あの自信があればプロでも大丈夫」と話した。その上で2人に対し、「ここがゴールではない。プロに入ったからと言って気持ちで慌てることなく、じっくりと体を作って息の長い投手になってほしい」と激励。互いにセ・リーグのチームであり、「対戦したら試合を見に行くよ」と笑顔を見せた。
3人は約1時間、新潟医療福祉大の佐藤監督の研究室で思い出話に花を咲かせた
(取材・撮影・文/岡田浩人)