ルートインBCリーグの新潟アルビレックスBCは24日、長岡市悠久山球場で武蔵ヒートベアーズと対戦し、延長11回、4対2でサヨナラ勝ちした。新潟は2対1とリードして迎えた9回に追い付かれたが、11回に選手兼任コーチの稲葉大樹のサヨナラ2点本塁打で試合を決めた。新潟の前期成績は5勝2敗1分で東地区首位。次戦は29日(祝・金)13時から新潟市のハードオフ・エコスタジアムで福島ホープスと対戦する。
延長11回、新潟が稲葉大樹選手兼任コーチの右越え2点本塁打でサヨナラ勝ち
サヨナラのホームに還り、チームメイトに祝福される稲葉兼任コーチ(中央)
◎25日の試合結果◎
新潟4-2武蔵
武蔵 010 000 001 00 =2
新潟 100 000 100 02× =4
(バッテリー)
新潟:前川、知念、雨宮、○中西(3勝)-宮沢
武蔵:久保田、アーロン、本田、永田、村田、●海老沼-西脇
(本塁打)
新潟:稲葉(2点・11回)
新潟の先発・前川哲投手(新潟産大附高) プロ最長の7回2/3を投げ1失点の好投
7回、新潟が1死3塁から野呂大樹選手の中犠飛で1点を勝ち越す
延長10回から中西啓太投手が登板 走者を出しながらも2回を投げ無失点で3勝目
声援を背に試合を決めた稲葉兼任コーチ BC初年度から残る唯一の選手である
◎戦評◎
新潟が今季初のサヨナラ勝ち。2連勝で東地区の首位固めに入った。
新潟は1回、走者3塁から3番・ジョージの内野ゴロの間に1点を先制。2回に同点に追いつかれたが、7回に1番・野呂の犠飛で勝ち越した。
新潟の先発・前川は変化球を低めに集めて打たせて取る投球が冴え、プロ最長となる7回2/3を投げ、被安打4、失点1と安定した内容だった。ただ9回に抑えの雨宮が3本の長短打を浴び同点に追いつかれた。
延長11回、新潟は走者1人を置いて途中出場の稲葉が走者2塁から右越え2点本塁打を放ちサヨナラ勝ち。熱戦に終止符を打った。
◇新潟・赤堀元之監督の話◇
「最後の最後に稲葉が打ってくれたので、いい勝利だった。打った瞬間に外野の頭を抜けるのはわかった。(7回に稲葉を代打で送り)チャンスで行くぞと言っていた。最後は稲葉で終わるのではという気持ちがあった。きちっと一生懸命練習している。それがこういういい場面でメンタル強く振り抜ける理由だと思う。それを他の選手が見習ってほしい。(前川は)思ったよりもいい感じはしなかったが、相手が打ちあぐねてくれた。抑えたことはよかったが、腕が振れていない。あの投球では上を目指せない。まだ前川はこんなものではないと思っている。(打線は)まだチャンスでもう1本が打てていないので今後の課題。バントもまだしっかりできていない。来週もしっかりいい戦いができれば」
◇新潟・稲葉大樹選手兼任コーチの話◇
「ほっとした。こういう試合は落としたくなかった。その前に2回も自分で決めることができるチャンスを潰したので、3回目で打てなかったら男じゃないと思っていた。打席に入る前に監督から、(練習では)『もっと近い距離で俺の球を打ってるんだから、それに比べたら打てるだろ』と言われて、気持ちも吹っ切れた。初球から甘い球が来たら行こうと決めていた。本塁打を打つのが5年ぶりでビックリしている。チームが勝てたことが嬉しい」
◇新潟・前川哲投手の話◇
「きょうは体のキレがなかった。ただ1つよかったのは無四球だったこと。それがリズムにつながった。1年目よりもしっかり練習できている。それが自信にもつながっている。チェンジアップの制球が今後の課題。(9回同点に追いつかれ勝ちがなくなったが)これが野球。次に勝てるよう頑張りたい。(高校時代の同期である飯塚悟史投手[DeNA]や漆原大晟投手[新潟医療福祉大]の活躍は)気になっている。自分も球速150キロが目標。同期に負けたくないというのは常に思っている」
(取材・撮影・文/岡田浩人)